Noman Flight Research Group 無人航空機(ドローン)の研究会です

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不審ドローンを撃退するシステム~アンチドローンシステム~【教則学習・周辺知識】

2023年5月3日  2024年4月6日 
教則学習・周辺知識

ドローンジャマー(Drone jammer)アンチドローンシステム(Anti drone system)

ドローンの利用が進む中、ドローンに対するリスク管理の必要性が話題になることが増えてきています。ドローンジャマー(drone jammers)やカウンタードローン(対ドローン)・アンチドローンと呼ばれる技術で、ドローンの普及によって、注目されている技術でもあります。軍事ドローンの場合は言わずもがなですが、民生品のドローンに関しても、コントロールされるべき重要なエリア(首相官邸はもちろんですが、空港周辺や軍事施設など)への無断飛行(侵入)が懸念されています。非常時には、軍事用も民生用も区別なく利用されていることが昨今の世界情勢をみても明らかです。民生用のドローンも危険なものになる可能性があるものとして、対策は当然進んできているのですが、事案が発生したのちに、それに対する対策を導入するという、後手後手に回り、対応が追い付いていないのが現状でしょう。
通常、我々が飛行させる無人航空機が、この様な機器のお世話になることは無いと思いますが、これらの技術はドローンのセキュリティに関連する技術でもありますので、このような技術があり、正しく(正規に)使用されていないものに遭遇してしまう可能性も考えてみておくことも必要ではないでしょうか。

不審ドローンの侵入を防ぐ

ドローンの侵入を防ぐためには、まず侵入して来た(して来そうな)ドローンを検知し、不審なものかをジャッジし、その後、対応が必要な場合は対応を行う。というプロセスです。
「対応」というのは、例えば、対象ドローンを、「ミサイルで撃ち落とす」「レーザーで破壊する」「対抗するドローンで体当たりする」「ネットで捕獲する」など物理的、かつ攻撃的な対応から、「妨害電波を発射しコントロールできなくする(またはコントロールを奪う)」ような電子的なものまでさまざまです。
海外では、刑務所の中の受刑者へドローンを使用して、マズいものを差し入れするような事案が発生しているそうで、刑務所の周辺上空にも不審ドローン対策がなされているそうです。

ドローンジャマー(Drone jammer)とは

ドローンの操作を妨げる目的でドローンの操作命令を伝える電波(簡単に言うならプロポからの電波)と同一の電波を高出力で送信することによって操作不能の状態にする機器、同時にドローンに搭載されたGNSS(GPSやGLONASS、ガリレオなど)の衛星からの電波と同一の電波を高出力で送信し、ドローンの現在位置の情報を得られなくする。などの妨害をするものもあるようです。「ジャミング[jamming]」は、詰め込む 、押し込むというような意味ですが、転じて、妨害電波を(詰め込んで、押し込んで)機能を妨害することを意味して使われるようになりました。一部では、「ドローン邪魔ー」だと思われているようですが、ドローンジャマーはドローンに対して「ジャミング」を行うことが名前の語源ですから、間違いです。が、意味の上では、まさに邪魔をしますので、間違ってません。
一般的には小型の可搬型や携帯型の装置を指すことが多いようですが、アンチドローンシステムなどを指す場合もあるようです。

ドローンジャマー・アンチドローンシステムのメカニズム

基本的にはドローンの機体をコントロールするために使用されている電波に干渉してコントロールを不能にするような事を行っています。具体的には、
  • 機体とコントローラ間の電波と同一の周波数の電波を高出力で発信して本来のコントロール信号の電波をマスク(遮断)してしまう方法。
  • 機体とコントローラ間の電波と同様の信号を用いて本来のコントロール信号と同一の信号を発生させてコントロールを奪う方法。
  • 上記のような妨害を行いながら、同時にドローンに搭載されたGPS受信機に対してGPS衛星からの電波と同一の電波を高出力で送信し、ドローンの現在位置の情報を得られない状態にする。
  • 同時にドローンに搭載されたカメラのビデオ送信機(VTX)から送信される電波に対して高出力の電波を送信して、電波をマスク(遮断)してしまう方法。これは、ドローンからの映像が確認できなくなるので、目隠しをされてしまったのと同様でコントロールの使用がなくなります。
ドローンに搭載されたGPS受信機に対してGPS衛星からの電波を偽装して偽のGPS位置情報を与えるて自分の位置を本来の位置と異なる位置情報に偽装して、GPS受信機を勘違いさせて、混乱させる、もしくは、コントロールを奪うような方法もありそうです。
GPS位置情報を偽装するやりかたは、ドローンだけでなく、GPS航法を利用する様々ものも同様に影響を受ける可能性のあるリスクとしてとらえられています。GPSをある意味ハッキングするような手法はスプーフィング(Spoofing)・ミーコニング(Meaconing)と呼ばれてセキュリティの問題としても、とらえられています。
GPSスプーフィングについは、いつか詳細を書きます。

ジャミングを受けたドローンの挙動について

軍事用のシステムの場合は問答無用で高出力ジャミングを行うことや、レーダーを用いてのドローンの検出などの技術が利用されているようです。詳細は分かりませんが、ドローンのコントロール用の電波をジャミング(同一の周波数の電波を高出力で発信)し、操作不能にする方法を、一般的な民生ドローン(DJI社製の物など)に対して行った場合、コントロール電波を失ったドローンはフェールセーフ機能が働き、設定にもよると思いますが、断絶したコントロール電波が受信できるまでその場でホバリングし、待機をします。ジャミングを受け続けると、コントロール電波を失ったままの状態が続き、次第にバッテリー残量が減少し一定の残量以下になると、離陸時に取得したホームポイント(すなわち飛ばし始めた場所)へ自動的に戻るようになります。もしくはコントロール電波を失った時点で、離陸時に取得したホームポイントへ自動的にもどります。
危険物(毒物や爆発物)を搭載している可能性も考えられることから、不審ドローンを安易に撃墜や捕獲をできない場合があるため、難しい問題でもますが、一定のエリアへ不審ドローンを近づけない効果は期待できます。目の前に飛行するドローンに銃型のドローンジャマーを用いて高出力でジャミングするだけで不審ドローンが勝手に去っていくことが期待されるため、比較的原始的なシステム(不審ドローンを電子的に偽装してコントロールを奪わない)でも十分効果的ではあります。
「リーターンホーム」の機能を期待するのであれば、飛んでいる蜂に目印をつけて蜂の巣を見つけ出す、蜂の巣ハンターの手法のようなことが、ドローンでも行えるという事になります。

これらの機器を民間で設置し使用することは、治安維持や公共の福祉などの問題がクリアできたとしても、電波法などの観点からもジャミング(妨害電波の送信)は現実的ではないと思います。妨害電波送信器は電波を送信するため無線局の免許が必要となります。現状では免許を受けることは難しいと考えられます。
また、レーダーを用いた検出も、レーダーが電波を送信する為、当然、無線局の免許が必要となります。レーダー機器の設置後も様々な法的義務や制限が発生する可能性があり、運用コスト増加につながる可能性があるため、不審ドローンの検出に民生品では、パッシブな方法が用いられています。例えば、検知レーダーを用いない光学カメラによる画像検出やドローンの飛行音を音波で検出する方法、受信機によるドローン特有のコントロール電波の検出などがあります。
また、検出した後の対応も、アナログ的な捕獲(網で採るなど)が多い傾向があります。銃火器・場不発物による破壊や電子的捕獲(コントロールを奪う)以外の方法が模索されています。

ドローンを妨害するドローンジャマー(drone jammers)やアンチドローンシステム(anti drone systems)の機器が世界中で開発され、すでに製品として出回っています。どのような機器なのかを調べてみました。
様々なものがありますが、ドローンジャミング銃や可搬型のジャミング装置や固定型の大規模なものまでさまざまです。主に海外の物で「drone jammers」、「anti drone systems」として紹介されています。ある意味、軍事物資のようなものですので、購入しようと思う人はいらっしゃらないでしょうが、一般には簡単に購入できないと思います。このような製品があるという参考にみてください。
各社WEBサイトから紹介されている機能の謳い文句などを抜粋しています。


RF妨害装置のDronebuster WEBサイトのキャプチャ


RF妨害装置 Dronebuster ドローンバスター®
アメリカ Flex Force社
https://flexforce.us/dronebuster/
ドローンバスターは、コンパクトで軽量で費用対効果の高いツールで、ドローンの脅威に対抗することができます。このシステムは、ミッションのニーズを満たすために複数の構成が利用可能です。ドローンバスターは、米国国防総省によって承認された唯一のハンドヘルド電子攻撃システムです。


IXIドローンキラー® WEBサイトのキャプチャ


DRONEKILLER® ドローンキラー®
アメリカ  IXI EW社
https://www.ixiew.com/products/dronekiller-2/
7つの周波数帯域で動作させることができ、ドローンを最大1000メートルまで無効にすることができるます。IXIドローンキラー®は、軍と治安部隊が敵の戦闘員によるすべての民生ドローンの使用を阻止することを可能にします。コンパクトで軽量で、移動部隊、ストライキチーム、検問所、前方前哨基地、およびセキュリティ対応チームによって展開することができます。



DroneGun MKIII WEBサイトのキャプチャ

DroneGun MKIII
アメリカ DroneShield社
https://www.droneshield.com/
片手で操作できるように設計された小型・軽量のドローン対策ソリューションです。堅牢なコンパクトピストル型のデザインで、コントロールパネルのユーザーインターフェースにより、オペレーターは電波妨害の周波数モードの選択と作動を容易に行うことができます。このデバイスは、幅広い機種のドローンに対して安全なパッシブ対策を提供します。
電波妨害が発動されると、ドローンは、通常、その場に垂直制御で着陸するか、オペレーターのコントローラーまたはスタート地点に戻ります。電波妨害の作動は、リモートコントローラーに戻るライブビデオストリーミング(FPV)にも干渉し、ドローンオペレーターによるビデオ映像や情報の収集を防ぎます。



対UAV防衛システム(AUDS) WEBサイトのキャプチャ
イギリス Blighter Surveillance Systems Limited
https://www.blighter.com/products/auds-anti-uav-defence-system/
対UAV防衛システム(AUDS)は、敵対的な空中監視と潜在的に悪意のある活動に従事するドローンを混乱させ、無力化するように設計されています。
AUDSは、電子走査レーダーターゲット検出、電気光学(EO)追跡/分類、指向性電波阻害機能を兼ね備えています。
AUDSは、小型ドローンをリモートで検出し、その活動を中断するオプションを提供する前に、それらを追跡および分類することができるスマートセンサーおよびエフェクターパッケージで、ドローンが重要なインフラストラクチャを備えたサイトに対するテロ攻撃、スパイ活動、またはその他の悪意のある活動に使用されるのを防ぐために、遠隔地または都市部での使用を想定しています。




EXCIPIO空中ネットシステム WEBサイトのキャプチャ

EXCIPIO空中ネットシステム
アメリカ Theiss UAV Solutions, LLC.
http://www.theissuav.com/counter-uas
特許出願中の非電子、非破壊的なアンチドローンシステムです。当初のシステムコンセプトは、飛行中のドローンの傍受と中和に焦点を当てていたが、概念的なアプリケーションは、有人航空機、地上車両、人、動物(空中または地上)を含むように拡大していきました。現在、このシステムは、FPVカメラを搭載したドローン(回転翼機または固定翼)とネット発射銃で構成されています。脅威となるターゲットを特定すると発進し、ターゲットを迎撃するために飛行します。脅威となるターゲットに到達すると、システムオペレーターの指示により、ターゲットに網を発射します。ターゲットが「ネットに捕獲」されると、捕獲されたターゲットを捕獲した状態でネットを解放するか、ネットと捕獲されたターゲットを希望の場所に移動し、ネットを確保したままにすることができます。



アポロシールドRFガン WEBサイトのキャプチャ

アポロシールドRFガン
アメリカ ApolloShield社
https://www.apolloshield.com/
自律型ドローンを含むすべてのドローンタイプをブロックします。
バックパックなし、重量 4キロ
理想的なエントリーレベルのブロックツールです。




Paladyne E1000MP WEBサイトのキャプチャ


Paladyne E1000MP
イギリス Drone Defence
https://www.dronedefence.co.uk/paladyne-e1000mp/
ドローンが検出されると、E1000MPをアクティブにして制御し、GPS、ビデオ信号をブロックすることができます。制御信号をジャミングすることにより、あらかじめ設定されたフェールセーフを始動させることができます。ドローンが開始位置に戻り、着陸するか、その場にとどまります。
最大1kmの運用範囲で、ドローンを見ることができれば、それを止めることができます。エンドユーザーは、広域を保護するか、信号を問題のあるドローンに向けることができることを意味する無指向性アンテナまたは指向性アンテナのどちらかを選択することができます。
オペレータは、傍受したいチャネルを制御できるため、ドローンの「リーターンホーム」機能を有効にして、オペレータがどこにいるかを調べることさえできます。Paladyne E1000MPは安全で使いやすく、経済的で、ドローンを混乱させることは、空域を保護し、他人に危険を及ぼさないように、することができます。



SkyWall Patrol WEBサイトのキャプチャ

SkyWall Patrol
イギリス OPENWORKS Engineering Ltd
https://openworksengineering.com/skywall-patrol/
オペレーターがドローンをネットで物理的に捕獲し、電子対策と組み合わせて使用したり、電子攻撃を展開できない環境で使用したりすることを可能にします。




ドローンディフェンダー WEBサイトのキャプチャ

DroneDefender®
ドイツ Dedrone社
https://www.dedrone.com/
ドローンディフェンダーは、ドローンの脅威が検出されたときに使用されます。トリガーが作動すると瞬時に作動し、パイロットからドローンへの通信リンクを切断します。その結果、ドローンは事前にプログラムされた安全モードに入り、公共の安全へのリスクとドローンの損傷を最小限に抑えることができます。
ドローンが (GPS ウェイポイントを介して) 移動を続ける場合、または ドローンがホーム モードに戻り、捕獲が必要な場合、別のトリガーでの GPS妨害を使用することができます。




カウンターUAV ソリューション WEBサイトのキャプチャ

カウンターUAV ソリューション
AARTOS Anti-drone Jammers
ドイツ Aaronia社
https://drone-detection-system.com/aartos-dds/product-overview/
10kmの非常に高い到達範囲を備えた幅広い対ドローン、ジャマーを提供しています。これらの妨害装置は、最大800Wの出力電力と6GHzまでのプログラム可能な周波数範囲を備え、ドローンを排除することができます。ポータブル、固定、または完全に統合された自動バージョンが利用可能です。




ハンドヘルドアンチドローンジャマー WEBサイトのキャプチャ


ハンドヘルドアンチドローンジャマー
イスラエル Skylock社
https://www.skylock1.com/modular-components/anti-drone-mitigation-systems/skybeam/
リモートパイロット航空機システム(RPAS)に対抗するためのシステムです。このシステムには、最も一般的なRPAS制御、ビデオ、GPS周波数用の無線モジュールがあり、無線モジュールは、選択した周波数範囲でのみ動作し、他の正当なサービスプロバイダに干渉しません。重量はわずか6kgで、システムは完全に移動が可能です。アンテナと機器モジュールとアンテナは、単一のフレームに取り付けられています。機器は、ボタンを1回押すだけで使用できる状態です(電源オン)。スカイビームは、警察、軍隊、公共の安全、およびその他の州委任の防衛ユニットに最適です。



R&S®ARDRONISによる効果的なドローン防衛 WEBサイトのキャプチャ


R&S®ARDRONISによる効果的なドローン防衛
ドイツ(日本支社) Rohde & Schwarz社
https://www.rohde-schwarz.com/jp/products/aerospace-defense-security/counter-drone-systems_250881.html
無線操縦ドローンの検出、位置特定、妨害保護手段を講じるには、まず脅威を検出する必要がある。脅威に効果的に対処するには、早期の警告が鍵となります。1分1秒が重要なのです。R&S®ARDRONISは、商用ドローンの動作を検知すると、ドローン信号のタイプを自動的に分類し、ドローンとその操縦者の方向を判定し、ドローンと操縦者間の無線制御リンクを妨害することで、ドローンが目標に到達することを防ぎます。
商用のリモート制御ドローンのほとんどは、周波数ホッピングスペクトラム拡散(FHSS)という最新の周波数アジャイル信号(アップリンク:リモート・コントローラーからの信号)により制御されています。これとは別に、無線LAN(アップリンク)信号で制御されるタイプのドローンも多くあります。ドローンから送信される信号(ダウンリンク)は、一般的にFHSS、広帯域信号、または無線LAN信号です。





対ドローンセキュリティシステム WEBサイトのキャプチャ


対ドローンセキュリティシステム
日本 東芝インフラシステムズ株式会社
https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/defense/drone-detection.html
短・中距離探知レーダ
小型・軽量で設置性に優れ、お客様のご要望に応じて柔軟に配置が可能です。
自律型捕獲用ドローンへも搭載でき、目標の追尾から捕獲に至るまでの自律運用を実現します。
RFセンサ
ドローンの電波を受信することでドローンの到来方向と高度を検知します。
1台で360°全周を検知可能で、効率的に広範囲をカバーします。
またRFセンサは電波を発しないため、運用に際して無線局申請や免許は不要です。
自律型捕獲用ドローン
地上センサ及び本体に搭載された短距離探知レーダーからの探知情報により、目標を自律的に追尾し、自動でネットを射出して目標を捕獲し、安全な場所まで運搬します。




Goshawk自動ドローン対応システム WEBサイトのキャプチャ

Goshawk自動ドローン対応システム
日本 日本通信エレクトロニック株式会社
増大しつつあるドローン脅威に対応。ドローン驚異を検知、追尾し無効化させることができます。マルチコプタを使った自律型のドローン対策ソリューションです。ドローン脅威に対し自らドローンを接触させる。侵入してきたDJIドローン等を検知、識別し追尾して接触処理します。
自律型UAV技術、ディープラーニング、 搭載コンピュータ、そして見通し外に通信可能なブロードバンド通信などを使い、お客様に対ドローンソリューションを提供します。
物理的に脅威ドローンに接触することで、空港や政府機関、 重要施設を保護することができます。
中距離レーダーと統合できるよう設計されており、ご使用中の検知システムに迅速かつ容易に統合することができます。




日本でのカウンタードローン技術・対ドローン技術の動向

今後、重要になる不審なドローンに対処するアンチドローン技術とドローン対処機材

日本でも、ドローンをテロに使用される危険性から、様々なドローン関連の法整備がなされています。敵対するドローンを迎撃ミサイルのような一発あたり億円オーダーの高価な武器で対応するのは割に合わないため手ごろなコストで対応できるものを導入する必要が、かなり以前から議論されてきました。実際に、不審なドローンに対応する場合、どのような研究や準備が行われているのかを書いていきます。
例えば、実際に万一のドローンが悪用される事が懸念される場合、対処するのは、警察か、海上保安庁か、自衛隊という事になると思います。対ドローンの準備が進められていることがメディアでも報じられています。


【図解・社会】警視庁のドローン対策(2019年11月):時事ドットコム  より

https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_soc_police20191108j-03-w450
2019年11月
ドローンテロ防止に全力=40カ所で手荷物検査も―10日、即位パレード・警視庁
天皇陛下の即位を祝うパレード「祝賀御列の儀」が10日、皇居周辺で行われる。警視庁は「即位礼正殿の儀」に続き警視総監をトップとする最高警備本部を設置し、全国の警察からの応援などを含め、最大約2万6000人態勢で警備。新たな脅威となっているドローン(小型無人機)によるテロ防止に全力を挙げる。
パレード当日は、周辺に配置する多数の警察官による目視や検知器で不審なドローンを発見する。ジャミング(電波妨害)装置で運航不能にした上で、網をつり下げた大型ドローンや地上から網を飛ばす「ネットランチャー」で捕獲することなどを想定している。

また、警察庁が出している警察白書でも以下のように触れられています。アメリカの空中ネットシステムや東芝のシステムに動作イメージがよく似ているので同一の物かそれに類似するものだと思います。

平成28年版 警察白書 コラム 警視庁における「無人航空機対処部隊」の編成 よりhttps://www.npa.go.jp/hakusyo/h28/honbun/html/sf121000.html

警視庁は、平成27年(2015年)12月、小型無人機を捕獲するためのネットを装着したいわゆる迎撃ドローンを運用する「無人航空機対処部隊」を編成した。重要施設等の警戒警備において、違法に飛行する小型無人機を発見した際には、迎撃ドローンによりこれを捕獲し、周囲の安全が確保できる場所まで運搬することとしている。

不審ドローンへの対応

このように日本でも2016年頃からアンチドローンシステムがすでに導入、運用されていることがわかります。ネットで不審ドローンを捕獲するという原始的にも思える方法ではありますが、電磁波によってコントロールを邪魔したり、銃火器で撃ち落としたりするよりも、日本国内で運用するのには法的、技術的に導入しやすいシステムだったと思われます。

日本におけるドローン対処技術の導入

ドローン対処技術の技術開発は、自衛隊でも進めているようですが、ドローンの対処には、複数の技術が必要で、不審ドローンの検出や認知の技術と、飛行しているドローンを強制的に排除する技術の両方が有効に機能しなければなりません。
これまで説明してきたものと重複してしまうかもしれませんが改めてまとめます。

世界では現在、採用されている物、研究中の物を含めて以下のようなものがあります。
ドローンの検出・認知

  • レーダーを使用して飛行するドローンを検出する。
  • カメラを使用して画像認識で飛行するドローンを検出する。
  • ドローンの飛行音で飛行するドローンを検出する。
  • ドローンをコントロールしている電波を受信し飛行するドローンを検出する。など
ドローンへの対処
  • ネットを空中に放出し不審ドローン捕獲、強制的に落下させる。
  • 迎撃ドローンで飛行する不審ドローンへ体当たりして墜落させる。
  • 銃火器・爆発物等で、不審ドローンを破壊する。
  • 強力な電磁波(電波)によって飛行する不審ドローンの動作を強制的に停止(故障)させる。
  • 強力なレーザーによって飛行する不審ドローンを破壊する。
  • 不審ドローンをコントロールしているリモートコントロール電波に干渉しコントロール不能にする。
  • 不審ドローンをコントロールしているリモートコントロール電波に割り込んでコントロールを奪う。(ハッキング)
自衛隊の研究や配備内容などは、公開されている調達情報などから、ある程度うかがい知ることができます。
2019年に公開されていた物の中には、「ドローン対処器材」の性能確認試験に関する役務 として技術検討するためと思われる複数のドローンジャマーが調達されています。

品目 ドローン対処器材の技術援助(その1)
契約日 2019/09/17
契約相手方 アイ・アール・システム
D-FEND「カウンタードローンシステム」

品目 ドローン対処器材の技術援助(その2)
契約日 2019/09/17
契約相手方 シマヅプレシジョン インスツルメンツ インク
SkySafe「モバイル型ドローン対策システム」

品目 ドローン対処器材の技術援助(その3)
契約日 2019/09/17
契約相手方 兼松エアロスペース(株)
ローデ・シュワルツ「ドローン探索,監視,対策システム」

品目 ドローン対処器材の技術援助(その4)
契約日 2019/09/17
契約相手方 三菱電機株式会社 防衛システム事業部
三菱電機「電波探知妨害装置」

品目 ドローン対処器材の技術援助(その5)
契約日 2019/09/17
契約相手方 日本海洋(株)
FlexForce「ドローンバスター」

品目 ドローン対処器材の技術援助(その6)
契約日 2019/09/17
契約相手方 東芝インフラシステムズ(株)電波システム事業部
東芝エレクトロニツクシステムズ(現 東芝電波テクノロジー)「ドローン検知システム」

品目 ドローン対処器材の技術援助(その7)
契約日 2019/09/17
契約相手方 日立製作所 ディフェンスビジネスユニット営業本部
日立製作所「対処ドローンシステム」

競争入札に係る情報の公表(物品・役務等)
令和元年(2019年)9月(製造・物品・役務)より

このように公開されている入札情報から推察すると自衛隊や警察はもとより国土交通省航空局(空港)や海上保安庁でも導入されていることがわかります。基地などの施設へ固定設置されている物から巡視船のように船舶への搭載も進められている様子や、当初は、不審ドローンを捕獲するようなシステムだったものが、ドローンのコントロールを妨害(ジャミング)をするものに変化している事もわかります。

官公庁の入札情報より ドローン対処機材を抜粋

2015/11小型無人機対処検証に伴う無人機使用による遠隔式拘束網小型無人機捕獲機材に関する役務防衛省 陸上自衛隊 中央会計隊日本工機(株) 
2015/11小型無人機対処検証に伴う音響装置探知機材に関する役務防衛省 陸上自衛隊 中央会計隊沖電気工業(株) 
2015/11小型無人機対処検証に伴う無人機使用による遠隔式拘束網小型無人機捕獲機材に関する役務防衛省 陸上自衛隊 中央会計隊日本工機(株) 
2015/11小型無人機対処検証に伴う無人機使用による遠隔式拘束網小型無人機捕獲機材に関する役務防衛省 陸上自衛隊 中央会計隊日本工機(株) 
2015/11小型無人機対処検証に伴う音響装置探知機材に関する役務防衛省 陸上自衛隊 中央会計隊沖電気工業(株) 
2015/11小型無人機対処検証に伴う電波発射源探知・映像化機材に関する役務防衛省 陸上自衛隊 中央会計隊(株)東芝 
2015/11小型無人機対処検証に伴う小型無人機探知、妨害機材AUDS)に関する役務防衛省 陸上自衛隊 中央会計隊コーンズテクノロジー(株) 
2017/11小型無人検知レ-ダ-システム内閣府 警察庁 警察大学校加賀ソルネット(株) 
2018/07小型無人機電波検知システム内閣府 警察庁 警察大学校キーサイトテクノロジー(株) 
2019/02空港におけるドローン探知機器の設置及び実証国土交通省 航空局(株)日立製作所 
2019/09ドローン対処器材の技術援助(その1)陸上自衛隊 中央会計隊アイ・アール・システムD-FEND「カウンタードローンシステム」
2019/09ドローン対処器材の技術援助(その2)陸上自衛隊 中央会計隊シマヅプレシジョン インスツルメンツ インクSkySafe「モバイル型ドローン対策システム」
2019/09ドローン対処器材の技術援助(その3)陸上自衛隊 中央会計隊兼松エアロスペース(株)ローデ・シュワルツ「ドローン探索,監視,対策システム」
2019/09ドローン対処器材の技術援助(その4)陸上自衛隊 中央会計隊三菱電機(株) 防衛システム事業部三菱電機「電波探知妨害装置」
2019/09ドローン対処器材の技術援助(その5)陸上自衛隊 中央会計隊日本海洋(株)FlexForce「ドローンバスター」
2019/09ドローン対処器材の技術援助(その6)陸上自衛隊 中央会計隊東芝インフラシステムズ(株)電波システム事業部東芝電波テクノロジー「ドローン検知システム」
2019/09ドローン対処器材の技術援助(その7)陸上自衛隊 中央会計隊日立製作所 ディフェンスビジネスユニット営業本部日立製作所「対処ドローンシステム」
2020/01無人航空機検知システムの製造(製造・設置・調整)国土交通省 航空局(株)日立製作所 
2020/03無人航空機飛行妨害無線装置2式の購入国土交通省 航空局日本海洋(株)
 
2020/07電波発信位置検出装置の整備に関する要件調査国土交通省 航空局一般財団法人航空保安無線システム協会 
2021/01小型無人機対処器材の整備1式防衛省 陸上自衛隊 西部方面隊健軍駐屯地(有)全日工業 
2021/04小型無人機探知資機材のレンタル契約兵庫県 兵庫県警察本部(株)セキド 
2021/04無人航空機検知システムの製造(製造・設置・調整)国土交通省 航空局シマヅ プレシジョン インスツルメンツインクSkySafe Inc 社、ドローン検知システム
2021/05電波探知妨害装置によるドローンの探知・無効化に関する技術援助防衛省 陸上自衛隊 富士学校三菱電機(株) 
2021/08小型無人機対策資機材(通信機能抑止装置)買入国土交通省 海上保安庁  
2021/09空港におけるドローン探知機器の設置及び実証国土交通省 航空局(株)日立製作所 
2021/10小型無人機対処器材防衛省 防衛装備庁  
2022/02庁1331 小型無人機対策資機材の実証試験業務国土交通省 海上保安庁  
2022/03巡視船 UHF・SHF 帯特殊送受信装置9式ほか 2 点買入国土交通省 海上保安庁  
2022/06無人航空機対処に係る調査研究一式防衛省三菱重工業(株) 

ドローン対処技術の研究

国内の研究機関やメーカーでも、様々な研究がされています。それらの、一部、研究成果やシステムの概要などが公開されています。

三菱電機技報2019年02月号 論文10 (mitsubishielectric.co.jp)
https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2019/1902110.pdf

不審なドローンを迅速に発見するドローン検知システムを提供開始 (hitachi.co.jp)
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2017/10/1006.pdf


防衛装備庁(自衛隊)での研究の一部も公開されています。公開されている研究発表の中で不審ドローン対処技術に関連のありそうな技術をまとめました。
防衛装備庁技術シンポジウム2019 で発表された内容で、高出力のマイクロ波を浴びた時のドーローンの挙動などのデータが出されており大変興味深いです。

ドローン・UAS対処にも適用可能な高出力マイクロ波技術の研究
防衛装備庁 電子装備研究所https://www.mod.go.jp/atla/research/ats2019/doc/nishioka.pdf

防衛装備庁技術シンポジウム2020で発表された内容では、不審ドローンに対処する場合、今後、必要になる可能性がある「高出力マイクロ波」や「高出力レーザ技術」の研究発表もありました。

高出力マイクロ波技術の研究


これらの研究は、世界情勢もあり、注目されている分野なので新聞でも報じられました。
防衛省、「高出力マイクロ波」兵器を開発へ…軍用ドローンを無力化 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220205-OYT1T50129/
2022/02/05
防衛省は来年度から、敵の軍用無人機(ドローン)を無力化できる「高出力マイクロ波」(HPM)兵器の研究開発に本格的に乗り出す。現代戦で戦局を左右する電磁波領域に対応した装備や技術を導入し、防衛力を高める狙いがある。マイクロ波は電子レンジで食品を加熱する時などに使われる電波だ。これを応用して強力なマイクロ波をビーム状に照射することで、ドローン内部の電子制御システムなどを故障させる。

将来のアンチドローン技術

当初は、不審ドローンをネットで捕獲したり、対処用ドローンで体当たりさせたりといった物理的対応のシステムが徐々にジャミングで阻止する様な電子的対応のものへと変化しています。これは、不審ドローン問題が深刻化したおかげで、より高度で強力な阻止技術を必要としたことによるところが多いと思われます。ドローンをコントロールする電波の周波数帯でのジャミング(妨害電波の送信)は、他の通信などに影響を及ぼす可能性もあることから本来、認められるべきものではないと思います。しかし、他に効率的で有効な方法がないのであればやむを得ないという事情があるのではなかろうか。将来、完全に自立した自動操縦のドローンが出てきた場合、これらにはコントロールする電波がない可能性もあります。こらは、コントロール電波をジャミングする手法は使えない事を意味します。
これから、技術の進展によって、対処方法は、高出力の高周波電磁波や、高出力レーザー、ひょっとしたらレールガンなどで撃ち落とすようになって行くのかもしれないですし、新しい技術が登場するのかもしれません。

GPSの脆弱性を利用してドローンをハイジャックする手法は以下に書きました
アンチドローンシステムの高度な手法 GPSジャミング(Jamming )、スプーフィング(Spoofing)・ミーコニング(Meaconing)

GPSジャミングが影響しているエリアについて詳しくは以下にまとめています。
GPSジャミングマップ(GPS jamming map) 現在のジャミングを地図上に表示

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人口集中地区(DID)の新しいデータの確認方法(令和4(2022)年6月25日~)

人口集中地区 DID(Densely Inhabited District) ドローンを飛行させる場合の許可が必要な飛行なのかどうかを判断する為の重要な基準になっている統計データの人口集中地区(DID)データが、 2022年6月25日から これまで利用していた平成27年版から、新しい 令和2年版 に、変更になりました。 これまで人口集中地区でなかった場所でも新たに人口集中地区とされている場合やその逆など、変更されている場合があるので注意が必要です。 日本の国勢調査において設定される統計上の地区で、英語の"Densely Inhabited District"を略して「DID」とも呼ばれています。市区町村の区域内で人口密度が4,000人/ km² 以上の基本単位区(平成2年(1990年)以前は調査区)が互いに隣接して人口が5,000人以上となる地区に設定されます。ただし、空港、港湾、工業地帯、公園など都市的傾向の強い基本単位区は人口密度が低くても人口集中地区に含まれています。都市的地域と農村的地域の区分けや、狭義の都市としての市街地の規模を示す指標として使用されます。 令和2年の国勢調査の結果に基づく人口集中地区は、国土地理院が提供している「地理院地図」、および政府統計の総合窓口が提供している、「地図で見る統計(jSTAT MAP)」を利用して確認可能です。 情報の内容はは同じですので使いやすいお好みの物を利用すると良いと思います。 国土地理院 地理院地図    ・  人口集中地区令和2年 (総務省統計局)    e-Stat 政府統計の総合窓口  ・  地図で見る統計 (jSTAT MAP)    国土地理院 地理院地図  人口集中地区令和2年(総務省統計局) 確認方法 人口集中地区令和2年 (総務省統計局)    国土地理院 地理院地図  人口集中地区令和2年(総務省統計局)のキャプチャ

無人航空機(ドローン)のノータム[NOTAM] の 読み方・見方【教則学習・周辺知識】

ノータムとは ノータム【NOTAM ( Notice to Airmen)】:航空従事者への通知 国が管理する航空当局(日本の場合は国土交通省航空局)が、航空従事者に対して発行する情報で、航空機の運航のために必要な情報を提供しています。 「NOTAM」ノータムは、 NO tice T o A ir M en の略称で、日本語に訳すなら「航空従事者へのお知らせ」という事です。航空情報の一つで、飛行場、航空保安施設、運航に関連する業務方式の変更、軍事演習のような危険の存在などについての情報で、書面による航空情報では時宜を得た提供が不可能な(端的にいえば間に合わない)場合にテレタイプ通信回線(CADIN及びAFTN)により配布されるものです。 ノータム【NOTAM (Notice to Air Mission)】:航空任務への通知 アメリカ連邦航空局(FAA:Federal Aviation Administration)は2021年12月2日から、NOTAM の頭字語を、Notice to Airmen から Notice to Air Mission に変更しました。この変更は名称によるジェンダー中立性を保つとともに、より広範囲な分野を包括する事を見据えてより正確な名称にするためのもので、小型無人航空システム (sUAS) 、無人気球など、他のいくつかの分野も含まれるためです。 女性もたくさん活躍している事や、無人機には人間が乗っていません(当然ですが)ので、旧名称の「Airmen」はないだろうという事です。したがって、航空任務への通知( Notice to Air Mission )という名称は、より実態に即した正確な名称に変更されたという事になります。 無人航空機のフライトプランのノータムへの掲載について詳しい説明を説明しています。 ノータムへの無人航空機のフライトプランの掲載   もよろしければご覧ください。 NOTAM の歴史 NOTAM は、附属書 15:国際民間航空条約(CICA)の航空情報サービスで指定されたガイドラインに基づいて、政府 機関および空港運営者によって作成および送信されます。1947年4 月4日に発効した CICA の批准に伴い一般的に使用されるようになりました。 航空の業界では、より歴史のある船舶のシステムや名称などの慣習が引き継

「無人航空機の飛行の安全に関する教則」(第3版) 令和5年(2023年)4月13日【教則学習】

無人航空機操縦者技能証明の「一等無⼈航空機操縦士」と「二等無⼈航空機操縦士」の学科試験の土台となる教則 無人航空機の飛行の安全に関する教則が令和5年(2023年)4月13日に改訂 され(第3版)が公開されました。 無⼈航空機操縦士の学科試験のベースになる教則ですが、これまで、学科試験の内容は「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第2版)」に準拠していましたが、 ※令和6年(2024年)4月14日(日)より、 学科試験の内容は、「無人航空機の飛行の安全に関する教則 (第3版)」に準拠します。 と発表されました。 詳細は「 【重要!!】無人航空機操縦士・学科試験の内容が、変わります 」にアップしました 教則の読み上げ動画を作成しました 詳しくは 無人航空機の飛行の安全に関する教則 第3版 読み上げ動画 試験の予約・実施スケジュールなど詳しくは下記、指定試験機関の日本海事協会サイトで確認してください 【重要!!】「無人航空機の飛行の安全に関する教則」の改訂に伴う無人航空機操縦士試験における学科試験の内容変更についてのお知らせ – 無人航空機操縦士試験案内サイト  令和6年(2024年)4月14日(日)より 以前に受験される方 については引き続き以下でご覧ください。 「無人航空機の飛行の安全に関する教則」 令和4年(2022年)11月2日第2版【教則学習】 令和5年(2023年)4月13日に改訂された(第3版)については以下にリンクします。 無人航空機の飛行の安全に関する教則(第3版) https://www.mlit.go.jp/common/001602108.pdf 第2版からの変更履歴【参照用】 https://www.mlit.go.jp/common/001602110.pdf 無人航空機の飛行の安全に関する教則(第2版)から(第3版)への変更内容 細かな表現の変更とともに、 「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅢ飛行)」及び「安全確保措置検討のための無人航空機の運航リスク評価ガイドライン」(公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構 福島ロボットテストフィールド発行)の発行に伴う カテゴリーⅢ飛行におけるリスク評価に関する記述の見直し が行われました。5章と6章が大きく変更されています。変更箇所は下記の項目です。 (第 5 章

無人航空機の飛行形態「カテゴリーⅢ、Ⅱ、Ⅰ」 と 飛行レベル「レベル1~4」

無人航空機の法改正が続きドローンの規制や、操縦資格など、新しい制度が、作られる過程で、様々な飛行ケースを表す言葉として、「カテゴリーⅢ、Ⅱ、Ⅰ」や「レベル1、2、3、4」といった用語を目にすることが、多くなりました。「ドローンを「レベル4」で初飛行」とニュースで大きく報じられました。このように「レベル4」がなぜ画期的な事なのか、またそもそもこのレベルとは、何を表しているのか、改めて整理してみたいと思います。余談になりますが、法改正のタイミングで、ニュースなどでも、同じタイミングで取り上げられていたこともあり、全く別なのですが、自動車の自動運転に関する自動運転レベル(こちらはレベル0~5で表される)などと、混同してしまいそうです。 無人航空機の飛行レベル は飛行する条件をリスクに合わせてレベル分けしたカテゴリで、レベルが上がるほど、安全性リスクが増すものです。そのため、飛行レベルの高い飛行を行う場合は、より安全性に配慮した飛行が求められることになります。したがって、自律飛行(自動運転)もリスクを伴うものですが、自動車の自動運転ほどの精密な位置制御が必要ないであろうドローンの場合、他のリスク要因(目視外の飛行)と比較してさほど高くならないという事でしょう。したがって、この飛行レベルは自律飛行(自動運転)について語られている物ではく、自律飛行(自動運転)についての要素は入っていません。きわめて極端に言えば、空には道路もなく、歩行者もいない。(落とさなければいいだけ)という事ができると思います。また、有人航空機では、オートパイロットなど自動操縦の技術がすでにあることも、自動運転のリスク認識が、高くない一つの要因かもしれません。 2023年3月24日に日本国内で初めてレベル4飛行が実施されたニュースが流れましたがこれらのニュースの見出しでも「自動ドローン」や「自動飛行」などの見出しがいくつかありました。確かに、あらかじめルートや高度をプログラムして飛行させれば、自動と言えるのでしょうが、レベル4飛行を報じるのにはやや適切でない印象をうけました。手動だろうが自動だろうがレベル4の飛行はあるわけですし、ましてやドローンが状況判断をして自律飛行しているわけでもないですし。問題にすべきポイントがズレて伝わってしまう可能性があると思います。改めて、 無人航空機の飛行レベルは、自動操縦の

二等無人航空機操縦士 学科試験問題 模擬試験

無人航空機操縦者技能証明 学科試験(二等無人航空機操縦士)の学科試験とサンプル問題 新しいライセンス制度と詳細の発表が航空局よりありました。 無人航空機操縦士 学科試験のサンプル問題は下記PDFです。 操縦ライセンス制度 学科試験(二等)サンプル問題 https://www.mlit.go.jp/common/001493224.pdf <実施方法> 全国の試験会場のコンピュータを活用するCBT  (Computer Based Testing) <形 式> 三肢択一式(一等:70問 二等:50問) <試験時間> 一等:75分 二等:30分 <試験科目> 無人航空機に関する規則、無人航空機のシステム、無人航空機の操縦者及び運航体制、運航上のリスク管理 ※令和6年(2024年)4月14日(日)より、 学科試験の内容は、「無人航空機の飛行の安全に関する教則 (第3版)」に準拠します。 と発表されました。 詳細は「 【重要!!】無人航空機操縦士・学科試験の内容が、変わります 」にアップしました。 無人航空機の飛行の安全に関する教則 新しくできた無人航空機操縦者技能証明の制度で「一等無人航空機操縦士」「二等無人航空機操縦士」の国家試験の学科の教科書の基になるものです。この教則の内容や範囲から試験問題も作られるています。 令和5年(2023年)4月13日に改訂された、 無人航空機の飛行の安全に関する教則(第3版) は以下にリンクします。 https://www.mlit.go.jp/common/001602108.pdf 無⼈航空機操縦士の学科試験のための教則について詳しく解説を、以下でご覧ください。 「無人航空機の飛行の安全に関する教則」(第3版) 令和5年(2023年)4月13日【教則学習】 教則の読み上げ動画を作成しました 詳しくは 無人航空機の飛行の安全に関する教則 第3版 読み上げ動画 二等無人航空機操縦士 学科試験 模擬試験 「二等無人航空機操縦士」のサンプル問題に基づいて模擬テストを作りました。 回答終了後に 「送信」 をクリックして続いて出てくる 「スコアを表示」 をクリックすると採点結果が表示されます。発表によるとCBT式試験というコンピュータを利用した試験になるようですので、似た雰囲気ではないかと思います。メールアドレスの情報は収集しておりませんので気軽

世界の時間とタイムゾーン・JST、UTCとズールータイム【教則学習・周辺知識】

協定世界時(UTC)、日本標準時(JST)、グリニッジ標準時(GMT)、国際原子時(TAI)、世界時(UT) 時間を表現するための基準が複数あります。これは、世界各国で、それぞれに昔から使用されていた、それぞれ文化にも深くかかわる時間の基準があり、これらを一度に切り替えることが難しかったためで、そのため、しばしば混乱が生じる場合がありました。人、物、そして、情報が世界を行きかう事により、徐々に世界中で統一した基準を用いるような流れになりました。また、科学技術の発展によって精度を増した基準の観測・利用方法が進みましたが、やはり全ての時刻を統一することは困難なため、複数の基準が存在しています。 観測データなど扱う場合必ず「何時(いつ)、when」測定した物なのかという情報は測定値とセットで扱われる大切な要素です。この要素が抜けたり、正しくなければ、データの価値がなくなってしまう場合もあります。 気象観測や、航空機の運航、コンピュータの時間など、昔より世界が狭くなってしまった現代、正確な時刻は当然、必要ですが、その時刻が、どの基準で示されているものなのかを意識しなければならいことも増えてきています。 Samuel P. Avery, 129 Fulton St, NY (wood engraving); Centpacrr (Digital image) ,  Public domain, via Wikimedia Commons 世界時が採用される前の「すべての国」の相対的な時間を示す1853年の「ユニバーサルダイヤルプレート」 グリニッジ標準時(GMT) G reenwich  M ean  T ime グリニッジ標準時(GMT)は、ロンドンのグリニッジにある王立天文台の平均太陽時で、真夜中から数えたものです。(真夜中が午前0時という事)過去には正午から計算されるなど、様々な方法で計算されていたようです。そのため、文脈がわからない限り、特定の時刻を指定するために使用することはできません。(時代によって時間が異なることがあります。)GMTという用語は、タイムゾーンUTC+00:00の名称の1つとしても使われ、イギリスの法律では、イギリスにおける市民時間(ローカルタイム)の基準となっています。 英語圏の人々はしばしば、GMTを協定世界時(UTC)の同義語として用いますが

一等無人航空機操縦士 学科試験問題 模擬試験

無人航空機操縦者技能証明 学科試験(一等無人航空機操縦士)の学科試験とサンプル問題について 新しいライセンス制度の試験の詳細と学科試験のサンプルが無人航空機操縦士試験の指定試験機関の日本海事協会より発表されています。 無人航空機操縦士(一等)操縦ライセンス制度 学科試験のサンプル問題は下記PDFです。 https://www.mlit.go.jp/koku/content/001520518.pdf <実施方法> 全国の試験会場のコンピュータを活用するCBT  (Computer Based Testing) <形 式> 三肢択一式(一等:70問) <試験時間> 一等:75分 <試験科目> 無人航空機に関する規則、無人航空機のシステム、無人航空機の操縦者及び運航体制、運航上のリスク管理 一等学科試験では、二等学科試験の出題範囲に加えて、一等のみを対象とする項目も出題範囲に含まれます。 ※令和6年(2024年)4月14日(日)より、 学科試験の内容は、「無人航空機の飛行の安全に関する教則 (第3版)」に準拠します。 と発表されました。 詳細は「 【重要!!】無人航空機操縦士・学科試験の内容が、変わります 」にアップしました。

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ノーマン飛行研究会
2015年 首相官邸ドローン事件があった年、トイドローンを手にして以来ドローンと関わっています。JUIDAの無人航空機安全運航管理者、操縦技能証明とドローン検定協会の無人航空従事者試験1級 を取得しております。無線関連の第1級陸上特殊無線技士も取得しております。 できるだけ正確に学んだことを綴って行きたいのですが、もし間違いなどありましたらご指摘いただけると嬉しいです。 このサイトはリンクフリーです。報告の必要ありません。リンクして頂けると喜びます。
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