GPSジャミングマップ(GPS jamming map) 現在のジャミングを地図上に表示
2024年4月6日
2024年4月19日
GPS jamming map GPSジャミングマップ
https://www.flightradar24.com/data/gps-jamming
GPSのジャミングが行われていると思われるエリアを地図に表示するWEBサイトです。GPSジャミングが影響しているエリアをマップ上に色で表示します。このマップはGPSの妨害電波を直接観測して表示するものではなく、世界中を飛行している航空機のADS-Bトランスポンダからの情報をもとに、GPS信号の受信不良エリアを解析して表示させているものです。したがって、ADS-B情報を取得できないエリア(航空機が飛行していないエリア)では情報を得ることが出来ないので表示することが出来ません。
GPSのジャミングが行われていると思われるエリアを地図に表示するWEBサイトです。GPSジャミングが影響しているエリアをマップ上に色で表示します。このマップはGPSの妨害電波を直接観測して表示するものではなく、世界中を飛行している航空機のADS-Bトランスポンダからの情報をもとに、GPS信号の受信不良エリアを解析して表示させているものです。したがって、ADS-B情報を取得できないエリア(航空機が飛行していないエリア)では情報を得ることが出来ないので表示することが出来ません。
GPS(GNSS)ジャミングについて詳しくは下記にまとめています。
アンチドローンシステムの高度な手法 GPS(GNSS)ジャミング、スプーフィング・ミーコニング
GPS(GNSS)の衛星測位システムについて詳しくは下記にまとめています。
全地球測位システム Global Positioning System (GPS)【教則学習・詳細】flightradar24のGPSジャミングマップのキャプチャ
赤色で表示されているエリアが、ジャミングされていると思われるエリアです。
赤色で表示されているエリアが、ジャミングされていると思われるエリアです。
ジャミングのデータについて
ADS-Bのメッセージには、GPS、ガリレオ、グロナス、北斗など、グローバルナビゲーションシステム(GNSS)から取得した位置情報が含まれています。
GNSSの電波妨害を直接測定することはできませんが、Flightradar24では、航空機から送信されるADS-Bメッセージに含まれるNIC:Navigation integrity category(航法精度カテゴリ)の値を活用して、GPSの電波障害の影響を監視しています。
NICの値は、航空機が受信したナビゲーションデータの品質と一貫性を示す指標です。この値が低下する原因としては、航空機の機器の問題や、電波環境の悪化などが考えられます。しかし、ある特定の地域で複数の航空機のNIC値が同時期に低下している場合は、グローバルナビゲーションシステム(GNSS)の通常動作を妨害する何らかの電波の存在を示唆していると判断されます。
GPS電波障害が発生する要因は多岐に渡ります。近くの電子機器からの電磁波の影響、敵対者による故意の妨害工作、大気条件の変化による信号の歪み、太陽フレアなどの太陽活動による電離層の撹乱など、様々な原因が複雑に絡み合うためです。一方で、GPSジャミングは、故意に強力な電波を発射してGPS信号を遮断する行為であり、電波障害とは区別されます。したがって、GPSジャミングとGPS電波障害の違いは意図の有無と発生源の違いにあるということになります。
Flightradar24では、複数の航空機でNICが同時期に低下した地域を、GPS電波障害の影響があるエリアとしてマーキングし6時間ごとに更新し、公開しています。
余談になりますが、ジャミングマップの本体ともいえる、ADS-Bフライト追跡サイトのフライトレーダー24も紹介しておきます。リアルタイムに飛行している航空機の航路がわかりますので、目の前で飛行している航空機が、どこの航空会社のどこ行きの航空機なのかを知ることが出来ますし、飛行していないエリアもわかります。
フライトレーダー24(Flightradar24)
ADS-Bフライト追跡リアルタイム表示サービスFlightradar24は、世界中の航空機の飛行状況をリアルタイムで無料で見ることができるウェブサイトです。上空を飛んでいる飛行機やヘリコプターなどの正確な位置が、地図上にアイコンで表示されます。登録は不要で、誰でも気軽にアクセスできます。ただし、登録していないと15分でタイムアウトするので、ページをリロードする必要があります。
このサービスは、当初2006年にスウェーデンの2人の航空機マニアがスタートさせた個人的な趣味のプロジェクトだったそうです。北欧と中欧地域にADS-B受信機のネットワークを構築し、航空機からの信号を受信して位置を特定できるようにしたのがきっかけでした。
2009年に同プロジェクトのネットワークを一般に開放したことがターニングポイントとなりました。ADS-B受信機を持つ人なら誰でも、受信したデータをアップロードできるようになったのです。これにより、短期間で世界中の多くの地域をカバーするネットワークに急成長しました。現在では、全世界からのデータが集まる総合的な航空監視システムに発展しています。
Flightradar24では、ADS-B対応のトランスポンダを搭載した航空機のみ表示されます。大型旅客機ではADS-B搭載が義務付けられていますが、小型機では未搭載の機体もあり、そういった場合は表示されません。
軍用の航空機については、作戦中はトランスポンダの信号を意図的に遮断することがあり、常に表示されるわけではありません。しかし全く表示されないわけではなく、表示/非表示はコントロールされているようです。
一方、政府専用機など一部の機体は、安全保障上の理由から、表示されないよう設定されているものもあるようですようです。日本でも以前は表示されていた政府専用機が安全保障上、問題視され現在は表示しなくなっています。つまり、すべての航空機が表示されるわけではなく、機体の種類やその時の状況により、表示の有無が決まっているということになります。また、これらは、Flightradar24で表示されなくなっているだけで、実際に電波が出されている場合には、このADS-B情報は航空当局には当然把握されており、航行に利用されています。
ADS-B(Automatic Dependent Surveillance-Broadcast)とは
航空機に搭載されたトランスポンダの方式の一種で、航空機の位置などの情報を自動で周辺に送信する機能を指します。航空機は衛星ナビゲーションなどから自身の位置を特定し、定期的にその情報をADS-Bトランスポンダから送信します。この情報は地上の管制局だけでなく、他の航空機からも受信可能です。ADS-Bは航空機から能動的に情報を発信するため、従来の管制レーダーとは異なり、地上局からの問い合わせを必要としません。送信される電波の周波数は1090MHzと国際的に決められており、位置情報に加え対気速度などのデータも含まれます。
ADS-Bの大きな利点は、送信範囲が200海里(370km)と広く、イリジウム・ネクストシステムを介し、低軌道衛星経由で2,000海里(3700km)までカバーできることです。これにより従来監視が困難だった洋上や極域の空域までモニタリングが可能になっています。
海外の大型無人航空機や無操縦者航空機なども搭載しているものもあるので、これらも確認することが出来ます。
海外の大型無人航空機や無操縦者航空機なども搭載しているものもあるので、これらも確認することが出来ます。
関連項目は下記にまとめています。