マルチコプター(multicopter)の「〇〇〇コプター」について
2022年9月13日
2024年7月6日
羽の数で名前が変わる さまざまなコプター
一般的にドローン(無人航空機)と呼ばれている物の大半はマルチコプター(multicopter)と呼ばれる複数(3つ以上)のローターと呼ばれる回転する羽をもつ航空機のことを表します。また、このマルチコプターの中にもローターの数で名称をつけてあります。3つのメインローターを備えた回転翼機 トライコプター【tricopter】
これに続いて
4つがクアッドコプター【quadcopter】
5つがペンタコプター【pentacopter】
6つがヘキサコプター【hexacopter】
8つがオクトコプター【octocopter】
小型のものはクアッドコプター【quadcopter】が多いのではないかと思います。
4つ以上の翼のある機体は機体重量が増えたり制御のシステムが複雑になったりする代わり、飛行中に万一、ロータの一つが回らなくなってしまう、などのトラブルがあった場合でも、他のローターがそれをカバーすることができるなどのメリットがあります。
ロータの数が増えるほど機体も安定すると言われていますが、重量増(機動性の低下)やコスト増(単純にモーターやブームなどが増)などのデメリットもあり安定性・安全性と経済性・機動性のトレードオフの関係になっています。
ローターの数を接頭語で表現
ロータの数を、倍数接頭辞(英語の中で名詞の前に付けて、「数的要素」を表現したもの)で表され、それらに「コプター」を組み合わせた形で表現されます。参考に以下が英語で倍数接頭辞の数え方です。ラテン語やギリシャ語が語源になっているようです。1 single/mono
2 double
3 triple/treble
4 quadruple
5 pentadruple
6 hexatruple
7 septuple
8 octuple
9 nonuple
コプターの語源
マルチコプターは、元々回転翼機を表すヘリコプターが変化した造語ですが、ヘリコプター(helicopter) の語源・由来は、1861年、フランスの発明家で考古学者のギュスターヴ・ポントン・ダメクール(Gustave Ponton d'Amécourt)が自らの発明に、ギリシャ語で「渦巻き」や「螺旋」を意味する「ヘリックス(hélix)」と、「翼」を意味する「プテロン(pterón)」の二つの言葉を組み合わせ、フランス語で「エリコプテール(hélicoptère)」と命名し、それが、英語になった「ヘリコプター(helicopter)」が広まっていったようです。ヘリコプターは略して「ヘリ」と言うため、「ヘリ・コプター」の区切りと思われがちですが、語源からすると区切りは「ヘリコ・プター」という事になります。ですので、「マルチコプター」の場合、「マルチ・プター」というのが正しいと言えますね。