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CRM クルー・リソース・マネジメント 【教則学習・詳細】

2023年2月13日  2023年2月13日 
CRM  クルー・リソース・マネジメント 【教則学習・詳細】

CRM [Crew resource management] 
クルー・リソース・マネジメント について

クルー・リソース・マネジメント 

CRM (Crew Resource Management) は、航空業界においての航空機の乗務員(パイロット、キャビンアテンダントなど)のリソース管理の方法を指します。CRM は、パイロット、キャビンアテンダント、およびエンジニアなどの地上スタッフの意思決定やコミュニケーションの方法を向上させ、協力して安全かつ効率的に運航するためのシステムです。ることを目的としています。これにより、航空機の安全性や効率が向上することを目的としています。


CRM では、航空機の乗務員が協力して作業することが求められます。これには、適切なコミュニケーション、リーダシップ、ディシジョンメイキング(意思決定)、およびチームワークのスキルが含まれます。これらのスキルを使用することで、航空機の乗務員はより効率的に協力して作業することができ、エラーや事故を防ぐことができます。


CRM は、航空業界はもとより、他の危機管理を必要とする多くの業界でも用いられています。これは、より協力的なチーム作業や効率性の向上、および、より良いコミュニケーションのために重要な概念となっています。


無人航空機でのCRM

CRMの導入や利用が進んでいる民間旅客航空業界に比べ、歴史の浅い無人航空機の業界では、CRMの導入がようやく進められ始めた段階ではないかと思います。元々、民間旅客航空を発祥とするCRMですが、そのまま無人航空機へ適用させることは出来ないので無人航空機へ最適化された物を導入するか、無人航空機へこれから最適化していく事になると思います。CRMのノウハウを持った民間の旅客航空会社が無人航空機を対象にしたCRMプログラムのセミナーを始めているようです。この様に無人航空機でのCRMはまだこれから、より最適化され、安全性を高めていく段階だと思います。

CRMを学ぶためのセミナーについて

CRMのスキルを学ぶためには、このスキルが周囲とのコミュニケーションなど、チームの人間関係の健全な構築を目指すよう様な、いわゆる一般的に言われるテクニカルスキルではなく、その人の行動や言動などの、単純に学んで身につくようなものではないスキルだと思います。そのような事もあり、CRMを導入しているところでは、実際にシミュレーションなどの研修を繰り返し、体にしみ込ませるような方法がとられているようです。 無人航空機を対象にしたノンテクニカルスキルのセミナーには以下のようなものがあります。無人航空機に特化したセミナーが行われています。セミナーの内容を参考に拾いだしました。

JAL Non-Technical Skills 「Standard」

Human Performance

人はどのような情報処理を行って行動するのかを理解します。そして、そのプロセスの中で 正しく行われない、Errorが発生することを体験から学んでもらいます。どんなに意識してもそのErrorを防ぐことが出来ないこと、人間の脆弱性や能力の限界を紹介、体験して理解してもらいます。またこれらのManagement方法について講義します。

Safety Management

安全を維持するための基本的な考え方、Threat & Error Management(TEM)を紹介します。TEMは社会のあらゆる場面で有効に働きます。このTEMをチームとして行うために必要なMulti Crew Co-Operation(MCC)の考え方とその実践方法を紹介します。最後にチームが機能するために必要な個人的なSkillsを紹介します。

https://www.jal.com/ja/jamoa/curriculum/#anc_curriculum


ドローンスクールでのセミナー

DOSA CRM講習

2. ドローンによる事故事例

(1) 農薬散布機の操縦ミスにより眼球破裂を起こした事例

(2) 屋内で産業機を練習中に指を切断した事例

3. 事故発生要因の考え方

(1) スイスチーズモデル

(2) ハインリッヒの法則

4. 人はミスを犯す生き物

(1) 人間の限界

(2) フェーズ理論

5. ヒューマンエラー

(1) ヒューマンエラーとは

(2) エラーのリスクが高まる状況

(3) ヒューマンエラーに起因する事故の比率

6. ヒューマンエラー防止策

①自分を知る

(1) Awareness Wheel(気付きの輪)とは

(2) Awareness Wheelの一覧

(3) 自己診断をしてみよう

7. ヒューマンエラー防止策

②責任思考型から解決思考型へ

8. CRMとは

(1) 航空業界でのCRM導入の背景

(2) 航空事故のファクター別要因の推移

(3) CRMの目標

(4) 権威勾配

(5) CRMスキルの5大要素

(6) TEM (Threat & Error Management)

(7) SHELLモデル

(8) LOFT (Line Oriented Flight Training)

https://www.dosa.jp/crm/



航空会社でのノンテクニカルスキルのセミナーです。ドローンを対象にしたものではありませんがCRMを学ぶことができると思います。

ANA ヒューマンエラー対策研修

事故や不具合を未然に防ぐための発想とノウハウを、航空業界の事例を交えながらお伝えいたします。


ヒューマンエラー対策の概念

ヒューマンエラーを誘発するヒューマンファクターとは?事故発生のプロセスを図式化した“エラー(事象)チェーン”、事象の分析ツール“SHELモデル”などの基礎的な知識と、原因究明型の事故再発防止策の必要性をお伝えします。

人はなぜエラーを起こすのか

「思い込み」や「記憶違い」など人間特性によるエラーと「人を取り巻く環境」や「規則違反」などエラーと密接に関係する要因についてご紹介します 。

ヒューマンエラー防止法

ヒューマンエラーが起きても重大な不具合や事故にならないようにする「エラートレランス」とヒューマンエラー自体の発生を未然に防ぐことでエラーそのものを減少させようとする「エラーレジスタンス」という2つの対策をご紹介します。

再発防止対策実践法

事故当事者、関係者へのヒアリング手法、事故分析と対策立案のエラーチェーン分析手法を事例を基にグループワークで学びます。


ANAコミュニケーション

ブレークスルー

コミュニケーションは、自分が考えていることを言葉で表現することから始まります。ブレークスルーとは、「慣れた環境から外に踏み出し自分自身を成長させ続けること」です。短時間で話をまとめる練習を繰り返したり、声の抑揚やボディーランゲージを活かし、自身の考えを的確に表現する練習を繰り返し、伝えることの重要性を学んでいただきます。

自身の考えを適切に発言する

お客様や上司に自分の考えを伝えることを躊躇したり、職場の仲間や家族に対して配慮をせず感情的に要望を伝えた経験はないでしょうか。相手を尊重しながら自分の気持ちを正しく伝えるアサーティブなコミュニケーションを学んでいただきます。

苦手な人との関係克服

社会では苦手な人とも人間関係を築くことが求められます。ソーシャルスタイル理論に基づき、相手のスタイルに合ったコミュニケーションをとることで、苦手な人との関係を克服するコツを学んでいただきます。

フォロワーシップ

組織で成果を高めるためには、リーダーを補佐するメンバーが、フォロワーシップを発揮することが不可欠です。

フォローワーシップを発揮するための一歩として、日本人のコミュニケーションの特性を理解し、発言から真意を洞察するプロセスを学んでいただきます。

リーダーに求められるコミュニケーション

企業の信頼や価値を高めるためには、組織の中で異なる意見が出ても互いが納得するように話し合い、結論をだすことが大切です。組織を成功循環に導くリーダーシップコミュニケーションを学んでいただきます。

https://www.abc.jp/service/anakenshu/


このようにドローンスクールだけではなく旅客航空会社でも学ぶことができるようです。


民間旅客航空業界におけるCRM

CRMという概念、およびそれに基づく訓練は、米航空宇宙局(NASA)が 1970年代に実施した人的要因による事故や不安全事象の調査研究がもとになっています。この調査で航空機事故の多くは人的要因(ヒューマンファクター)、しかも個々の乗務員の操縦技量のようなテクニカルなものではなく、乗務員間の意思疎通上の誤解、チームとしての能力が十分発揮されないことなどが要因になって発生していることが明らかになりました。この事から、従来の操縦技量を磨くことに重点を置いた訓練だけではこうした事故を防止することはできません。そこで、コミュニケーションや意思決定、チームマネジメントといったノン・テクニカルなスキルについても訓練を行う必要性が認識されるようになり、CRMの概念は 1980 年以降急速に発展し、様々な訓練プログラムが開発されてきました。CRMは当初 Cockpit Resource Management といわれ、安全で効率的な運航を達成するために、操縦室内の乗務員を中心に、利用可能な人的・物的資源(リソース)や情報を効果的に活用することを指していましたが、現在では、客室乗務員、整備士や運航管理者などの地上スタッフ、管制官等あらゆる関係者との連携をより強調するために、Crew Resource Management と言い換えられています。


CRMスキルの分類

CRMスキルはプログラムにより多少の違いはありますが、5つのスキルに分類することができます。
CRMスキル 

  • 状況認識 予測、警戒、状況の把握・共有、問題の分析

  • コミュニケーション 情報の伝達・共有、ブリーフィング、安全のための主張・質問

  • 意思決定 解決策選択、決定の実行、決定・実行のレビュー

  • チームマネジメント 業務の主体的遂行、チームの雰囲気づくり、チーム内の意見の相違の解決

  • ワークロードマネジメント プランニング、優先順位付け、タスクの配分、個人・チームのストレス管理


これらのスキルをバランスよく身につけ、状況に応じ各個人の能力をうまく組み合

わせ、チーム全体の能力を最大限に発揮できるようマネジメントすることを目指しています。


これらのスキルは、次のような方法で評価されます。

  • オブザーバー評価:他のメンバーからのフィードバックを元に評価すること。

  • セルフレポート:自己のパフォーマンスに関するフィードバックを提供すること。

  • エピソードレポート:特定のエピソードに関連して、自分のパフォーマンスに関するフィードバックを提供すること。

  • シミュレーション:シミュレーション環境でのパフォーマンスを評価すること。


これらの評価方法は、クルーのパフォーマンスを正確かつ公正に評価することを目的としています。また、評価結果は、今後のトレーニングや改善のために利用されます。


CRM のメリットとしては、次のようなものがあります。

  • 安全性の向上: CRM は、乗組員間のコミュニケーションを改善することで、より安全な航空運航を実現することができます。

  • 効率性の向上: CRM は、チームとして働くことで、タスクをよりスムーズに遂行することができるため、作業効率が向上します。

  • 疲れの減少: CRM は、乗組員間のコミュニケーションを改善することで、より効率的なタスク遂行ができるため、疲れの減少につながります。


CRM のポイントとしては、次のようなものがあります。

  • 協力すること: CRM では、乗組員全員が協力して仕事を遂行することが大切です。

  • コミュニケーションを取ること: CRM では、乗組員間のコミュニケーションが重要です。他の乗組員の意見やアイデアを尊重し、自分の意見も適切に伝えることが大切です。

  • リーダーシップ: CRM では、リーダーシップが大切です。パイロットはチームをリードする役割を担い、他の乗組員が最善のパフォーマンスを発揮できるようにサポートすることが大切です。

  • チームワーク: CRM では、チームワークが大切です。乗組員全員が協力して仕事を遂行することで、より安全かつ効率的な航空運航を実現することができます。

  • 柔軟性: CRM では、柔軟性が大切です。状況が変化することがあるため、乗組員は状況に応じて対応することが大切です。

CRM は、航空業界において重要な役割を果たしており、安全かつ効率的な航空運航の実現に向けて採用されています。



CRM訓練の内容

効果的なCRM訓練の構成要素としては、大きく以下の3つが挙げられます。


  1. セルフマネジメントにつながる「気づき」を中心とした初期導入

CRMの原点として、人間の特性を理解するということが挙げられます。人間の

認知、判断、行動が常に完全ではない(ミスをする前提)ということは、なんとなくわかっていても、人間が陥りやすい傾向や人間の思考のメカニズムについて多くは知られていません。


  1. Awareness Wheel(気づきの輪)、SHEL モデル等のツールを利用して、自らの状態、パフォーマンス、思考過程などを理解し、最適にマネジメントできるようにするとともに、他者の行動や思考についても考えることで、状況認識、コミュニケーション、意思決定、チームマネジメントやワークロードマネジメントといったCRMスキルの重要性を認識する事が訓練の第一歩になるようです。
    各種のCRMスキルを単に個人の知識としてだけでなく、体験として身につけるために航空会社などで行われるのがLOFT(Line Oriented Flight Training)といわれるシミュレーション訓練です。LO FTはシミュレーターを活用し、各種機材の故障はもとより、天候の急変、急病人の発生等、実運航で発生しうる様々な状況を設定したシナリオに基づき実施される訓練で、CRM訓練とLOFTは定期訓練の一部として実施することが義務付けられています。実際の運航を模した臨場感のある訓練によりCRMスキルの重要性を認識し、訓練中の自分自身や他のクルーの状況認識、意思決定や行動の過程について振り返ることで、チームとしてのパフォーマンスを最大限に発揮するマネジメント能力をさらに向上させることができるよう訓練を繰り返し行われています。

  2. 継続的な取り組み

いかにCRM訓練やLOFTといった個々のカリキュラムが効果的であっても、それが一度きりのものでは、その効果は持続せず十分なものになりません。

既に航空会社では定期的なCRM訓練の実施が義務づけられているのですが、さらに、他の訓練や日常運航の中でもCRMの概念が意識されるよう、組織の文化の一部として定着させることが肝要とされています。



LOSA(Line Operations Safety Audit)とTEM(Threat And Error Management)

CRM訓練やLOFTは決まった教材や予め設定されたシナリオに沿って行うものですが、これらとは別のアプローチとして実際の日常運航をCRMスキル等に着目してモニターし、データの収集・分析をするLOSA(Line Operations Safety Audit)という仕組みもあります。LOSAは 1990 年代にテキサス大学が米連邦航空局(FAA)の支援を受け開発した手法で、LOSA運営機関のオブザーバー、および専門の訓練を受けた航空会社のオブザーバーの 2 名が操縦室に同乗し、運航の一連の流れ、乗務員の操作手順等の日常運航のありのままの姿を客観的に観察します。この中でエラーに繋がる要因(=スレット Threat)を収集・分析してその結果を航空会社に報告します。スレットとは直訳すれば「脅威」となりますが、ここでは「運航の複雑さを増加させ、エラーを誘発する様々な要因」と定義されています。また、「エラー」とは「クルーがその組織またはクルーの意図や期待から逸脱するような行動をとること、または行動をとらないこと」とされています。間違った行いをしてしまう事だけでなく、行わなければならない事をしないのも、エラーということになります。

スレットはエラーにつながり、エラーは「望ましくない状態」に繋がります。この「望ましくない状態」を放置するとインシデントや事故に繋がるので、これを適切にマネジメントしようとする概念が、TEM(Threat And Error Management)です。


実際に航空会社で行われている訓練内容の例

CRMセミナー

副操縦士昇格後あるいは機長の昇格前等に合宿形式で実施される。様々なCRMスキル等について学び、グループディスカッション等も交えながら、問題解決能力を身につけることを目的とします。


(訓練内容)

 SHELモデル、AW等のツールを用いたセルフマネジメント

 コミュニケーション、リレーションシップ、リーダーシップのスキルをベースにしたチームマネジメント

 セルフマネジメント、チームマネジメントをベースに、問題解決のための合理的思考プロセスを使ったトータルマネジメント


CRM座学

訓練センターの教室で機種、資格混合で開催される。毎年度テーマを決めて教材が作成される。また、客室乗務員と合同の緊急脱出訓練はこのCRM座学と時期を合わせて開催されている。

LOFT

全運航乗務員を対象に年1回、定期訓練の一部としてシミュレーターを用いて実施されます。運航の開始から終了までの間に、実際に起こりうる様々なトラブルが発生します。訓練中教官は一切介入せず、2名の乗務員だけで発生事象に対応し、終了後に発生事象や対応内容をビデオで振り返ります。シナリオは機種ごとに10〜15種類前後用意されています。


シナリオ例

上昇中に貨物室加熱の警告が表示され、巡航に移った後、前部貨物室ドアオープンの警告の表示とともに客室の急減圧が発生。さらに右エンジンが停止し緊急事態となり、降下中には翼の高揚力装置が左右非対称になるという不具合が発生する。


これは 1989 年、ユナイテッド航空のボーイング747 型機の前方貨物ドアが破損(この際、乗客 9 名が機外に放り出されて亡くなっています)、飛散した破片を吸い込んだ第 3、第 4 エンジンを停止してなんとか着陸したという実際に起こった事故に基づくシナリオです。

機体の不具合に加え、天候の急変や乗客に急病人が発生する等、状況が複雑に展開し、様々な問題が発生する中でも運航乗務員同士、あるいは客室乗務員や管制官、地上のスタッフ等とも緊密に連携しながら安全に飛行を継続することが求められる訓練です。


LOSA

実施はおよそ3ヶ月の間、日常運航の中に潜むスレットやエラーを抽出することを目的に、国際線を含む約 300 便(1 機種あたり 40~60 便)で実施され、実施のおよそ半年後にはLOSA運営機関TLCから分析結果が報告され、手順の見直し等の改善に繋げられています。LOSAは5年に1度実施されることが望ましいと言われています。



関連部署への拡がり(DRM、SRM)

CRM訓練は安全運航を維持するために不可欠なものとして各航空会社に広く定着していますが、運航乗務員だけでなく、飛行計画を作成し飛行監視等を行う運航管理

者にもCRMの概念や訓練が有効であるとして、FAAはDRM(Dispatcher’s

Resource Management)実施のガイドラインを提示しています。このような流れに沿って、各航空会社がそれぞれ、DRM訓練、さらに運航乗務員や運航管理者の業務を支援する運航支援者をはじめとする広範囲の空港関係者向けのSRM(Station Resource Management)訓練を開発、実施しています。

DRM(Dispatcher’s Resource Management)

運航の飛行計画作成や飛行監視等を行うOCC(Operations Control Center)ではDRM訓練を開発し、運航管理者・運航支援者を対象に実施しています。1日半かけて行われる12時間のカリキュラムで、CRM同様、DRMの背景説明、セルフマネジメント、チームマネジメント、トータルマネジメントについて学びます。またDRMにて習得したセルフ/チーム/トータルマネジメントを実際の運航で発揮すべく、運航乗務員と同様にLOFT訓練であるDECISION(Dispatcher Emergency and Crisis Integrated Simulation) を運航管理者定期訓練にて年1回実施しています。

SRM(Station Resource Management)

DRMの導入に続き、空港での業務に従事する運航支援者、航空機の到着から出発までの各種作業の工程管理者やロードコントローラー(航空機の重量・重心位置の管理担当者)といったスタッフはもちろん、航空機の誘導や貨物等の搬送および積み降ろしといった作業を担当するハンドリング会社等の空港スタッフ向けにも、同様の基本概念に基づくSRM訓練を開発、羽田等主要空港のスタッフを対象に定期的に実施するなど、CRMの取り組みはより広い範囲に拡大、定着しています。

訓練対象者のさらなる拡がり

DRM、SRMのように運航管理者や運航支援・ハンドリング関係者の訓練として指定されているもの以外にも、例えば旅客サービス部門や整備部門等も含む空港関連部署全体で実施するイレギュラー対応訓練や事故初期対応訓練等においても、CRMやLOFTの概念や手法を活かした訓練シナリオの設定や業務手順の検証が行われています。こうした取り組みにより、関係者が航空機の安全運航に関して、当事者意識を持って業務に臨むような風土を作っています。実際に地上ハンドリング会社のスタッフが着陸後地上走行中の航空機の外観から機材の不具合を発見し、整備部門への通報が迅速であったため、次便の出発までの時間内に対応できたといった事例もあるそうです。このように、広範囲の関係者の当事者意識・参画意識が、運航の安全性や品質の向上にもつながっているようです。



CRM トレーニングには、乗組員のコミュニケーション、リーダーシップ、チームワーク、柔軟性、エマージェンシー・マネジメント、ストレス・マネジメント、多文化間のコミュニケーションなどがあります。

トレーニングの詳細な内容は業界や航空会社によって異なりますが、これらのトレーニングは、講義、グループディスカッション、シミュレーションなど多様な形式で行われているようです。これらのトレーニングは、乗組員のパフォーマンスを向上させ、安全なフライトの遂行を支援することを目的としています。また、トレーニング内容は時代やニーズに応じて変化していますので、定期的に受講することが望ましいとされています。一般的なトレーニング内容は以下の通りです。


コミュニケーショントレーニング

乗組員間のコミュニケーションのための技法や言語、コミュニケーションのバリアを克服する方法などを学ぶことができます。例えば、シミュレーションを行いながら、緊急事態に対するコミュニケーションの仕方や、乗組員間での意思疎通の方法などを学ぶことができます。このトレーニングでは、クルー(チームメンバー)間の認識の一致、情報の共有、問題解決など、航空業務において重要な役割を果たします。以下のようなトピックがカバーされています。

  • 意思疎通の促進: チームメンバー間の意思疎通を促進するためのコミュニケーションテクニックを学習します。

  • リスニングスキル: 他の人の意見やアイデアを正確に理解するリスニングスキルを向上させます。

  • 問題解決のためのコミュニケーション: 問題解決に必要な情報を正確に共有するためのコミュニケーションスキルを学習します。

  • 語り口の調整: 語り口を調整して、他の人を巻き込んで問題解決に向けて協力することを促進するスキルを学習します。

  • コンフリクトマネジメント: コミュニケーションのトラブルが発生した場合のトラブルシューティングスキルを学習します。

これらのトレーニングは、模擬練習やグループワークなどを通じて行われます。コミュニケーションスキルを向上させることで、クルー(チームメンバー)間の認識の一致や協力などが向上し、安全かつ効率的な航空業務の実現が期待されます。



リーダーシップトレーニング

乗組員のパフォーマンスを改善するための指導的役割を果たすことが求められるリーダーに対して行われます。例えば、グループディスカッションを通じて、チームのモチベーションを高める方法や、組員のパフォーマンスを向上させる方法などを学ぶことができます。

このトレーニングは、次のようなスキルを強化することを目的としています。

  • コミュニケーション:効率的かつ明確なコミュニケーションを行い、情報のやり取りや指示の伝達に効率的な方法を使用すること。

  • チームワーク:チームの一員として働き、他のメンバーと協力して目標を達成すること。

  • 判断力:状況を正確に判断し、適切な決定をすること。

  • プロブレムソリューション:問題が発生した場合、効率的かつ効果的な解決策を見つけること。

このトレーニングは、演習やシミュレーションを通じて、リーダーが上記のスキルを実践することを求められます。また、フィードバックを付けて、リーダーのパフォーマンスを改善するためのヒントや提案を提供することも重要です。



チームワークトレーニング

乗組員のチームワークスキルを向上させることを目的としています。例えば、シミュレーションを行いながら、協力することで仕事を遂行する方法や、チームメンバー間の相互理解を深める方法などを学ぶことができます。以下のようなスキルを強化することを目的としています。

  • コミュニケーション:効率的かつ明確なコミュニケーションを行い、情報のやり取りや指示の伝達に効率的な方法を使用すること。

  • チームビルディング:チームの一員として働き、他のメンバーと協力して目標を達成すること。

  • 判断力:状況を正確に判断し、適切な決定をすること。

  • プロブレムソリューション:問題が発生した場合、効率的かつ効果的な解決策を見つけること。

このトレーニングは、演習やシミュレーションを通じて、チームメンバーが上記のスキルを実践することを求められます。また、フィードバックを付けて、チームメンバーのパフォーマンスを改善するためのヒントや提案を提供することも重要です。


柔軟性トレーニング

乗組員の柔軟性を向上させることを目的としています。例えば、シミュレーションを行いながら、状況が変化することに対応する方法や、他の乗組員の意見やアイデアに対応する方法などを学ぶことができます。以下のようなスキルを強化することを目的としています。

  • 柔軟性:変化する状況に対応し、適切な決定をすること。

  • 臨機応変:急激な変化に対応する能力。

  • 創造力:新しいアイデアを生み出し、問題を解決するためのアプローチを見つけること。

このトレーニングは、演習やシミュレーションを通じて、チームメンバーが上記のスキルを実践することを求められます。また、フィードバックを付けて、チームメンバーの柔軟性や臨機応変性を改善するためのヒントや提案を提供することも重要です。


エマージェンシー・マネジメントトレーニング

緊急時の状況に対応するためのトレーニングです。以下のようなスキルを強化することを目的としています。

  • 協調性:チームメンバー間が協力して問題を解決すること。

  • コミュニケーション:情報を正確かつ迅速に伝えること。

  • 判断力:適切な決定をすること。

  • 対処力:緊急事態に対応する能力。

シミュレーションや演習を通じて、緊急時の状況に対応するためのスキルを強化することを求められます。また、フィードバックを付けて、エマージェンシー・マネジメントのスキルを改善するためのヒントや提案を提供することも重要です。このトレーニングを通じて、チームメンバーは、緊急時に最適な対応をすることができるようになります。


ストレス・マネジメントトレーニング

緊張やストレスを引き起こす状況に対処するためのトレーニングです。以下のようなスキルを強化することを目的としています。

  • ストレスの認識:ストレスを引き起こす要因を認識すること。

  • ストレスのコントロール:ストレスをコントロールするためのテクニックを学ぶこと。

  • 冷静な判断:ストレス下でも冷静な判断をすること。

  • チームワーク:ストレスを共有して、協力して対処すること。

このトレーニングは、ディスカッションやグループワークなどを通じて、ストレスを引き起こす要因を認識し、ストレスをコントロールするためのテクニックを学ぶことを求められます。また、個人レベルでのストレス管理の方法や、チームとしてのストレス管理の方法についても議論することが重要です。このトレーニングを通じて、チームメンバーは、緊張やストレスに対処するためのスキルを強化することができます。


多文化間のコミュニケーショントレーニング

異なる文化、言語、価値観を持つ人々とのコミュニケーションを効果的かつ効率的に行うことを目的としたトレーニングです。このトレーニングは、グローバルな環境で働く職業に特に重要なものとなります。異なる文化間におけるコミュニケーションに関する問題を洗い出し、解決策を提供することが目的です。例えば、異なる文化においては、身振りやジェスチャーが異なりますが、その認識がないと誤解や不快な状況に陥ることがあります。このような状況に対する対処法や、異なる文化間でのコミュニケーションスキルの向上方法などが学べます。


CRM関連の航空業界において使われる用語


ディシジョンメイキング (decision making)

ある状況において問題解決のため複数の選択肢から、最善の解を求めようとする人間の認知的行為で、個人またはグループが決定をするための方法を指します。日本語で「意思決定」と訳されます。

次のようなステップからなります。

  • 問題または課題の発見

  • 選択肢の選定

  • 選択肢の評価

  • 最善の選択肢の選択

  • 決定の実行

  • 決定の結果のモニタリング

個人またはグループにとって重要なプロセスであり、決定をする際には複数の要因や情報を考慮する必要があり、適切なアプローチを選択することで、より良い決定をすることができるとされています。

AW(Awaness Wheel)  アウェアネス・ホイール(気づきの輪)

自分の内面の状態を知るためのツールで、より広いCRMトレーニングプログラムの一部として使用されます。

人の心の動きは、感覚・思考・感情・願望・行為の5つの領域から成り立っています。様々な状況の中で自らが体験したことを、「スポーク」と呼ばれる明確な5つの領域に分けて視覚的に表現し振り返ることで、内面の状態を認識することができます。また、自身の経験を反省し、他人の行動を考慮することで、Awareness Wheelを使って自分が認識を改善する必要のある領域を特定することができます。これは、ストレス、不安、疲れなどの個人的な要因がチーム内でのパフォーマンスやコミュニケーションにどのように影響するかをより良く理解し、個人の認識を向上させ、これを他者の行動に適応させれば、様々な場面でのコミュニケーションスキルの向上に役立てることができ、より安全で効果的なチーム環境を構築することができます。


TEM(Threat And Error Management)モデル

IATA(国際航空運送協会)が提供する安全プログラムで、航空業界において実践されている「Human Factors」(人間工学)の考え方を基盤とした安全管理の考え方で、飛行操作において発生する、エラーおよびその誘発要因となる、スレット(威嚇)を適切に認識し、インシデントや事故に発展しないようマネジメントする概念のモデルです。
TEMに基づくアプローチは、以下のような手順を踏むことで実現されます。
  • 威嚇(Threats)の特定: 飛行操作において発生する可能性のある威嚇を特定します。
  • 誤り(Errors)の特定: 飛行操作において発生する可能性のある誤りを特定します。
  • 対処(Mitigation): 威嚇や誤りに対して最適な対処策を選択します。
このアプローチは、飛行操作において安全性を向上させることができると考えられており、航空業界において広く採用されています。



LOFT Line Oriented Flight Training ライン指向フライトトレーニングの略語です。 LOFTは、実際の飛行と同様の状況を再現することで、パイロットの認知や判断力、適切なアクションをとる能力を向上させることを目的としています。 LOFTトレーニングは、航空業界での飛行状況、航空業界の規則や政策、業界ベストプラクティスなどに基づいて設計されています。航空業界において非常に重要なトレーニングの一環として認知されており、航空業界のパイロットにとっての有効なトレーニング方法となっています。



SHELLモデル 1975年にKLM航空のFrank H.Hawkinsが提唱したもので、パフォーマンスとストレスの両方が階層、エネルギー、および制御の範囲に影響されることを示します。例えば、高い階層のポジションで働く人には、より多くの制御の範囲が与えられますが、これに伴い、より多くのストレスが発生する可能性もあります。


このモデルの、SHELLは、構成されるそれぞれの要素の頭文字を並べたものです。S・H・E・L・Lは以下の事を表しています。


S: Software – ソフトウェア。法律やルール、規制、マニュアルや手順書

H: Hardware – ハードウェア。機器や機材、設備や機械の構造や設計、システム

E: Environment – 環境。人・ハードウェア・ソフトウェアのおかれた状況 、社会的・経済的環境、自然環境

L: Liveware – 人。 人と周囲の人。真ん中に位置しているLは当事者、下に位置しているLはその環境で当事者が接する様々な人々を表します。

このモデル図は、象徴的なギザギザのブロックで表現されています。このブロックが直線で構成されていないのは、全体を最適に繋ぎ合わせるには、それぞれをお互いに上手くかみ合わせなければならないことを表しているからだそうです。


CRM(クルー・リソース・マネジメント)に関する、WEBサイトURL。

以下にCRMに関連するWEBサイトURLを紹介します英語の資料になりますが、参考にしてください

FAA (Federal Aviation Administration) の CRM手引き

https://www.faa.gov/documentLibrary/media/Advisory_Circular/120_92A_Chg1_S-5.pdf

ここでは、CRM の方法論、トレーニングの方法、 CRM のベストプラクティスなどが学ぶことができます。

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人口集中地区 DID(Densely Inhabited District) ドローンを飛行させる場合の許可が必要な飛行なのかどうかを判断する為の重要な基準になっている統計データの人口集中地区(DID)データが、 2022年6月25日から これまで利用していた平成27年版から、新しい 令和2年版 に、変更になりました。 これまで人口集中地区でなかった場所でも新たに人口集中地区とされている場合やその逆など、変更されている場合があるので注意が必要です。 日本の国勢調査において設定される統計上の地区で、英語の"Densely Inhabited District"を略して「DID」とも呼ばれています。市区町村の区域内で人口密度が4,000人/ km² 以上の基本単位区(平成2年(1990年)以前は調査区)が互いに隣接して人口が5,000人以上となる地区に設定されます。ただし、空港、港湾、工業地帯、公園など都市的傾向の強い基本単位区は人口密度が低くても人口集中地区に含まれています。都市的地域と農村的地域の区分けや、狭義の都市としての市街地の規模を示す指標として使用されます。 令和2年の国勢調査の結果に基づく人口集中地区は、国土地理院が提供している「地理院地図」、および政府統計の総合窓口が提供している、「地図で見る統計(jSTAT MAP)」を利用して確認可能です。 情報の内容はは同じですので使いやすいお好みの物を利用すると良いと思います。 国土地理院 地理院地図    ・  人口集中地区令和2年 (総務省統計局)    e-Stat 政府統計の総合窓口  ・  地図で見る統計 (jSTAT MAP)    国土地理院 地理院地図  人口集中地区令和2年(総務省統計局) 確認方法 人口集中地区令和2年 (総務省統計局)    国土地理院 地理院地図  人口集中地区令和2年(総務省統計局)のキャプチャ

無人航空機(ドローン)のノータム[NOTAM] の 読み方・見方【教則学習・周辺知識】

ノータムとは ノータム【NOTAM ( Notice to Airmen)】:航空従事者への通知 国が管理する航空当局(日本の場合は国土交通省航空局)が、航空従事者に対して発行する情報で、航空機の運航のために必要な情報を提供しています。 「NOTAM」ノータムは、 NO tice T o A ir M en の略称で、日本語に訳すなら「航空従事者へのお知らせ」という事です。航空情報の一つで、飛行場、航空保安施設、運航に関連する業務方式の変更、軍事演習のような危険の存在などについての情報で、書面による航空情報では時宜を得た提供が不可能な(端的にいえば間に合わない)場合にテレタイプ通信回線(CADIN及びAFTN)により配布されるものです。 ノータム【NOTAM (Notice to Air Mission)】:航空任務への通知 アメリカ連邦航空局(FAA:Federal Aviation Administration)は2021年12月2日から、NOTAM の頭字語を、Notice to Airmen から Notice to Air Mission に変更しました。この変更は名称によるジェンダー中立性を保つとともに、より広範囲な分野を包括する事を見据えてより正確な名称にするためのもので、小型無人航空システム (sUAS) 、無人気球など、他のいくつかの分野も含まれるためです。 女性もたくさん活躍している事や、無人機には人間が乗っていません(当然ですが)ので、旧名称の「Airmen」はないだろうという事です。したがって、航空任務への通知( Notice to Air Mission )という名称は、より実態に即した正確な名称に変更されたという事になります。 無人航空機のフライトプランのノータムへの掲載について詳しい説明を説明しています。 ノータムへの無人航空機のフライトプランの掲載   もよろしければご覧ください。 NOTAM の歴史 NOTAM は、附属書 15:国際民間航空条約(CICA)の航空情報サービスで指定されたガイドラインに基づいて、政府 機関および空港運営者によって作成および送信されます。1947年4 月4日に発効した CICA の批准に伴い一般的に使用されるようになりました。 航空の業界では、より歴史のある船舶のシステムや名称などの慣習が引き継

「無人航空機の飛行の安全に関する教則」(第3版) 令和5年(2023年)4月13日【教則学習】

無人航空機操縦者技能証明の「一等無⼈航空機操縦士」と「二等無⼈航空機操縦士」の学科試験の土台となる教則 無人航空機の飛行の安全に関する教則が令和5年(2023年)4月13日に改訂 され(第3版)が公開されました。 無⼈航空機操縦士の学科試験のベースになる教則ですが、これまで、学科試験の内容は「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第2版)」に準拠していましたが、 ※令和6年(2024年)4月14日(日)より、 学科試験の内容は、「無人航空機の飛行の安全に関する教則 (第3版)」に準拠します。 と発表されました。 詳細は「 【重要!!】無人航空機操縦士・学科試験の内容が、変わります 」にアップしました 教則の読み上げ動画を作成しました 詳しくは 無人航空機の飛行の安全に関する教則 第3版 読み上げ動画 試験の予約・実施スケジュールなど詳しくは下記、指定試験機関の日本海事協会サイトで確認してください 【重要!!】「無人航空機の飛行の安全に関する教則」の改訂に伴う無人航空機操縦士試験における学科試験の内容変更についてのお知らせ – 無人航空機操縦士試験案内サイト  令和6年(2024年)4月14日(日)より 以前に受験される方 については引き続き以下でご覧ください。 「無人航空機の飛行の安全に関する教則」 令和4年(2022年)11月2日第2版【教則学習】 令和5年(2023年)4月13日に改訂された(第3版)については以下にリンクします。 無人航空機の飛行の安全に関する教則(第3版) https://www.mlit.go.jp/common/001602108.pdf 第2版からの変更履歴【参照用】 https://www.mlit.go.jp/common/001602110.pdf 無人航空機の飛行の安全に関する教則(第2版)から(第3版)への変更内容 細かな表現の変更とともに、 「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅢ飛行)」及び「安全確保措置検討のための無人航空機の運航リスク評価ガイドライン」(公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構 福島ロボットテストフィールド発行)の発行に伴う カテゴリーⅢ飛行におけるリスク評価に関する記述の見直し が行われました。5章と6章が大きく変更されています。変更箇所は下記の項目です。 (第 5 章

無人航空機の飛行形態「カテゴリーⅢ、Ⅱ、Ⅰ」 と 飛行レベル「レベル1~4」

無人航空機の法改正が続きドローンの規制や、操縦資格など、新しい制度が、作られる過程で、様々な飛行ケースを表す言葉として、「カテゴリーⅢ、Ⅱ、Ⅰ」や「レベル1、2、3、4」といった用語を目にすることが、多くなりました。「ドローンを「レベル4」で初飛行」とニュースで大きく報じられました。このように「レベル4」がなぜ画期的な事なのか、またそもそもこのレベルとは、何を表しているのか、改めて整理してみたいと思います。余談になりますが、法改正のタイミングで、ニュースなどでも、同じタイミングで取り上げられていたこともあり、全く別なのですが、自動車の自動運転に関する自動運転レベル(こちらはレベル0~5で表される)などと、混同してしまいそうです。 無人航空機の飛行レベル は飛行する条件をリスクに合わせてレベル分けしたカテゴリで、レベルが上がるほど、安全性リスクが増すものです。そのため、飛行レベルの高い飛行を行う場合は、より安全性に配慮した飛行が求められることになります。したがって、自律飛行(自動運転)もリスクを伴うものですが、自動車の自動運転ほどの精密な位置制御が必要ないであろうドローンの場合、他のリスク要因(目視外の飛行)と比較してさほど高くならないという事でしょう。したがって、この飛行レベルは自律飛行(自動運転)について語られている物ではく、自律飛行(自動運転)についての要素は入っていません。きわめて極端に言えば、空には道路もなく、歩行者もいない。(落とさなければいいだけ)という事ができると思います。また、有人航空機では、オートパイロットなど自動操縦の技術がすでにあることも、自動運転のリスク認識が、高くない一つの要因かもしれません。 2023年3月24日に日本国内で初めてレベル4飛行が実施されたニュースが流れましたがこれらのニュースの見出しでも「自動ドローン」や「自動飛行」などの見出しがいくつかありました。確かに、あらかじめルートや高度をプログラムして飛行させれば、自動と言えるのでしょうが、レベル4飛行を報じるのにはやや適切でない印象をうけました。手動だろうが自動だろうがレベル4の飛行はあるわけですし、ましてやドローンが状況判断をして自律飛行しているわけでもないですし。問題にすべきポイントがズレて伝わってしまう可能性があると思います。改めて、 無人航空機の飛行レベルは、自動操縦の

二等無人航空機操縦士 学科試験問題 模擬試験

無人航空機操縦者技能証明 学科試験(二等無人航空機操縦士)の学科試験とサンプル問題 新しいライセンス制度と詳細の発表が航空局よりありました。 無人航空機操縦士 学科試験のサンプル問題は下記PDFです。 操縦ライセンス制度 学科試験(二等)サンプル問題 https://www.mlit.go.jp/common/001493224.pdf <実施方法> 全国の試験会場のコンピュータを活用するCBT  (Computer Based Testing) <形 式> 三肢択一式(一等:70問 二等:50問) <試験時間> 一等:75分 二等:30分 <試験科目> 無人航空機に関する規則、無人航空機のシステム、無人航空機の操縦者及び運航体制、運航上のリスク管理 ※令和6年(2024年)4月14日(日)より、 学科試験の内容は、「無人航空機の飛行の安全に関する教則 (第3版)」に準拠します。 と発表されました。 詳細は「 【重要!!】無人航空機操縦士・学科試験の内容が、変わります 」にアップしました。 無人航空機の飛行の安全に関する教則 新しくできた無人航空機操縦者技能証明の制度で「一等無人航空機操縦士」「二等無人航空機操縦士」の国家試験の学科の教科書の基になるものです。この教則の内容や範囲から試験問題も作られるています。 令和5年(2023年)4月13日に改訂された、 無人航空機の飛行の安全に関する教則(第3版) は以下にリンクします。 https://www.mlit.go.jp/common/001602108.pdf 無⼈航空機操縦士の学科試験のための教則について詳しく解説を、以下でご覧ください。 「無人航空機の飛行の安全に関する教則」(第3版) 令和5年(2023年)4月13日【教則学習】 教則の読み上げ動画を作成しました 詳しくは 無人航空機の飛行の安全に関する教則 第3版 読み上げ動画 二等無人航空機操縦士 学科試験 模擬試験 「二等無人航空機操縦士」のサンプル問題に基づいて模擬テストを作りました。 回答終了後に 「送信」 をクリックして続いて出てくる 「スコアを表示」 をクリックすると採点結果が表示されます。発表によるとCBT式試験というコンピュータを利用した試験になるようですので、似た雰囲気ではないかと思います。メールアドレスの情報は収集しておりませんので気軽

世界の時間とタイムゾーン・JST、UTCとズールータイム【教則学習・周辺知識】

協定世界時(UTC)、日本標準時(JST)、グリニッジ標準時(GMT)、国際原子時(TAI)、世界時(UT) 時間を表現するための基準が複数あります。これは、世界各国で、それぞれに昔から使用されていた、それぞれ文化にも深くかかわる時間の基準があり、これらを一度に切り替えることが難しかったためで、そのため、しばしば混乱が生じる場合がありました。人、物、そして、情報が世界を行きかう事により、徐々に世界中で統一した基準を用いるような流れになりました。また、科学技術の発展によって精度を増した基準の観測・利用方法が進みましたが、やはり全ての時刻を統一することは困難なため、複数の基準が存在しています。 観測データなど扱う場合必ず「何時(いつ)、when」測定した物なのかという情報は測定値とセットで扱われる大切な要素です。この要素が抜けたり、正しくなければ、データの価値がなくなってしまう場合もあります。 気象観測や、航空機の運航、コンピュータの時間など、昔より世界が狭くなってしまった現代、正確な時刻は当然、必要ですが、その時刻が、どの基準で示されているものなのかを意識しなければならいことも増えてきています。 Samuel P. Avery, 129 Fulton St, NY (wood engraving); Centpacrr (Digital image) ,  Public domain, via Wikimedia Commons 世界時が採用される前の「すべての国」の相対的な時間を示す1853年の「ユニバーサルダイヤルプレート」 グリニッジ標準時(GMT) G reenwich  M ean  T ime グリニッジ標準時(GMT)は、ロンドンのグリニッジにある王立天文台の平均太陽時で、真夜中から数えたものです。(真夜中が午前0時という事)過去には正午から計算されるなど、様々な方法で計算されていたようです。そのため、文脈がわからない限り、特定の時刻を指定するために使用することはできません。(時代によって時間が異なることがあります。)GMTという用語は、タイムゾーンUTC+00:00の名称の1つとしても使われ、イギリスの法律では、イギリスにおける市民時間(ローカルタイム)の基準となっています。 英語圏の人々はしばしば、GMTを協定世界時(UTC)の同義語として用いますが

一等無人航空機操縦士 学科試験問題 模擬試験

無人航空機操縦者技能証明 学科試験(一等無人航空機操縦士)の学科試験とサンプル問題について 新しいライセンス制度の試験の詳細と学科試験のサンプルが無人航空機操縦士試験の指定試験機関の日本海事協会より発表されています。 無人航空機操縦士(一等)操縦ライセンス制度 学科試験のサンプル問題は下記PDFです。 https://www.mlit.go.jp/koku/content/001520518.pdf <実施方法> 全国の試験会場のコンピュータを活用するCBT  (Computer Based Testing) <形 式> 三肢択一式(一等:70問) <試験時間> 一等:75分 <試験科目> 無人航空機に関する規則、無人航空機のシステム、無人航空機の操縦者及び運航体制、運航上のリスク管理 一等学科試験では、二等学科試験の出題範囲に加えて、一等のみを対象とする項目も出題範囲に含まれます。 ※令和6年(2024年)4月14日(日)より、 学科試験の内容は、「無人航空機の飛行の安全に関する教則 (第3版)」に準拠します。 と発表されました。 詳細は「 【重要!!】無人航空機操縦士・学科試験の内容が、変わります 」にアップしました。

自己紹介

ノーマン飛行研究会
2015年 首相官邸ドローン事件があった年、トイドローンを手にして以来ドローンと関わっています。JUIDAの無人航空機安全運航管理者、操縦技能証明とドローン検定協会の無人航空従事者試験1級 を取得しております。無線関連の第1級陸上特殊無線技士も取得しております。 できるだけ正確に学んだことを綴って行きたいのですが、もし間違いなどありましたらご指摘いただけると嬉しいです。 このサイトはリンクフリーです。報告の必要ありません。リンクして頂けると喜びます。
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