Noman Flight Research Group 無人航空機(ドローン)の研究会です

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ドローンなのに無人航空機ではない、無操縦者航空機

2023年12月26日  2024年1月17日 
大まかにドローンと呼ばれる物の中には無人航空機に分類されるもの以外の機体も、少数ですが存在します。操縦者や搭乗者が乗り込むことが全くできない機体の場合でも機体の大きさが、通常の航空機なみに大きい機体は、大型無人機や大型ドーンなどと呼ばれる場合がありますが、日本国内の航空法では「無操縦者航空機」に定義されています。

無操縦者航空機 

日本の航空法では第八十七条において「無操縦者航空機」として定義されており、法的には有人機の一種として分類されます。有人の航空機(通常の航空機)と同様に扱われますので、航空管制を受けるための通信機なども搭載されていますし、これらも当然、遠隔操作することになります。遠隔操縦航空機 Remotely Piloted Aircraft (RPA)と呼ばれる場合があります。


OPV  (Optionally Piloted Vehicle)

あまり一般的とは言えませんが、人間が乗り込んで操縦することも可能であり、遠隔操縦装置を追加して、無人でも飛行可能な航空機は「OPV」(Optionally Piloted Vehicle)と呼ばれています。また、開発当初から、有人操縦機としても使用可能な無人航空機(有人機/無人機のハイブリッド航空機)の場合もあるようです。


日本でも導入されつつある無操縦者航空機 
現在、導入されつつある無操縦者航空機は主に軍用、治安維持用としてのものが多く、一般には、大型無人機、偵察用ドローンなどと呼ばれているものです。

海上保安庁によるSeaGuardianの飛行実証について
海上保安庁によるSeaGuardianの飛行実証について


無人航空機 海保が導入検討 実証実験「業務に活用可能」 - 産経ニュース

https://www.sankei.com/article/20210421-5RCVDEVHU5JH3AIAJQYGH6TJFI/
2021/4/21

海上保安庁の奥島高弘長官は21日の定例記者会見で、昨秋に実証実験した無線で遠隔操縦する大型無人航空機について「海上保安業務に十分活用でき、より効果的、効率的に遂行できるとの結論に達した」と述べ、導入に向けた検討を本格化する意向を示した。

海保によると、実証実験などの結果、一定の訓練を積めば海上保安官が十分操縦でき、遠隔操作でも繊細なコントロールが可能であると認められた。他の航空機が近づくと自動回避する安全性能や映像伝送の精度も確認できた。


国土交通白書 2021

https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/r02/hakusho/r03/html/n2270c02.html
コラム 無操縦者航空機の飛行実証について

海上保安庁では、平成28年12月、関係閣僚会議において策定された「海上保安体制強化に関する方針」に基づき、海洋監視体制の強化を図っております。その一環として、無操縦者航空機の活用について検討を進めており、導入の可否を判断するための飛行実証を令和2年10月15日から約1か月間、海上自衛隊八戸航空基地において実施しました。
本実証で、全13回(約150時間)の飛行を実施しましたが、様々な状況で飛行させたところ、昼夜を問わず、かつ、有人機に比べて長時間飛行できることが確認され、有人機と同等またはそれ以上の監視能力を有していることを示すような結果が得られております。
また、本実証で得られた結果を精査したところ、無操縦者航空機は、海難救助、災害対応、広大な海域における犯罪取締り等の各種海上保安業務に十分に活用できるということも確認できました。
海上保安庁では、無操縦者航空機を導入するにあたって、関係省庁の協力を得ながら、有人機との業務分担、導入規模、具体的運用方法などについて、引き続き、導入を見据えた検討を進めております。

2022年に海上保安庁にシーガーディアンが導入をされています。

GA-ASI Selected for Japan Coast Guard RPAS Project | General Atomics Aeronautical Systems Inc.
https://www.ga-asi.com/ga-asi-selected-for-japan-coast-guard-rpas-project
GA-ASI、海上保安庁のRPASプロジェクトに選定される

シーガーディアンRPAを用いた日本のEEZ監視を10月に開始予定。

サンディエゴ - 2022年4月6日 - 遠隔操縦航空機システムRemotely Piloted Aircraft Systems(RPAS)の世界的リーダーであるゼネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ社(GA-ASI)は、海上保安庁のRPASプロジェクトに採用されたことを喜んでいます。GA-ASIのMQ-9B SeaGuardian®を搭載し、2022年10月から運用を開始する予定です。

シーガーディアンは、海上保安庁の捜索救助、災害対応、海上法執行などの任務を支援するため、広域の海上監視に使用される予定です。本プロジェクトは、2020年に行われた海上保安庁の飛行試験の成功に続き、日本の「海上保安体制の強化に関する方針」に基づき、海上保安庁のミッションと同じ内容を、無人航空機を用いて海上広域監視を行い、シーガーディアンを用いて検証するものです。

GA-ASIのCEOであるLinden Blueは、「海上保安庁の海上監視任務を当社のSeaGuardian UASで支援できることを光栄に思います」と述べています。"このシステムの能力は、海上領域で長距離センサーによる極めて長い耐久性のある空中監視を手頃な価格で提供することであり、前例のないものです。

シーガーディアンは、逆合成開口レーダー(ISAR)イメージングモードを備えたマルチモード海面捜索レーダー、自動識別システム(AIS)受信機、光学カメラと赤外線カメラを備えた高精細フルモーションビデオセンサーを搭載しています。このセンサーにより、数千平方マイルの海域でリアルタイムに船舶を検知・識別し、海上目標の自動追跡やAIS送信機とレーダーの軌跡の相関をとることができます。SkyGuardianとSeaGuardianは、全天候型の機能とSTANAG-4671(NATO UAS耐空性規格)への完全準拠により、長期耐久型RPAS市場に革命を起こしています。この機能は、運用実績のある衝突回避レーダーとともに、民間空域での柔軟な運用を可能にします。


実際に運用されている海上保安庁のシーガーディアンは、無操縦者航空機として無人航空機と分けて扱っていますが、NOTAMでは、そのような分類になっていないため無人航空機と表記しています。
無人航空機(ドローン)のノータム[NOTAM] の 読み方・見方【教則学習・周辺知識】
の中の「無操縦者航空機 のノータム」として詳細を書いています。



海上自衛隊も「シーガーディアン」の導入を進めています。2024年9月まで、約2000時間の試験運用しているようです。

大型無人機の試験運用公開=警戒監視での有効性検証―海自

https://sp.m.jiji.com/article/show/2966646
2023-06-21

海上自衛隊は21日、青森県八戸市の八戸航空基地で試験運用している大型無人機「シーガーディアン」を報道陣に公開した。海上保安庁は既に運用しており、海自も試験結果を基に、有人の哨戒機で行っている警戒監視などの任務を無人機で代替できるか判断する。

この日は、機体を運用中の地上管制施設の様子を初めて公開した。三陸沖で船舶などの撮影を行っており、モニターの映像は非常に精細だった。15キロ以上先からの撮影でも、細かな部分まではっきり分かり、オペレーターの遠隔操作で拡大や赤外線モードへの切り替えが行われていた。機体は午後4時すぎ、約8時間の飛行を終え同基地に帰投した。 

試験運用は製造元の米企業側の操縦で今年5月から来年9月まで、計約2000時間の飛行を実施。船舶の撮影や監視、護衛艦との連携など、海自が求める性能や動作が可能か検証する。導入の是非や機種選定は結果を踏まえ判断するという。



無操縦者航空機「シーガーディアン」の拠点を北九州空港へ移転 尖閣諸島など日本周辺海域の情勢考慮 2025年度から5機体制で警戒監視

https://news.yahoo.co.jp/articles/2bec2e4e4841a35c5eca5e9ce0cb18931c17559c

海洋進出を強める中国などの監視を強化するため、海上保安庁は無人航空機の配備拠点を現在の青森県の飛行場から北九州空港に移転すると発表しました。

海上保安庁の無人航空機「シーガーディアン」は去年10月に1機の運用が開始され、今年の5月から3機体制で日本周辺の海域の警戒を行っています。

現在は青森県にある海上自衛隊八戸飛行場に配備されていますが、海上保安庁は2025年度に配備拠点を24時間離着陸が可能な福岡県の北九州空港に移転することを決めました。

中国船の領海侵入が相次ぐ尖閣諸島周辺などの日本の周辺海域の監視を強化するためだということです。

2025年度には2機が追加され、合計5機体制となります。


航空自衛隊も大型無人機「グローバルホーク」を導入しています。

空自三沢基地に偵察航空隊 グローバルホークで常時監視―青森

https://www.jiji.com/jc/article?k=2023012300676&g=soc
2023年01月23日
航空自衛隊は23日、空自三沢基地(青森県)で米国製大型無人偵察機「グローバルホーク」を運用する偵察航空隊の部隊が発足したのを受け、同基地で記念式典を開いた。偵察航空隊は将来的にグローバルホーク3機、130人体制とする予定。無人で遠隔操作できるため長時間の飛行が可能で、日本の領空周辺を常時監視する。自衛隊が無人航空偵察機を導入するのは初めて。



航空法で定められている「無操縦者航空機」

日本の航空法ではシーガーディアンやグローバルホークなどの「無操縦者航空機」は下記のような定義をされています。

(無操縦者航空機)

第八十七条 第六十五条及び第六十六条の規定にかかわらず、操縦者が乗り組まないで飛行することができる装置を有する航空機は、国土交通大臣の許可を受けた場合には、これらの規定に定める航空従事者を乗り組ませないで飛行させることができる。

2 国土交通大臣は、前項の許可を行う場合において他の航空機に及ぼす危険を予防するため必要があると認めるときは、当該航空機について飛行の方法を限定することができる。


航空局が解釈する航空機の定義

無人航空機、無操縦者航空機や、空飛ぶクルマなど同一線上に分類されるものが、複数ありますが、何を基準に分類されているのかを調べてみました。


平成27年4月の国土交通省 航空局 安全部 安全企画課
無人機に関する現状と課題 PDFファイルよりhttps://www.mlit.go.jp/common/001085970.pdf


航空法上の航空機

航空法における「航空機」の定義は、従来以下のとおり解釈されています。

  • 人が乗って
    ○:機体に人が着座し、着陸装置を装備したもの
    ×:パラシュート等に人がぶら下がり、人の足で着地するような軽量なもの
  • 航空の用に供する
    ○:空中で意思に従って操作することが可能なもの
    ×:空中を浮遊するが、意思に従って操作することができないもの
  • ことができる機器
    ○:人を乗せて飛行する機器
    ○:実際に人を乗せていないが、人が乗るものと同等の性能・構造を有する機器

航空法における「航空機」の定義
出典:無人機に関する現状と課題より


小型無人機・無人航空機と航空機の分類

無人航空機と航空機、無操縦者航空機の分類は以下のように表されています。


小型無人機・無人航空機と航空機の分類

内閣府、第4回 スタートアップ・イノベーションワーキング・グループ 令和4年11月29日
「新たな空のモビリティ推進に向けた無操縦者航空機にかかる制度整備」についての資料より

第4回 スタートアップ・イノベーションワーキング・グループ 議事概要
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2210_01startup/221129/startup04_minutes.pdf

新たな空のモビリティ推進に向けた無操縦者航空機. にかかる制度整備
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2210_01startup/221129/startup04_02.pdf

アメリカでのOPVの状況

OPV(Optionally Piloted Vehicle)は、従来の操縦式航空機(conventional piloted aircraft)とUAV(Unmanned Aerial Vehicle)のハイブリッドを表しています。

OPVは、人間の搭乗の有無にかかわらず飛行することができ、研究、実験、コンセプトの探求においてUAVに代わる低コストな手段ですが、OPVへの慣れが進めば、主流のオペレーションにも使用されるようになるかもしれない。OPVは、人間の生理的な限界にとらわれず、より厳しい条件下やより長い時間での運用が可能で、人間が直接操縦することが好ましい、あるいは当面、望まれてるミッションの間は、搭載された制御装置を維持したまま、通常の航空機として運用することができます。
カリフォルニア州モントレーにある米国海軍大学院の学際的遠隔操縦航空機研究センター(CIRPAS : Center for Interdisciplinary Remotely-Piloted Aircraft Studies)では、「ペリカン」という改造されたセスナ337-O2スカイマスターOPVを運用しています。このOPVは、プレデターUAVの代わりに、低リスク、低コストで試験・評価を行うことができます。ノースロップグラマン社の開発したファイアーバードは、中高度・長時間滞空型無人航空機として開発され、機首にコックピットがあり、オプションで有人・無人の選択可能機で、随意操縦者搭乗機能の高い汎用性を持っています。この機体もOPVに分類されています。

アメリカの国立テストパイロット学校では、無人システムの飛行試験を支援する訓練装置として、大幅に改造したセスナ150をOptionally Piloted Aircraftとして認定しており、オートノダイン(Autonodyne)社は2018年からOPVセスナ182を運用しています。同社に搭載されたアビダイン社(Avidyne Corporation)の地上管制ソフトウェアから操縦され、航空管制と地上パイロットとの通信を中継し、翼に取り付けられたカメラで危険を自律的に検知・回避しています。

Optionally piloted vehicle - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Optionally_piloted_vehicle

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