NICT 宇宙天気情報の新警報基準「SAFIR」宇宙天気情報利用法
NICT 宇宙天気情報の新警報基準「SAFIR」と社会インフラへの影響ガイドライン(2025年6月版)
NICTが2025年6月に公開した最新資料をもとに、新しい宇宙天気警報システム「SAFIR」と分野別の影響・対策指針を整理したものです。
太陽フレアや地磁気嵐・電離圏嵐など宇宙天気の基本的な仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しています。
- 宇宙天気の概要・各現象の詳細
→ 宇宙の天気予報 と 太陽現象「太陽フレア、地磁気擾乱、電離圏嵐、デリンジャー現象」 - ドローン・GPS測位への具体的な影響
→ 無人航空機は太陽の影響を受けて飛行できなくなるのか - オーロラ予報と宇宙天気の関係
→ オーロラ発生の可能性を予報する オーロラ予報 オーロラフォーキャスト
本記事では上記の基礎知識を前提として、2025年6月に始動した新警報基準とSAFIRの実用的な内容を中心に解説します。
SAFIR(セイファー)とは ── 2025年6月から始まった新しい宇宙天気警報
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、2025年6月から社会的影響を考慮した新しい宇宙天気イベント通報 「SAFIR(Space weather Alert For social Impacts and Risks)」 の配信を開始しました。
従来の宇宙天気予警報は、太陽フレアのX線量など「物理量」を基準にレベル分けしていました。しかし社会インフラへの影響は分野ごとに異なり、物理量だけでは「実際に何が起きるのか」「どう対応すればよいか」が伝わりにくいという課題がありました。SAFIRはこの点を改善し、社会インフラへの影響度に応じてレベル分けした定型メールを自動送信するシステムです。
SAFIRのメール登録は、宇宙天気予報ウェブサイトから申請できます。
宇宙天気現象の「3段階の時間差」
宇宙天気現象の主な源は太陽フレアです。太陽フレアが発生すると、地球への影響は速度の異なる3種類の現象として、時間差をもって順番に到来します。この点は地震後に津波・火災・余震が続くのに似ています。
| 段階 | 現 象 | 地球到達時間 | 主な影響 |
|---|---|---|---|
| ① | フレアX線・電磁波 | 発生直後(約8分) | デリンジャー現象(短波通信障害)、GPS誤差 |
| ② | 高エネルギー粒子 (プロトン等) |
発生約30分後 | 極冠吸収、衛星誤作動、航空機被ばく |
| ③ | コロナ質量放出(CME) | 発生約2日後 | 磁気嵐、電離圏嵐、衛星帯電、送電障害 |
なお、磁気嵐や放射線帯電子の増大は、太陽フレアとは直接関係なく発生することもあります(コロナホールからの高速太陽風など)。プラズマバブルも基本的には太陽フレアと無関係に、赤道〜低緯度域の日没後に発生します。
SAFIRの新警報基準 ── 平常・注意・警報の3段階
SAFIRでは現象ごとに Lv1(平常)・Lv2(注意)・Lv3(警報) の3段階で警戒状況を示し、基準値を超えた場合および基準値を下回った場合に自動でメールが送信されます。警報レベルで社会的影響が大きいと予想される場合は、NICTによる分析・評価を踏まえた追加情報も手動で送信されます。
新警報基準の一覧
| 観測データ | 平常(Lv1) | 注意(Lv2) | 警 報(Lv3) | 影響を受ける分野 |
|---|---|---|---|---|
| 太陽フレア(X線強度) | <X1 | X1 | X10 | 通信・放送(HF帯) |
| プロトン ※1 [pfu] | <1,000 | 1,000 | 100,000 | 通信・放送(HF帯)、航空機被ばく |
| プロトン ※1 [pfu] | <1,000 | 1,000 | 10,000 | 宇宙システム運用 |
| 高エネルギー電子(低軌道)※2 | <3.8×10⁹ | 3.8×10⁹ | ─ | 宇宙システム運用(低軌道) |
| 高エネルギー電子(中・静止軌道)※2 | <3.8×10⁸ | 3.8×10⁸ | 3.8×10⁹ | 宇宙システム運用(中・静止軌道) |
| 被ばく線量 [μSv/h] | <30 | 30μSv/h超 | ─※3 | 航空機被ばく |
※1 静止軌道における10MeV以上のプロトン粒子フラックス
※2 静止軌道における2MeV以上の電子フラックスの24時間積分値(フルエンス)。単位はcm⁻²·sr⁻¹
※3 航空機被ばくの警報(Lv3)は注意(Lv2)と記載内容に違いがないため設けない
太陽フレアは日本が夜間の場合(日本最西端の日の入〜最東端の日の出)には、日本国内インフラへの影響がないためSAFIRは配信されません。
なお、衛星測位・電力・有人宇宙活動などの分野については基準値が現在も検討中であり、策定次第SAFIRの対象に追加される予定です。
分野別の影響と対策
3.1 通信・放送への影響
HF帯(短波)は電離圏で反射する性質を使って遠距離通信を行いますが、太陽活動による電離圏の変動を大きく受けます。船舶・航空・業務無線のほか、ドローン運用に関わる無線通信にも影響する可能性があります。
HF通信・放送への影響
| フレア発生後 | 現 象 | 影響内容と発生領域 | 継続時間 |
|---|---|---|---|
| 発生直後 | デリンジャー現象(X線) | 昼間側の広い範囲で低周波帯が使用不可 | 数分〜1時間程度 |
| 約30分後 | 極冠吸収(高エネルギー粒子) | 高緯度地域(北極・南極周辺)で低周波帯が使用不可 | 1〜6時間程度 |
| 約2日後 | 電離圏嵐(CME) | 場所を問わず高周波帯が使用不可になる可能性 | 数時間〜2日程度 |
VHF通信・放送への影響
| 発生条件 | 現 象 | 影響内容 | 継続時間 |
|---|---|---|---|
| 太陽フレアと無関係(春〜秋の日中) | スポラディックE層 | 通常届かない遠方まで電波が伝搬し混線 | 数分〜数時間程度 |
UHF通信・放送への影響
| 発生条件 | 現 象 | 影響内容 | 継続時間 |
|---|---|---|---|
| 太陽フレアと無関係(赤道〜低緯度、日没〜深夜、春・秋に多い) | プラズマバブル | 電波シンチレーション発生、通信・放送の質が劣化 | 最大数時間程度 |
携帯電話等への影響
| 発生条件 | 現 象 | 影響内容 | 継続時間 |
|---|---|---|---|
| 発生直後(日の出・日没時に太陽と基地局・利用者が直線上に並ぶ場合) | 太陽電波バースト | 断続的に電波状況が悪化 | 最大数時間程度 |
対策のポイント
HF・VHF通信の影響時は、利用周波数のシフト(デリンジャー現象・極冠吸収では高周波数側、電離圏嵐では低周波数側)や衛星通信・有線通信への切り替えが有効です。影響が収束するまで待機するか、通信のつながりやすい場所への移動も選択肢です。
3.2 宇宙システム(人工衛星)への影響
低軌道衛星(高度2,000km以下)
| フレア発生後 | 影響内容 | 継続時間 |
|---|---|---|
| 約30分後(高エネルギー粒子) | シングルイベント(誤作動・故障)、トータルドーズ増加による材質劣化 | 数時間〜数日程度 |
| 約2日後(CME) | 極軌道での帯電放電による誤作動・故障、大気抵抗増加による姿勢・軌道変化 | 数時間〜1日程度 |
| 太陽フレアと無関係(コロナホール起源) | 帯電放電の発生率増加、誤作動・故障 | 数日〜数週間 |
| 長期的な太陽活動変化 | トータルドーズによる材質劣化、大気抵抗増加(太陽活動ピーク前後4〜5年間) | 太陽活動ピーク前後 |
静止軌道・中軌道衛星
| フレア発生後 | 影響内容 | 継続時間 |
|---|---|---|
| 約30分後(高エネルギー粒子) | シングルイベント(誤作動・故障)、材質劣化 | 数時間〜数日程度 |
| 約2日後(CME) | 帯電放電による誤作動・故障 | 数時間〜1日程度 |
| 太陽フレアと無関係(コロナホール起源) | 帯電放電による誤作動・故障 | 数日〜数週間 |
宇宙環境に起因する衛星障害の25〜50%は帯電・放電による障害とされています。衛星運用時には、大規模な宇宙天気現象の発生時に姿勢変更・軌道変更、クリティカル運用の回避、機器電源の一時遮断などの措置をとることが推奨されます。
3.3 航空機運航への影響
高エネルギー粒子(太陽高エネルギー粒子および銀河宇宙線)が大気圏に入ると「空気シャワー反応」を起こし、二次宇宙線が発生します。これが航空機高度で降り注ぐことで、乗務員の被ばく線量が増大します。地上にいる人々への健康影響は無視できるほど小さく、太陽フレアに伴うX線も人体にはほぼ影響しません。
日本では、航空機乗務員の年間被ばく線量の上限は5mSvとするガイドラインが示されており(文部科学省)、特に極航路(北極周辺を通る航路)では宇宙天気の影響が大きくなります。
| フレア発生後 | 影響内容 | 継続時間 |
|---|---|---|
| 約30分後(高エネルギー粒子) | 航空機高度の被ばく線量率が増大(主に中〜高緯度地域) | 数分〜数時間程度 |
また、デリンジャー現象・電離圏嵐・プラズマバブル・高エネルギー粒子によって、航空機の通信や衛星測位にも障害が生じる可能性があります(3.1・3.4参照)。
なお、国際民間航空機関(ICAO)は2019年11月から宇宙天気情報の利用を開始しており、NICTは開始当初から情報提供を行っています。
対策のポイント
大規模宇宙天気現象の発生時は、極航路の変更(高度・緯度の変更)などの運航計画変更を検討します。
3.4 衛星測位(GNSS)への影響
GPS・みちびき等のGNSSは、ドローンの自動飛行・測量・位置管理など、現代の無人航空機運用に不可欠なシステムです。電離圏の変動による測位精度の劣化は、ドローン運用にも直接影響します。
| フレア発生後 | 現 象 | 影響内容 | 継続時間 |
|---|---|---|---|
| 発生直後(X線・電波バースト) | 電離圏全電子数変動、電波バースト | 主に昼間の低緯度で誤差増大(1周波では最大数m)、受信不良 | 数分〜数時間程度 |
| 約2日後(CME→電離圏嵐) | 電離圏嵐 | 場所を問わず誤差増大(1周波では最大数十m)、相対測位で解が得られない場合あり | 数時間〜1日程度 |
| 太陽フレアと無関係(プラズマバブル) | 電波シンチレーション | 赤道〜低緯度の日没後〜深夜に発生、手法を問わず測位不可となる場合あり(日本では春・秋に多い) | 最大数時間程度 |
測位誤差は軌道予測誤差やマルチパス誤差なども要因となるため、宇宙天気だけが原因とは断定できない点にも注意が必要です。
対策のポイント
精密な測位を要する作業(精密測量・ドローン飛行・自動運転等)については、宇宙天気情報を確認し、必要に応じて日程を延期するか、電離圏の影響を受けにくい多周波測位方式や代替手段の活用を検討します。
3.5 有人宇宙活動への影響
軌道上の宇宙飛行士は、高エネルギー粒子(太陽高エネルギー粒子・銀河宇宙線)に常にさらされています。ISS(国際宇宙ステーション)での1日あたりの放射線量は地上での数か月分に相当します(太陽静穏時でも約0.5〜1mSv/日)。
大規模な太陽フレアによる被ばく量増大が予想される場合、船外活動中の宇宙飛行士は船内に戻り、遮蔽率の高い区画へ避難する対策がとられます。
3.6 電力への影響
磁気嵐(CME到来時)によって送電線に地磁気誘導電流(GIC: Geomagnetically Induced Current)が流れ込み、変圧器の過熱・保護リレーの誤作動・電圧低下などが発生する可能性があります。
| フレア発生後 | 影響内容 | 継続時間 |
|---|---|---|
| 約2日後 (CME) |
送電線への過電流(GIC)、変圧器過熱、リレー誤動作、電圧低下。極域付近で影響大、中緯度でも発生の可能性あり | 最大2日程度 |
日本においても、極端に大規模な地磁気の乱れが起きた場合には電力系統の脆弱な箇所が被害を受けるおそれは否定できないとされています。なお、GICは海底ケーブルや石油・ガスパイプラインにも発生し、腐食や誤作動につながる可能性も研究されています。
宇宙天気予報の現状と予報の限界
宇宙天気予報は気象予報と比較すると観測点が圧倒的に少なく、まだ発展途上の段階にあります。利用にあたって知っておくべき主な限界を以下にまとめます。
-
太陽フレアの規模とプロトン・CMEの規模は比例しない
大規模フレアが発生しても高エネルギー粒子・CMEの影響が小さいことも、逆にフレアが小さくても大きな社会影響が出た例もあります。 -
CME到来時刻の予測誤差は約12時間
現状、CMEの観測は地球側からの視線方向に限られるため、到来時刻の誤差が大きくなります。 -
CMEが到来しても影響が出ないこともある
CME内部の磁場が北向きの場合、地球磁場が防御して社会的影響は発生しません。この磁場の向きが正確にわかるのは、地球と太陽の重力が釣り合うL1点(地球到達の約1時間前)での観測時です。 -
電離圏の詳細な予報はまだ精度が十分でない
下層大気からの影響もあり、現状では予測精度に限界があります。
SAFIRの実例 ── 令和6年5月の連続太陽フレア
令和6年(2024年)5月8日〜15日にかけて、Xクラスの太陽フレアが13回連続して発生しました。このうち、日本が夜間でない時間帯の8回についてSAFIRに相当する通報が配信されました(同配信はSAFIRが正式開始する前の事例として記録されています)。なお、この期間はプロトン・高エネルギー電子・被ばく線量については大きな変化がなく、それらに関する警報は配信されませんでした。
令和6年の1年間では、Xクラスのフレアが52回発生し、そのうち太陽フレア注意(Lv2)相当の通報が33回、プロトン注意(Lv2)相当が6回配信されました。SAFIRの配信頻度は、太陽活動極大期には月2〜3回程度と見込まれています。
SAFIRで配信されるメールの概要
SAFIRは以下の現象について、観測値が基準値を超えた・下回った際に定型文の自動メールを送信します。
- 太陽フレア(X1以上:Lv2、X10以上:Lv3)
- プロトン現象(1,000pfu以上:宇宙システム運用Lv2、通信・放送Lv2 / 10,000pfu以上:宇宙システム運用Lv3 / 100,000pfu以上:通信・放送Lv3)
- 放射線帯電子(静止・中軌道でLv2/Lv3)
- 太陽放射線被ばく(30μSv/h超でLv2)
メール件名は「【SAFIR】太陽フレア(静穏→X1イベント発生中)」のような形式で、本文に影響を受ける分野(通信・放送、宇宙システム運用、航空機被ばく等)と警戒レベルが記載されます。
宇宙天気関連用語の早見表
NICTが公開している「宇宙天気情報用語集」(2025年6月版)から、特に実用性の高い用語を抜粋して整理しました。
| 用 語 | 英 語 | 領域 | 概 要 |
|---|---|---|---|
| 太陽フレア | Solar Flare | 太陽 | 太陽表面の爆発現象。A〜Xクラスに分類。Xクラスが最大規模 |
| コロナ質量放出 | CME | 太陽 | フレアに伴い大量のプラズマが惑星間空間に放出される現象 |
| 太陽高エネルギー粒子 | SEP | 太陽 | フレア・CMEに伴う高エネルギー粒子。光速の2〜3割で飛来するものもある |
| プロトン現象 | Solar Proton Event | 太陽 | 太陽高エネルギー粒子(プロトン)が増大する現象 |
| 太陽電波バースト | SRB | 太陽 | フレアやCME等から放射される太陽電波の急増現象。GPS障害の原因になることも |
| コロナホール | Coronal Hole | 太陽 | 太陽大気からの太陽風流出が起きている領域。高速太陽風の発生源 |
| 太陽活動周期 | Solar Cycle | 太陽 | 約11年の周期で極大期(活発)と極小期(静穏)を繰り返す |
| 磁気嵐 | Geomagnetic Storm | 磁気圏 | CME到来等による地球規模の大きな地磁気変動 |
| 放射線帯 | Radiation Belts | 磁気圏 | 高エネルギー粒子が地球の磁場に捕捉されている領域(内帯・外帯の二重構造) |
| 放射線帯電子 | Radiation Belt electron | 磁気圏 | 放射線帯の高エネルギー電子。衛星帯電・故障の原因 |
| 衛星帯電(深部帯電) | Spacecraft Charging | 磁気圏 | 高エネルギー粒子が衛星内部に蓄積し絶縁破壊・放電を引き起こす現象 |
| シングルイベント | SEE | 磁気圏 | 高エネルギー粒子がCPU・メモリ等の半導体に入射しビットエラー・誤動作・故障を引き起こすこと |
| トータルドーズ | Total Dose | 磁気圏 | 物質が吸収した放射線量の総和。増えると半永久的に劣化 |
| Dst指数 | Dst index | 磁気圏 | 磁気嵐の強さを示す指数。値がマイナスに振れるほど強い磁気嵐 |
| K指数 | K index | 磁気圏 | 地磁気変動の活動度(0〜9の10階級)。日本では柿岡観測所の値が使われる |
| 電離圏嵐 | Ionospheric storm | 電離圏 | 磁気嵐に伴う電離圏の全電子数変動。測位誤差増大や通信障害の原因 |
| デリンジャー現象 | Dellinger phenomenon | 電離圏 | フレアのX線増大によりD領域電子密度が上昇し、短波通信が障害を受ける現象 |
| 電離圏全電子数 | TEC | 電離圏 | 電波経路上の自由電子の総量。測位誤差に直結 |
| プラズマバブル | Plasma bubble | 電離圏 | 赤道〜低緯度F領域に突発的に発生する低電子密度の泡状構造。GPS障害・衛星通信劣化の原因 |
| スポラディックE層 | Es layer | 電離圏 | 高度100km付近に突発出現するプラズマ密度の高い層。VHF帯の異常伝搬・混信を引き起こす |
| 極冠吸収 | PCA | 電離圏 | 高エネルギープロトンが極域に降下し、D領域の電波吸収を引き起こす現象 |
| 電波シンチレーション | Radio wave scintillation | 電離圏 | 不規則な電離圏を電波が通過する際の振幅・位相の変動。測位精度を低下させる |
| 大気ドラッグ | Atmospheric drag | 電離圏 | 衛星が上層大気と衝突する抵抗力。磁気嵐時に急増し衛星高度低下の原因 |
| AE指数 | AE index | 磁気圏 | オーロラジェット電流の活動度指標 |
まとめ ── ドローン運用者として押さえておくべきポイント
宇宙天気は「宇宙の話」として遠く感じられるかもしれませんが、GPSによる測位・HF/VHF/UHF帯の通信・衛星通信など、ドローン運用の基盤となるシステムに直接影響します。特に以下の点は実務上重要です。
-
SAFIRのメール登録をしておく
NICTの宇宙天気予報ウェブサイトから無料で登録できます。Xクラスフレア発生時などに即座に通知が届きます。 -
GPS精度が重要な精密測量や自律飛行の前に宇宙天気を確認する
電離圏嵐やプラズマバブル発生時は最大数十メートルの誤差が生じる可能性があります。 -
現象には時間差がある
フレア発生直後の影響(デリンジャー現象)で終わらず、約2日後にCMEによる磁気嵐・電離圏嵐が来る場合があります。SAFIRはその都度レベルが更新されるため、引き続き情報を追うことが重要です。 -
宇宙天気予報にも誤差・限界がある
CMEの到来予測には±12時間程度の誤差があります。確実な予測は到達1時間前頃になります。
参考・関連情報
- NICT 宇宙天気予報ウェブサイト
- NICT 宇宙天気情報メール配信サービス(SAFIR登録)
- NICT オーロラアラート
- NICT HF-START(短波電波伝搬シミュレータ)
- NICT 電離圏観測リアルタイムデータ
- NICT 放射線帯(RADI)
- NICT SECURES(衛星帯電リスク評価)
- NICT WASAVIES(太陽放射線被ばく警報システム)
- 気象庁 柿岡地磁気観測所
NICT「宇宙天気情報利用の手引き」「宇宙天気情報利用ガイドライン」「NICT宇宙天気情報用語集」(2025.6.19版)をもとに作成しました。
