デジタルライフライン全国総合整備計画概要
デジタルライフライン全国総合整備計画 (2024年6月策定、経済産業省・デジタルアーキテクチャデザインセンター)は、人口減少・人手不足・災害激甚化といった深刻な社会課題に対応するため、約10年をかけてデジタル技術を全国的に社会実装する国家計画です。
詳細な要約
1. 計画の背景と目的
- デジタル完結原則の徹底: 人口減少下においても、全国津々浦々にデジタル恩恵を届けるため、デジタル完結の原則に基づいて大規模投資を実施します
- 社会課題の抜本的解決: 自動運転・ドローン・AIの社会実装を加速させ、人手不足の解消、過疎化への対応、災害激甚化への備えを強化します
地域生活圏の形成: デジタルとリアルが融合した地域生活圏の形成に貢献し、国土形成計画と連携しながら、持続可能な社会基盤を構築します
2. アーリーハーベストプロジェクト(2024年度先行支援)
ドローン航路
自動運転サービス支援道: 高速道路(新東名高速道 駿河湾沼津SA~浜松SA間100km)、一般道(茨城県日立市 大甕駅周辺)など合計100km以上で、物流トラックや移動サービスを支援します インフラ管理DX
: さいたま市・八王子市などで地下の通信・電力・ガス・水道管路のデジタルツインを構築し、200km²以上で先行的に実施します 奥能登版の想定: 令和6年能登半島地震の復興にあわせ、デジタルライフラインの整備を取り込み、孤立集落への物資配送や被災状況の把握、モビリティ・ハブの整備など、平時から有事まで活用できるモデルを目指します。3. デジタルライフラインの構成
ハード(物理インフラ): 通信インフラに加え、情報処理基盤(スマートたこ足)や、物流・移動の結節点となるモビリティ・ハブ(ターミナル2.0、コミュニティセンター2.0等)を既存アセットを活用して整備します
ソフト(データ・システム): 3D地図、データ連携システム(ウラノス・エコシステム等)、空間ID(3次元空間の統一識別子)、ソフトウェア開発キット(SDK)などの共通基盤を確立します。
ルール(制度・ガバナンス): 公益デジタルプラットフォーム運営事業者認定制度やデータ連携モデル規約を整備。AI時代における事故責任論など、アジャイルガバナンスを通じて安全かつ柔軟な運用を担保します
4. 10年計画のKGI・KPI
全国展開に向けた指標: KGIとして10年間で累積経済効果2兆円を見込みます。KPIとして、ドローン航路(河川1万km、送電網4万km)、自動運転移動サービス実装地域(100箇所以上)、インフラ管理DX(主要都市50箇所)等の目標を設定しています。
5. 設計思想
デジタル代替による変革: 物理的距離からの解放、人手からの解放、データ最適化の3本柱で社会システムを再構築します
SoS(System of Systems)対応: 相互接続された複雑なシステム全体を最適化し、既存の建物・道路・電力柱などを有効活用することで、新規投資を抑えつつIoT・データ・ソフトへ重点投資する「戦略的ダウンサイジング」を推進します。
協調領域の拡大: 産官学で協調領域を戦略的に設定・整備することで、投資の分散を防ぎ、事業性向上と社会課題解決を両立させます。
6. 2023年度に採用する具体的な仕様
ドローンポート(ISO5491参考): 垂直離着陸(VTOL)設備として、視認性、照明設備、天候や気温等の監視、異常検知などの要件を定義します
多機能基盤(モジュール間インターフェース): スマートポール等のモジュール単位での入替え・追加を可能にするため、制御部と各機能モジュール間のインターフェースを定義します。
電力柱の活用指針: 既存の電力柱等へのセンサー設置領域の指針を示し、無電柱化施策とも整合させます 。
空間IDの採用: 空間情報システムにおける標準識別子としてAPI等で空間ID(3次元空間の統一識別子)を積極的に活用します 。
7. インセンティブとエンフォースメント
優先採択と継続支援: 共通仕様への準拠を前提とし、国の関連事業において集中的な優先採択や長期的な継続支援を行います 。
履行フォローアップ: 毎年度、履行状況のモニタリングを実施し、次年度予算要求の参考とすることで計画の実効性を高めます
8. 実現体制
官民連携: 「デジタルライフライン全国総合整備実現会議」を中心に、関係省庁・自治体・民間企業が一体となり、閣議決定文書(デジタル田園都市国家構想等)と連動して計画を推進・アップデートします
補足
KGI(Key Goal Indicator): 経済効果2兆円など、計画が最終的に目指すべき成果を定量的に示す指標です。
KPI(Key Performance Indicator): 航路総延長(km)、実装地域数(箇所)など、KGI達成に向けた進捗状況を測る重要な中間指標です。本計画では、数字ありきではなく、課題解決と産業発展に資する取組を着実に積み上げることを重視しています
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