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「無人航空機の飛行の安全に関する教則」第4版→第5版 変更点の詳細比較と改訂分析

2026年9月18日  2026年9月18日 

「無人航空機の飛行の安全に関する教則」第4版→第5版 変更点 詳細比較

第5版:公布日 令和8年7月7日/適用日 令和8年7月14日

本資料は、第4版PDF・第5版PDFの本文全文照合に加え、国土交通省が公開している新旧対照(見え消し)版の公式資料で全項目を1つずつ目視確認し、確定させた内容です。

(※)2026年7月14日(火)より、学科試験の内容は、「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版)」に準拠します。


「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版)」について詳細は別途
「無人航空機の飛行の安全に関する教則」(第5版) 令和8年(2026年)7月7日 【教則学習】目次でご覧ください。

教則自体が明記する改訂履歴(第5版)

第5版の巻頭「改訂履歴」には、以下の6項目が挙げられています。以下、この6項目それぞれについて、実際の本文でどこがどう変わったかを解説します。

  1. 保険の付保範囲拡大の反映(第2章 2.3.3)
  2. 工業専用地域での飛行に係るDID規制対象外の追記(第3章 3.1.2(2)1))
  3. 航空法施行規則第236条の82第1項第2号の規定により一定の要件を満たして農薬等の空中散布などを行う場合の承認申請不要の追記(第3章 3.1.2(2)3))
  4. 技能証明の更新申請期間の見直し(第3章 3.1.2(5)3))
  5. 小型無人機等飛行禁止法の一部改正の内容反映(第3章 3.2.1)
  6. その他表現の見直し

1. 保険の付保範囲拡大(第2章 2.3.3「保険」)

該当箇所:第4版 p.6 → 第5版 p.6(ページ番号は変わりません)

記載内容
第4版 「…カテゴリーⅡ飛行のうち一部の飛行(3.1.2(2)4)c.レベル3.5飛行を参照)にあたっては、不測の事態が発生した場合に十分な補償が可能な第三者賠償責任保険に加入していることが求められる。」
第5版 「…カテゴリーⅡ飛行のうち一部の飛行(総重量25kg以上の無人航空機を飛行させる場合又は3.1.2(2)4)c.レベル3.5飛行の場合を参照)にあたっては、不測の事態が発生した場合に十分な補償が可能な第三者賠償責任保険に加入していることが求められる。」

変更点:第三者賠償責任保険への加入が「必須」となる対象に、総重量25kg以上の無人航空機を飛行させる場合が新たに追加されました。従来はレベル3.5飛行のみが対象でしたが、機体の重量基準(25kg以上)が独立した条件として追加されています。

学習ポイント:「保険加入が義務ではなく推奨」という原則は維持されますが、例外的に義務的加入が求められるケースが「レベル3.5飛行」だけでなく「25kg以上の機体」にも拡大した、という2条件になった点を押さえてください。


2. 工業専用地域でのDID規制対象外(第3章 3.1.2(2)1))

該当箇所:規制対象となる飛行の空域 > d. 人口集中地区/第4版 p.8, p.15 → 第5版 p.8, p.15

(1) DIDの定義部分(p.8)

記載内容
第4版 「(D)国勢調査の結果を受け設定されている人口集中地区の上空」
第5版 「(D)国勢調査の結果を受け設定されている人口集中地区の上空**(工業専用地域内の区域の上空を除く。)**」

(2) 「d. 人口集中地区」の解説部分(p.15)

記載内容
第4版 「…現在は令和2年の国勢調査の結果に基づく人口集中地区が適用されている。」(ここで文が終わる)
第5版 「…現在は令和2年の国勢調査の結果に基づく人口集中地区が適用されている。ただし、都市計画法第8条第1項第1号の工業専用地域内の区域において、無人航空機を飛行させる場合には、DIDに係る許可手続き等が不要である。

変更点:都市計画法上の「工業専用地域」内であれば、人口集中地区(DID)に指定されていても、DID関連の飛行許可・承認手続きが不要になりました。

学習ポイント:DID上空の飛行は原則「特定飛行」として承認等が必要ですが、工業専用地域は例外的に対象外となった、という新しい除外規定です。試験では「DIDの定義」+「工業専用地域の例外」がセットで問われる可能性があります。


3. 農薬等空中散布の承認申請不要化(第3章 3.1.2(2)3))

該当箇所:3) 規制対象となる飛行の空域及び方法の例外/第4版になし → 第5版 p.18 に新設

第4版では、この「例外」の項目は a.捜索又は救助のための特例、b.高度150メートル以上の空域の例外、c.十分な強度を有する紐等で係留した場合の例外、の3つで構成されていました。第5版では、この直後に新規の「d.」項目が丸ごと追加されています。

記載内容
第4版 (該当項目なし)
第5版
(新設)
d. 航空法施行規則第236条の82第1項第2号の規定による農薬散布等の例外 無人航空機を飛行させて農薬等の空中散布などを行う場合であって、航空法施行規則第236条の82第1項第2号の規定で定める要件を満たす場合には、夜間飛行、目視外飛行、第三者から30メートル以内の飛行、危険物輸送及び物件投下に係る飛行の承認手続きが不要である。」

変更点:一定要件を満たす農薬等空中散布であれば、夜間飛行・目視外飛行・第三者から30m未満・危険物輸送・物件投下という5種類の特定飛行の承認手続きがまとめて不要になる、という新しい例外規定が丸ごと追加されました。

学習ポイント:既存の「例外」パターン(a.捜索救助、b.高度150m以上、c.紐等係留)と並ぶ4つ目の例外として、要件(施行規則第236条の82第1項第2号)とセットで覚えてください。


4. 技能証明の更新申請期間の見直し(第3章 3.1.2(5)3))

該当箇所:3) 技能証明の交付手続き/第4版 p.28 → 第5版 p.29

記載内容
第4版 「…有効期間が満了する日以前6月以内に国土交通大臣に対し技能証明の更新を申請しなければならない。」
第5版 「…有効期間が満了する日の6月前から1月前までの間に国土交通大臣に対し技能証明の更新を申請しなければならない。」

変更点:これは非常に重要な変更です。

  • 第4版:「満了日の6か月前〜満了日当日まで」のどこでも申請可(下限のみ、期限直前でも申請できた)
  • 第5版:「満了日の6か月前〜1か月前まで」のだけが申請可能(下限に加えて新たに上限=1か月前締切が新設

学習ポイント:試験で「更新申請はいつまでにすればよいか」と問われた場合、満了日の1か月前が申請の締切である点が新しい正答になります。ギリギリでの申請ができなくなった点を必ず押さえてください(更新講習自体は従来どおり申請日以前3月以内の修了が必要です)。


5. 小型無人機等飛行禁止法の一部改正(第3章 3.2.1)― 最重要の変更

該当箇所:3.2.1 小型無人機等飛行禁止法/第4版 p.28〜30 → 第5版 p.29〜31

(1) 制度概要(イエロー・ゾーンの範囲)

記載内容
第4版 「…これら重要施設及びその周囲おおむね300mの周辺地域の上空における小型無人機等の飛行を禁止するものである。」
第5版 「…これら重要施設及びその周囲おおむね1000mの周辺地域の上空における小型無人機等の飛行を禁止するものである。」

同じ「300m→1000m」の変更は、下記(3)(4)の該当箇所でも一貫して行われています(計3箇所)。

(3) 飛行禁止の対象となる重要施設

「①国の重要な施設等」「②外国公館等」に、それぞれ新しい施設類型が追加されました。

区分第4版第5版で追加された項目
①国の重要な施設等 国会議事堂、内閣総理大臣官邸、最高裁判所、皇居等/危機管理行政機関の庁舎/対象政党事務所 +天皇又は内閣総理大臣の所在する施設であって、国内要人が出席する行事会場等
②外国公館等(外務大臣指定) (見出しのみ) +外国公館、国際機関の事務所等
+外国要人が参加する国際会議の準備又は運営のために使用される会議場施設等

③防衛関係施設、④空港、⑤原子力事業所の3区分に変更はありません。

また本項冒頭の「敷地・区域の上空(レッド・ゾーン)及びその周囲おおむね300m」も同様に1000mへ変更されています。

(4) 飛行禁止の例外及びその手続き

記載内容
第4版 「…対象施設及びその周囲おおむね300mの周辺地域の上空で小型無人機等を飛行させる場合、都道府県公安委員会等へ通報しなければならない。」
第5版 「…対象施設及びその周囲おおむね1000mの周辺地域の上空で小型無人機等を飛行させる場合、都道府県公安委員会等へ通報しなければならない。」

(5) 違反に対する措置等 ― 罰則が大きく強化

記載内容
第4版 「対象施設の敷地・区域の上空(レッド・ゾーン)で小型無人機等の飛行を行った者及び警察官等の命令に違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる。」(イエロー・ゾーン単独違反への直接罰則の規定なし)
第5版 「対象施設の敷地・区域の上空(レッド・ゾーン)で小型無人機等の飛行を行った者及び警察官等の命令に違反した者は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処せられる。また、対象施設の敷地の周囲おおむね1000mの上空(イエロー・ゾーン)で小型無人機等の飛行を行った者は、6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処せられる。

変更点(このセクション全体のまとめ)

  1. イエロー・ゾーンの半径が300m→1000mへ3倍以上に拡大(制度概要・対象重要施設・例外の手続きの3箇所すべてで統一的に変更)
  2. 保護対象施設に、天皇・内閣総理大臣が所在する行事会場等外国公館・国際機関事務所国際会議の会議場施設等が明記で追加
  3. 罰則用語が「懲役」→「拘禁刑」に変更(令和7年6月施行の刑法改正・拘禁刑創設を反映したもの。なお、教則第4章の一般的な罰則表〔p.24〕の「懲役」表記はこの改正の対象外で、そのまま維持されています)
  4. イエロー・ゾーン違反に対する直接罰則が新設(6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)。従来はレッド・ゾーン違反のみが直接処罰の対象で、イエロー・ゾーンは「通報義務」があるのみでした。

学習ポイント:この5.のセクションは今回の改訂で最も出題可能性が高い箇所です。「イエロー・ゾーンの範囲=1000m」「イエロー・ゾーン違反にも罰則あり(6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)」の2点は特に正確に暗記してください。


6. その他表現の見直し(本文照合で判明した実質的な追記・修正)

「その他表現の見直し」という一文でまとめられていますが、実際には以下の2点が本文レベルで変更されています。

(a) 捜索又は救助のための特例:具体的適用事例の追加

該当箇所:3) 規制対象となる飛行の空域及び方法の例外 > a. 捜索又は救助のための特例/第4版 p.17 → 第5版 p.17

記載内容
第4版 「…これらについては通達「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」や「航空法第132条の92の適用を受け無人航空機を飛行させる場合の運用ガイドライン」において規定されており、またこの特例の具体的な適用事例国土交通省ホームページに参考資料として示されている。」
第5版 「…(同上)…において規定されている。また、震災発生に伴う仮設住宅建設予定調査のための飛行や獣害を未然に防ぐための飛行など、この特例の具体的な適用事例国土交通省ホームページに参考資料として示されている。」

変更点:「捜索又は救助のための特例」の具体的な適用事例として、震災発生時の仮設住宅建設予定調査のための飛行獣害を未然に防ぐための飛行という2つの具体例が本文に明記されました(助詞も「は」→「が」に変更)。

(b) 点検項目チェックリストの用語修正

該当箇所:5.1.2 (2)  運航者がプロセスごとに行うべき点検/第4版 p.52 → 第5版 p.53

記載内容
第4版 「・小型無人機等飛行禁止法の飛行禁止空域、緊急用務空域、飛行自粛空域等の該当の有無 等」
第5版 「・小型無人機等飛行禁止法の飛行禁止空域、緊急用務空域、飛行自粛要請空域等の該当の有無 等」

変更点:「飛行自粛空域」が正式名称の「飛行自粛要請空域」に修正されました(用語自体は本文の他の箇所ではすでに「飛行自粛要請空域」で統一されており、この1箇所だけ表記漏れがあったものが今回修正された形です)。

(c) 軽微な誤字修正

該当箇所:6章(3) ガソリンエンジンで駆動する機体の注意事項/第4版 p.53 → 第5版 p.54

第4版で「…専用の容器で運搬しなければならない。**。**エンジン駆動の場合には…」となっていた句点の重複が、第5版で「…運搬しなければならない。エンジン駆動の場合には…」に修正されています。内容面の変更はありません。


変更点サマリー一覧表

No.章・項目変更の種類第4版第5版頁(4版→5版)
1 2.3.3 保険 適用範囲拡大 レベル3.5飛行のみ対象 +総重量25kg以上の機体も対象 p.6→6
2 3.1.2(2)1) DID 例外追加 工業専用地域も規制対象 工業専用地域は規制対象外に p.8,15→8,15
3 3.1.2(2)3) 例外 新規項目追加 例外a〜cのみ 例外d.農薬散布等を新設 (新設)→18
4 3.1.2(5)3) 更新申請 期間の見直し 満了日以前6月以内 満了日の6月前〜1月前の間 p.28→29
5 3.2.1 小型無人機等飛行禁止法 範囲拡大・罰則新設 イエロー・ゾーン300m、懲役、直接罰則なし イエロー・ゾーン1000m、拘禁刑、直接罰則あり p.28-30→29-31
6a 3.1.2(2)3) 捜索救助特例 具体例追加 具体例の記載なし 震災仮設住宅調査・獣害防止の例を追記 p.17→17
6b 5.1.2 (2) 点検項目 用語修正 飛行自粛空域 飛行自粛要請空域 p.52→53
6c 5.1.2 (3) ガソリンエンジン注意事項 誤字修正 句点重複 句点重複を解消 p.53→54

以上が、公式の新旧対照資料で1つずつ確認した、第4版→第5版の全変更点です。特にNo.5(イエロー・ゾーンの1000m拡大と罰則新設)No.4(更新申請期間の1か月前締切)は、実務にも直結する重要な改正のため、試験対策として重点的に押さえることをお勧めします。

総括:第5版改訂の傾向分析

6つの変更点を俯瞰すると、今回の第5版改訂には、方向性の異なる2つの動きが同時に表れていることが分かります。

① 安全保障・危機管理の観点からの規制強化

  • 小型無人機等飛行禁止法のイエロー・ゾーンを300m→1000mへ大幅拡大
  • イエロー・ゾーン単独違反への直接罰則を新設
  • 保護対象施設に「天皇・内閣総理大臣が出席する行事会場」「外国公館・国際機関事務所」「国際会議の会議場施設」を明記
  • 一定重量以上の機体への保険加入義務の対象拡大
これらは、要人警護や国際会議の開催といった対テロ・危機管理上の要請を色濃く反映した改正です。特に保護対象施設への追加内容(国際会議・要人行事関連)は、近年の要人来日・国際イベント開催の増加を踏まえた措置と読み取れます。

② 実態に応じた規制の合理化

工業専用地域でのDID規制の適用除外
農薬等空中散布に関する承認手続きの一括不要化
技能証明更新の申請期間の明確化
こちらは、第三者がほぼ存在しない工業専用地域や、既に社会実装が進んでいる農業用途など、リスクが相対的に低いと判断される場面での手続き負担を軽減する方向の改正です。教則自体が随所で強調する「リスクに応じた分類」という思想が、規制緩和の場面にも一貫して適用されていると言えます。

試験対策としての位置づけ

無人航空機操縦者技能証明の学科試験では、教則の改訂内容がそのまま出題範囲に反映されます。特に本改訂で変わった具体的な数値(300m→1000m、満了日6か月前〜1か月前)や新しい用語(拘禁刑、工業専用地域、農薬散布の例外)は、正誤問題や穴埋め問題の題材になりやすい部分です。単に「変わった」と覚えるのではなく、本資料の変更前後の文言そのものを条文の言い回しごと記憶しておくことをお勧めします。

改訂の分量自体は限定的ですが、とりわけ小型無人機等飛行禁止法まわりの改正は、運用実務・試験対策の両面で影響が大きい内容です。まずはこの第5章の内容を優先的に復習したうえで、他の変更点へと学習を広げていくのが効率的と考えられます。


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ノーマン飛行研究会
2015年 首相官邸ドローン事件があった年、トイドローンを手にして以来ドローンと関わっています。JUIDAの無人航空機安全運航管理者、操縦技能証明とドローン検定協会の無人航空従事者試験1級 を取得しております。無線関連の第1級陸上特殊無線技士も取得しております。 できるだけ正確に学んだことを綴って行きたいのですが、もし間違いなどありましたらご指摘いただけると嬉しいです。 このサイトはリンクフリーです。報告の必要ありません。リンクして頂けると喜びます。
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