カテゴリーII 飛行に関する許可・承認の審査要領等の改正について【2026.09.29公表】
2026年10月1日
2026年10月2日
カテゴリーII 飛行に関する許可・承認の審査要領等の改正について 2026.09.29
2026年(令和8年)9月29日付で、国土交通省から「カテゴリーII飛行に関する許可・承認の審査要領等の改正について」が公表されました。
関連文書・リンク:
無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーII飛行): https://www.mlit.go.jp/koku/content/001866503.pdf
無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン: https://www.mlit.go.jp/common/001303818.pdf
レベル3.5飛行事例集: https://www.mlit.go.jp/koku/content/001880036.pdf
今回の改正では、「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーII飛行)」が改正されるとともに、「無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン」及び「レベル3.5飛行事例集」が更新されています。
今回の審査要領改正の中心は、補助者を配置しない目視外飛行において、やむを得ず人又は家屋の密集している地域の上空を飛行経路として設定する場合の取扱いを明確化したことです。
1.「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーII飛行)」の主な変更点
補助者を配置しない目視外飛行における飛行経路設定の明確化
補助者を配置しない目視外飛行について、原則として、第三者が存在する可能性が低い場所を飛行経路に設定することとされています。
従来は、やむを得ない場合の飛行経路として、幹線道路・鉄道や都市部以外の交通量が少ない道路・鉄道を横断する飛行などに加え、人又は家屋の密集している地域以外の家屋上空における離着陸時等の一時的な飛行が示されていました。
今回の改正では、この規定が見直され、「人又は家屋の密集している地域以外の」という限定が削除され、「家屋上空における一時的な飛行」と整理されました。
さらに、次の規定が追加されています。
やむを得ず人又は家屋の密集している地域の上空を飛行経路として設定する場合には、第三者及び物件への危害を防ぐための十分な安全確保措置を講じること。
これにより、補助者を配置しない目視外飛行において、人又は家屋の密集している地域を飛行経路に含める場合の安全確保について、審査要領上の取扱いが明確化されました。
立入管理区画と第三者の立入防止
補助者を配置しない目視外飛行では、飛行範囲の外周から製造者等が保証した落下距離の範囲内を立入管理区画として設定することや、立看板等による周知、第三者の立入りを制限するための措置などが求められています。
また、立入管理区画に道路、鉄道、船舶航路、家屋等が含まれる場合には、第三者の立入りを防止するための追加の措置を講じることとされています。
今回の改正では、こうした立入管理措置を前提として、人又は家屋の密集している地域を飛行経路として設定する場合についても、第三者及び物件への危害を防ぐための十分な安全確保措置を講じることが明記されました。
2.「無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン」の更新
「無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン」についても、2026年9月29日付で更新されています。
補助者を配置しない目視外飛行を含む無人航空機の飛行では、第三者の立入りを防止するための措置、飛行経路周辺の安全確認、夜間飛行や目視外飛行など飛行形態に応じた安全確保措置が重要となります。
また、今回の審査要領改正とあわせて、補助者を配置しない目視外飛行における安全確保について、運航時に必要となる考え方が整理されています。
3.「レベル3.5飛行事例集」の更新
「レベル3.5飛行事例集」も2026年9月29日付で更新されています。
レベル3.5飛行の具体的な運用事例として、物資輸送やインフラ点検などの事例が掲載されています。
DIDにおける物資輸送
和歌山市における物資輸送の事例では、離着陸地点となる病院が人又は家屋の密集している地域内に位置していたケースについて、周辺の人流や現地環境を確認したうえで飛行ルートを設定しています。
また、離着陸地点において、事前の住民周知等によって第三者の立入りを防止するための安全措置が講じられています。
このような事例から、飛行経路の設定にあたっては、単に地図上のDID該当の有無だけではなく、実際の人流、周辺環境、離着陸地点の状況などを踏まえて安全を確保することが重要であることが分かります。
電力設備の点検
群馬県みどり市における送電線点検の事例では、周辺環境や障害物の状況を確認したうえで航路を設定し、機体カメラによる飛行経路周辺の監視などを行っています。
また、通信環境が不安定となる場合に備えた体制や、異常発生時の飛行中止・対応手順などについても整理されています。
これらの事例は、補助者を配置しない目視外飛行を安全に実施するための具体的な運用方法を理解するうえで参考となります。
4.今回の改正による実務上のポイント
今回の改正により、補助者を配置しない目視外飛行の飛行経路を設定する際には、人又は家屋の密集している地域を飛行経路に含めることがやむを得ない場合についても、第三者及び物件への危害を防ぐための十分な安全確保措置を講じることが明確に示されました。
飛行計画を作成する際には、
第三者が存在する可能性が低い飛行経路を設定する
飛行範囲に応じた立入管理区画を設定する
第三者の立入りを防止するための措置を講じる
道路、鉄道、船舶航路、家屋等が飛行経路や立入管理区画に含まれる場合の安全対策を講じる
人又は家屋の密集している地域を飛行経路に含める場合には、第三者及び物件への危害を防ぐための十分な安全確保措置を講じる
といった点を考慮する必要があります。
5.2025年12月改正との関係
今回の2026年9月改正を理解するうえでは、2025年12月18日に施行された審査要領の改正も重要です。
2025年12月改正では、「ホームページ掲載無人航空機」や「ホームページ掲載講習団体等が行う技能認証」を利用した許可・承認申請に関する取扱いが見直されました。
これに対して、2026年9月改正では、補助者を配置しない目視外飛行における飛行経路の設定、特に人又は家屋の密集している地域を飛行経路として設定する場合の安全確保について、取扱いが明確化されています。
このため、両改正はそれぞれ異なる事項を対象とした改正として整理できます。
2026年9月29日のカテゴリーII飛行に関する審査要領改正では、補助者を配置しない目視外飛行について、やむを得ず人又は家屋の密集している地域の上空を飛行経路として設定する場合の取扱いが明確化されました。
従来の「第三者が存在する可能性が低い場所を飛行経路に設定する」という考え方を基本としながら、必要な場合には人又は家屋の密集している地域を含む飛行経路を設定することができ、その場合には第三者及び物件への危害を防ぐための十分な安全確保措置を講じることが明記されています。
したがって、今回の改正は、補助者を配置しない目視外飛行について、飛行経路設定の考え方をより明確にするとともに、飛行経路周辺の第三者や物件に対する安全確保を重視した内容となっています。