Noman Flight Research Group 無人航空機(ドローン)の研究会です

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無人航空機の運航管理システム UTM : UAS Traffic Management

2024年8月26日  2024年10月2日 

UTM:UAS(Unmanned Aircraft System) Traffic Management とは

無人機の運航管理システムであり、無人機の高密度な運用に際して必要となる低空域における交通管理の仕組みです。
ドローンの運航者が複数いる空域において、目視外環境下での安全かつ効率的な運航を実現するための管理システムです。

将来このような管制システムが導入されるのではないかと予想されるので、この「UTM」の現状と海外、国内の動向と国際規格についてまとめています。

空飛ぶクルマと呼ばれるような、UAM(都市部での航空モビリティ)や、UAS・UAV(無人航空機)の管制システムを、新たなものにするのか、既存の航空管制システムとどのように連携させるかが課題となっています。現在、通常の航空機ではADSBやトランスポンダといった機器を使って空域管制を行っていますが、UAMやUAVでも同様の方法が使えないかという検討がなされています。
一方で、MLTAやWAMといった新しい技術も研究されています。これらはトランスポンダの信号を複数の受信機で捉えて機体の位置を特定する方法です。
しかし、現状ではUAMやUAV用の情報共有基盤が完全に整備されていません。機体の位置情報や衝突回避システムなどが既存の航空管制システムと連携されておらず、情報共有の方式も決まっていません。これらの課題を解決し、安全で効率的な空の利用を実現することが求められています。

※MLTA、WAMとは
Multilateration:空港等の狭いエリアにてトランスポンダが発するスキッタを3か所以上で受信し、機体位置を特定する技術です。
Wide Area Multilateration: Multilaterationを広域にて展開し、航空管制に用いようとしている研究中の技術です。

無人航空機(ドローン)運航管理システム(UTM)の開発と実装

背景と目的

無人航空機(ドローン)の利用が世界的に拡大する中、安全な運航管理の必要性が高まっています。特に、有人地帯での目視外飛行の実現や、運航頻度の増加に伴い、無人航空機同士や有人機との接近・衝突のリスクを低減するための枠組みが求められています。

このような状況を踏まえ、日本政府は無人航空機の運航管理(UTM: UAS Traffic Management)に関する制度整備の方針を策定しました。この方針は、UTMの段階的な導入を通じて、安全で効率的な無人航空機の運用を実現し、新たな産業の発展を支援することを目的としています。

UTMに関する海外の動向

国際民間航空機関(ICAO)の取り組み

ICAOは、UTMシステム(UTMS)間のグローバルな調和を目的とし、UTMSの中核となる機能を備えたフレームワークの開発に取り組んでいます。2023年にはガイダンス第4版を発行するなど、国際的な標準化を主導しています。

この文書の目的は、典型的な無人交通管理(UTM)システムの本質的な構成要素と機能を概説し、その導入を検討している国を支援することです。UTMシステムは、短期的には既存の航空交通管理(ATM)システムと並行して機能し、長期的には最終的に統合できるものでなければなりません。無人交通の導入と管理、およびUTMインフラの開発は、既存のATMシステムの安全性や効率性を損なうものであってはなりません。UTMシステムを世界的に調和させ、ATMシステムへの段階的な統合を促進するためには、標準化された枠組みが必要です。これにより、メーカー、サービス・プロバイダー、エンドユーザーを含む業界は、既存の有人航空システムを混乱させることなく、安全かつ効率的な方法で成長することができます。

UTM共通フレームワークの利点

具体的には、以下の利点をもたらすUTMシステムを開発するために、州がこの文書を使用することができます:
- 有人・無人を問わず、すべての航空交通の継続的な安全
- 地上にいる人の安全
- 複雑な低レベルのUA操作
- 技術の進歩を継続的にサポートする
- 安全保障および環境リスクの評価
- 低レベルUTMの世界的な調和された枠組みを提供する

このフレームワークは、UTMの課題に対処するための特定のUTMシステム設計や技術的解決策を提案したり推奨したりすることを意図したものではありません。指針となる原則とそれを可能にする行動の標準的なセットを提案しています。

米国の取り組み

米国では、連邦航空局(FAA)とNASAが中心となってUTMの研究開発と実証実験を進めています。当初は政府主導のモデルを検討していましたが、現在は民間主導の分散型モデルへと移行しつつあります。このシステムでは、USSと呼ばれる民間のサービス提供者が複数存在し、ドローンの運航を管理します。

2023年7月、FAAは、 2018年のFAA再認可法における議会の要件に応えて、 UTM実装計画を発表しました。この計画は、UTMを実現するためのFAAの取り組み、具体的には短期および長期計画、およびUTMエコシステムの「完全な運用能力」を実現するために解決しなければならないポリシーのギャップを取り上げています。

このプランで考えられているものは、FAAの航空交通管制サービスが提供されていない空域の低高度(地上高(AGL)400フィート未満)での複数の目視外ドローン運用を可能にするための運用コンセプト、データ交換要件、およびサポートフレームワークを、FAA 、NASA、その他の連邦政府パートナー機関が共同で検討しているものです。

この無人航空機システム交通管理 ( UTM ) は、 FAAの航空交通管理 ( ATM ) システムとは別ですが、それを補完する、無人運用のための「交通管理」エコシステムです。UTMの開発では、最終的に、低高度の無人ドローン運用の管理を可能にするためのサービス、役割と責任、情報アーキテクチャ、データ交換プロトコル、ソフトウェア機能、インフラストラクチャ、およびパフォーマンス要件が特定されます。

UTMのビジョン
UTMは、航空交通管制サービスが提供されていない目視外 ( BVLOS ) で複数のドローンの運用を可能にするために空域を管理する方法です。
UTMを使用すると、ドローンオペレーターとFAAが協力して、リアルタイムの空域状況を判断して通信できるようになります。FAA はUASオペレーターにリアルタイムの制約を提供します。UAS オペレーターは、 FAAから積極的な航空交通管制サービスを受けることなく、これらの制約内で安全に運用を管理する責任があります。FAA 、ドローンオペレーター、およびその他の関係者間の主な通信および調整手段は、アプリケーションプログラミングインターフェイス ( API )を介した高度に自動化されたシステムの分散ネットワークを介して行われ、パイロットと航空管制官間の音声による通信ではありません。

欧州の取り組み

欧州では、EUレベルでの協調モデルの採用に向けた動きが見られます。SESAR 3 JU(Single European Sky ATM Research 3 Joint Undertaking)という組織がU-Spaceと呼ばれるUTMに近いシステムの開発を取りまとめています。
この組織は、ベルギーのブリュッセルに拠点を置く、欧州(EU)の官民パートナーシップです。EUにおけるすべての航空交通管理(ATM)関連の研究を調整しています。低高度空域の新しい航空交通管理の研究グループであり、UTM(UAS Traffic Management)の研究を欧州で束ねている組織でもあります。
EU、Eurocontrol(欧州航空航法安全機構)、空港、ナビゲーションサービスプロバイダー、ドローンオペレーター、メーカー、研究所など50以上の組織で構成されています。

ドローンはヨーロッパで成長中のビジネスで、都市部を含むあらゆる環境でサービスを提供しています。
マッピング、インフラ検査、精密農業、商品の配達、電子商取引は、ドローンを使用して実現できるサービスのほんの一部です。EUレベルで明確な枠組みが確立されれば、ドローンサービスと航空機の真にヨーロッパ的な市場が創出され、この新しい経済分野で雇用と成長を生み出す可能性が生まれます。

U-space は、多数のドローンが安全かつ効率的でセキュリティ保護された空域にアクセスできるように設計された、機能と特定の手順の高度なデジタル化と自動化に依存する一連の新しいサービスです。したがって、U-space は、有人航空および航空管制との適切なインターフェイスに対処しながら、あらゆる種類の空域とあらゆる種類の環境 (最も混雑した環境も含む) で、あらゆる種類の日常的なミッションを容易にするように設計された有効なフレームワークです。このイニシアチブをサポートするために、2017 年に SESAR 共同事業体は、U-space を運用可能にする方法のビジョンである U-space ブループリントを起草しました。ブループリントでは、ドローンに関する EU の航空戦略と規制フレームワークをサポートするために、4つのステップ(U1からU4)で実施されることが提案しています。2019年の基本サービスから始まり、2030年以降のフルサービス実現を目指しています。

U1: 電子登録、電子識別、ジオフェンシングをカバーする U-space 基本サービス。(2019年)
U2: 飛行計画、飛行承認、追跡、従来の航空管制とのインターフェースを含むドローン運用管理のための U-space 初期サービス。(2021年)
U3: 衝突検出の支援や自動検出および回避機能など、密集エリアでのより複雑な運用をサポートする U-space 高度サービス。(2025年)
U4: ドローンと U-space システムの両方に非常に高いレベルの自動化、接続性、デジタル化を提供する U-space フルサービス。(2030年以降)

日本におけるUTMの取り組み

DRESSプロジェクト Drones and Robots for Ecologically Sustainable Societies project

2017年から、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)が主導する「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」(DRESSプロジェクト)が実施されています。このプロジェクトの目標は、有人地帯での目視外飛行(レベル4)の実現です。

UTMの開発においては、JAXAを中心として以下の取り組みが行われています:
- ドローンの高密度・目視外飛行を実現するための運航管理方法を具体化した運用コンセプトの定義
- システムのアーキテクチャと共通インターフェースの設計
- 運航管理シミュレータの開発
- シミュレータを用いた空域の安全性や利用効率の評価
- システム開発要素(FIMS、UASSP、SDSPなど)の検証
- 統合的なシミュレーション検証および実証試験の実施

これらの取り組みを通じて、運航管理システムの有効性が確認されています。

日本におけるUTMの段階的導入

日本のUTM導入は、以下の3つのステップで進められます:

Step 1: 運航管理の現状

現在、一部の事業者がUTMシステムを開発し、限定的に使用しています。ドローン情報基盤システム(DIPS)では、飛行計画の通報時に重複がある場合、運航者間の調整を促す機能がありますが、調整は電話やメールで行われており、効率的とは言えません。

Step 2: UTMサービスプロバイダ認定制度

このステップでは、国が認定したUTMサービスプロバイダ(USP)が、飛行計画の調整支援などのサービスを提供します。主な特徴は以下の通りです:

a) 対象となる飛行:主にリスクの高い特定飛行(カテゴリーⅡ及びⅢ)を対象とします。
b) USPの利用:任意とします。
c) 主な機能:
   - 空域に関する静的情報の提供
   - 有人機(ドクターヘリ)に関する動的情報の提供
   - 飛行前の運航調整(飛行計画の共有、重複確認、調整支援)
d) 認定要件:サービス・機能、情報・データ品質、セキュリティ、組織体制、システム障害時の対応などについて、詳細な要件を設定します。
e) 既存制度との関係:現行の航空法を踏まえつつ、USPを利用した飛行計画の調整支援に関する法令上の取り扱いを整理します。

Step 3: 空域指定制度

このステップでは、特定の空域において認定USPの利用を義務付けます。主な特徴は以下の通りです:

a) 対象となる空域:無人航空機の輻輳する場所や、空飛ぶクルマ・有人機との接近の可能性が高い場所(空港周辺や飛行が多い場外離着陸場等)を指定します。
b) 対象となる飛行:カテゴリーⅠ~Ⅲを対象とすることが考えられます。
c) 主な機能:
   - 低高度空域のための情報交換機能(UTM・ATM・UATM間でのシステム連携)
   - モニタリング機能(リアルタイムの飛行監視、逸脱検知、異常検知、アラート周知)
   - DAA(Detect and Avoid)の動作状況確認
d) 既存制度との関係:指定空域、システム連携、モニタリング、DAAに関する新たな制度整備が必要となります。

関係者の役割と責任

UTMの導入に伴い、各関係者の役割と責任が以下のように変化します:
無人航空機の運航者
a) 飛行前:
   - 機体の登録、リモートID搭載、登録記号の表示
   - 飛行の許可・承認取得
   - 飛行計画の通報(Step 2以降はUSPを介して)
   - 機体の状況や気象情報等の確認
   - DAA装備(Step 3)

b) 飛行中:
   - 通報した飛行計画に従った飛行の実施
   - 飛行計画から逸脱した場合の動的な調整
   - USPからの指示への対応(Step 3)

c) 飛行後:
   - 飛行日誌の作成・具備
   - 事故等報告
   - モニタリング及びDAA動作の報告(Step 3)

UTMサービスプロバイダ(USP)
a) 飛行前:
   - 飛行計画の通報支援
   - 空域に関する静的情報の提供
   - 有人機(ドクターヘリ)の動的情報の提供
   - UTM・ATM・UATM間での飛行計画の重複調整(Step 3)

b) 飛行中:
   - 無人航空機の動態情報の把握及び運航者への情報提供
   - USP間同士の動態情報の共有
   - 飛行計画と実際の運航状況の適合性モニタリング支援
   - UTM・ATM・UATM間の動態情報の共有(Step 3)
   - 指定空域内におけるUTMでの逸脱を検知した場合のアラート発出(Step 3)

c) 飛行後:
   - モニタリング及びDAA動作の報告(Step 3)

航空局
a) 飛行前:
   - 機体の登録記号発番
   - 飛行の許可・承認
   - 飛行計画の重複判定
   - 飛行計画等変更の指示
   - UTM・ATM・UATM間での飛行計画の重複調整(Step 3)

b) 飛行中:
   - 飛行計画等変更の指示
   - UTM・ATM・UATM間の動態情報の共有(Step 3)
   - 指定空域内におけるATM・UATMでの逸脱を検知した場合のアラート発出(Step 3)

c) 飛行後:
   - 事故等調査
   - モニタリング及びDAA動作の報告(Step 3)

今後の課題

UTMの段階的導入を実現するためには、以下の課題に取り組む必要があります:
a) USP認定制度の詳細設計:認定要件、審査プロセス、更新制度などの具体化
b) 法令整備:UTMに関する規定の新設、既存の航空法との整合性確保
c) システムアーキテクチャの確立:DIPS、ドローン飛行情報システム、UTM、ATM、UATMの連携方法の具体化
d) 費用負担の在り方:制度やシステムの維持に必要な費用の分担方法の検討
e) 国際標準との整合性:ICAO等の国際機関や他国の動向を踏まえた制度設計
f) 技術開発の促進:DAA等の安全技術の開発支援
g) グローバルな相互運用性の確保:各国のUTMシステムとの連携を視野に入れた設計

このように日本では、独自のUTM制度の整備を進めています。段階的な導入アプローチにより、安全性を確保しながら、無人航空機の利用拡大を支援することを目指しています。

無人航空機の運航管理(UTM)に関する 制度整備の方針
令和6年3月
無人航空機の目視外及び第三者上空等での飛行に関する検討会 運航管理WG
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/kanminkyougi_dai19/sankou.pdf


UTMの標準化の動き

UTMシステムの研究・開発は米国、欧州、日本がそれぞれ推進していますが、UTMシステムをグローバルで活用するためには国際的な標準化も求められています。

2014年には、ドローンの国際標準化の分科委員会として、ISO/TC20/SC16 Unmanned aircraft systems(無人航空機システム)が設置されました。事務局は米国国家規格協会(ANSI)が務めています。ISO/TC20/SC16は、24カ国の参加メンバーと11カ国のオブザーバーで構成されており、6つの作業グループ(WG)、1つのジョイント作業グループ(JWG)、そして1つのアドホックグループ(AG)が活動しています。

作業グループの1つであるWG4(UAS Traffic Management)では、日本が部会長を担当しており、UTMに関する国際標準化を推進しています。以下のような、UTMに関する国際標準が発行されています。

ISO/TR 23629-1:2020
UAS traffic management (UTM) — Part 1: Survey results on UTM
無人航空機システム交通管理(UTM) — 第1部:UTMに関する調査結果

ISO 23629-5:2023
UAS traffic management (UTM) — Part 5: UTM functional structure
無人航空機システム交通管理(UTM) — 第5部:UTM機能構造

ISO 23629-7:2021
UAS traffic management (UTM) — Part 7: Data model for spatial data
無人航空機システム交通管理(UTM) — 第7部:空間データのデータモデル

ISO 23629-8:2023
UAS traffic management (UTM) — Part 8: Remote identification
無人航空機システム交通管理(UTM) — 第8部:遠隔識別

ISO 23629-9:2023
UAS traffic management (UTM) — Part 9: Interface between UTM service providers and users
無人航空機システム交通管理(UTM) — 第9部:UTMサービスプロバイダとユーザー間のインターフェース

ISO 23629-12:2022
UAS traffic management (UTM) — Part 12: Requirements for UTM service providers
無人航空機システム交通管理(UTM) — 第12部:UTMサービスプロバイダの要件
関連する項目について詳しくは下記にまとめています。
無人航空機の飛行計画の通報 ドローン情報基盤システム2.0(DIPS2.0)(令和4年12月5日施行)

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アルファベットや数字を無線通信・電話(口頭)で正しく伝える方法 「アルファー」「ブラボー」「チャーリー」このような、暗号のような、呪文のような言葉を航空業界では使用されることが比較的多いので耳にする機会があるのではないでしょうか。これは、フォネティックコード(Phonetic Code)と呼ばれるアルファベットや数字を正しく伝える為の工夫です。スペリングアルファベットとも呼ばれ、アルファベットにどのような言葉を当てはめるかは、国際規格として定められています。ですから、通常は世界どこに行っても通用するものとされています。通信で使用されるだけでなく、共通の知識として前触れなくあられることがありますので、知っておいて損はないと思います。 第一次世界大戦後、音声を利用する双方向無線が開発され、普及する以前、低品質の長距離電話回線での通信を改善するために、電話のスペルアルファベット(Spelling Alphabet)が開発されたました。 アルファベットの「B」ビーと「D」ディーや「M」エムと「N」エヌのように、発音が似ているものを聞き間違えることなく伝えることを目的として、定められたアルファベットの通話表での置き換えます、航空機や船舶などの通信で主に利用されています。また、コールセンターなど対面できない際の電話での通話の間違いを防ぐためにも、利用されているようです。航空業界に関わり合いのある、旅行業界やホテル業界などでも利用されることがあるそうです。 このフォネティックコードを用いると、BとDは「ブラボー」と「デルタ」、MとNは「マイク」と「ノベンバー」になりますので、発音が似ているアルファベットも間違えずに伝えることが出来ます。 フォネティックコード表 アルファベット 読 み A ALFA アルファ B BRAVO ブラボー C CHARLIE チャーリー D DELTA デルタ E ECHO エコー F FOXTROT フォックストロット G GOLF ゴルフ H HOTEL ホテル I INDIA インディア J JULIETT ジュリエット K KILO キロ L LIMA リマ M MIKE マイク N NOVEMBER...

無人航空機の飛行形態「カテゴリーⅢ、Ⅱ、Ⅰ」 と 飛行レベル「レベル1~4」

無人航空機の法改正が続きドローンの規制や、操縦資格など、新しい制度が、作られる過程で、様々な飛行ケースを表す言葉として、「カテゴリーⅢ、Ⅱ、Ⅰ」や「レベル1、2、3、4」といった用語を目にすることが、多くなりました。「ドローンを「レベル4」で初飛行」とニュースで大きく報じられました。このように「レベル4」がなぜ画期的な事なのか、またそもそもこのレベルとは、何を表しているのか、改めて整理してみたいと思います。余談になりますが、法改正のタイミングで、ニュースなどでも、同じタイミングで取り上げられていたこともあり、全く別なのですが、自動車の自動運転に関する自動運転レベル(こちらはレベル0~5で表される)などと、混同してしまいそうです。 無人航空機の飛行レベル は飛行する条件をリスクに合わせてレベル分けしたカテゴリで、レベルが上がるほど、安全性リスクが増すものです。そのため、飛行レベルの高い飛行を行う場合は、より安全性に配慮した飛行が求められることになります。したがって、自律飛行(自動運転)もリスクを伴うものですが、自動車の自動運転ほどの精密な位置制御が必要ないであろうドローンの場合、他のリスク要因(目視外の飛行)と比較してさほど高くならないという事でしょう。したがって、この飛行レベルは自律飛行(自動運転)について語られている物ではく、自律飛行(自動運転)についての要素は入っていません。きわめて極端に言えば、空には道路もなく、歩行者もいない。(落とさなければいいだけ)という事ができると思います。また、有人航空機では、オートパイロットなど自動操縦の技術がすでにあることも、自動運転のリスク認識が、高くない一つの要因かもしれません。 2023年3月24日に日本国内で初めてレベル4飛行が実施されたニュースが流れましたがこれらのニュースの見出しでも「自動ドローン」や「自動飛行」などの見出しがいくつかありました。確かに、あらかじめルートや高度をプログラムして飛行させれば、自動と言えるのでしょうが、レベル4飛行を報じるのにはやや適切でない印象をうけました。手動だろうが自動だろうがレベル4の飛行はあるわけですし、ましてやドローンが状況判断をして自律飛行しているわけでもないですし。問題にすべきポイントがズレて伝わってしまう可能性があると思います。改めて、 無人航空機の飛行レベルは、自動操縦の...

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ノーマン飛行研究会
2015年 首相官邸ドローン事件があった年、トイドローンを手にして以来ドローンと関わっています。JUIDAの無人航空機安全運航管理者、操縦技能証明とドローン検定協会の無人航空従事者試験1級 を取得しております。無線関連の第1級陸上特殊無線技士も取得しております。 できるだけ正確に学んだことを綴って行きたいのですが、もし間違いなどありましたらご指摘いただけると嬉しいです。 このサイトはリンクフリーです。報告の必要ありません。リンクして頂けると喜びます。
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