Noman Flight Research Group 無人航空機(ドローン)の研究会です

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無人航空機 レベル3飛行の条件緩和、レベル3.5飛行の新設

2023年11月26日  2025年1月28日 

二等無人航空機操縦士の資格取得のメリット増加

令和5年(2023年)11月17日に内閣府の規制改革推進会議の第1回スタートアップ投資ワーキンググループの中で「無人航空機(ドローン)の事業化に向けた環境整備」について話し合われました。今後の無人航空機の運用の規制緩和についての方向が示されました。


規制改革推進会議 第1回 スタートアップ・投資ワーキング・グループ 議事次第
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2310_02startup/231117/startup01_agenda.html


結論から言いますと、無人地帯での目視外飛行(レベル3飛行)での規制緩和です。

飛行レベルについて詳しくは、以前、まとめていますので以下参考にしてください。
無人航空機の飛行形態「カテゴリーⅢ、Ⅱ、Ⅰ」 と 飛行レベル「レベル1~4」

機体認証・型式認証と無人航空機操縦士について詳しくは、以前、まとめていますので以下参考にしてください。
無人航空機の型式認証・機体認証と操縦者技能証明(無人航空機操縦士)【教則学習・詳細】

条件緩和に伴い運用の解釈も2024年6月10日、変更されました。
詳細は以下にまとめています。
「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」が更新されました[R6.6.10更新]

無人地帯での目視外飛行(レベル3飛行)を行う場合

安全管理の考え方
現行
立入管理措置を通じ飛行経路下に第三者が立ち入らないようにすることで無人航空機が
落下した際のリスクを低減

レベル3.5飛行適用後
一定の条件で、飛行経路下に第三者を無人航空機が避けることで落下した際のリスクを低減

現在のレベル3飛行

現在、レベル3飛行を行うには、国土交通大臣の許可・承認を受けなければなりません。また、この許可承認を受けるためには、安全管理対策(立入管理措置を含む)等について個別に確認を行うようになっています。
第三者上空を飛行させないことが基本となるため、安全管理対策(立入管理措置)、具体的には、道路横断等について立入管理措置が必要とされています。

この立入管理措置の内容は、下記のようなものです。
  • 補助者の配置:無人航空機の飛行経路下に第三者が立ち入らないよう注意喚起を実施
  • 立入禁止区画の設定:柵等で飛行経路に第三者が立ち入らないよう物理的に立入を阻止
  • 注意喚起の実施:看板等を配置
※1:無人航空機の飛行に携わる者以外を第三者として取り扱い(走行中の車両も含む。交通量のある道路横断時は一時停止を要する場合あり。)
※2:この他一般的な飛行安全のガイドラインで高速道路や新幹線線路上空の飛行は控えるよう呼びかけ


安全管理の考え方
立入管理措置により飛行経路下に第三者がいない状況を確保することで、無人航空機が落下した際の第三者への被害等を防止



出典:国土交通省航空局 資料「無人航空機に係る取組の方向性について」より


緩和後

デジタル技術(機上カメラの活用)により補助者・看板の配置といった現在の立入管理措置を、撤廃するとともに、操縦ライセンスの保有と保険への加入により、道路や鉄道等の横断を容易にします。

レベル3.5の新設

  • 操縦ライセンスの保有(無人航空機操縦士)
  • 保険への加入
  • 機上カメラによる歩行者等の有無の確認
上記の条件で、人口集中地区以外の目視外飛行(レベル3飛行)を行う場合(これをレベル3.5飛行といいます)は、下記の制限が緩和されます
  • 立ち入り禁止措置撤廃(立ち入り禁止措置(補助者・看板等)が不要)
  • 道路や鉄道等の横断を前一時停止不要
この規制緩和策は、本年中(2023年)2023年中に実施が開始されるとアナウンスされています。
また、今後、飛行許可承認の手続きの審査の時間が短縮され、レベル3.5について来年度内にDX化(システム改修)等を実施し1日での許可・承認を目指すとされています。ちなみに、現在は現在10日前申請が基本とされていますが、機体認証取得機で操縦ライセンス取得者がフライトすら場合であれば、許可・承認手続は不要になっています。

今回の規制緩和の方針で、これまで、あまりメリットが感じられなかった、機体認証・操縦ライセンスの制度の普及につながるかもしれません。

内閣府の規制改革推進会議の第1回スタートアップ投資ワーキンググループの中で「無人航空機(ドローン)の事業化に向けた環境整備」の会議で何が話し合われたのかを見てみます。

youtubeで会議の内容が公開されています。

この会議では、実際に無人航空機の事業化に携わられている事業者や有識者、規制当局などの行政機関などが出席して行われました。

ドローン配送事業化に向けた要望
ドローン配送事業化に向け、近々の規制緩和が必要なポイントとして、レベル3の目視外飛行を制限している現在の立入管理措置の緩和を求めています。カメラによる監視でこれらの措置を省略可能と考えています。

30mルールの緩和も必要で、少なくともドローン置場までなら距離制限の緩和が必要です。現在の制度下では人件費や設備コストの問題から事業化が難しい状況です。

最終的なゴールとして、リモート操縦による完全無人自動飛行を実現し、2025年以降は1人のパイロットで複数エリアをカバーできる仕組みを構築したいと考えています。

中長期的な要望として、航空法に定める重量制限は物流ドローンの運用において柔軟な運用が必要であることを訴えています。また山岳地帯での高度制限や夜間飛行制限についても、条件を限定した上での緩和の必要性を主張しています。

政府の2023年度内の事業化方針を受け、各地での事業開始に向け取り組んでおり、規制緩和での全面的な支援を要請しています。




ドローンの更なる利活用促進のための提案

・基準重量を現行の100グラムから200グラムや250グラムまで引き上げ
・5GHz帯での免許申請に要する1-2ヶ月を短縮
・農薬散布やインフラ点検など経済効果大きく安全性確保可能な分野の飛行許可を簡素化
・操作申請のワンストップ化と利便性向上 
・レベル3/4の物流や防災分野利用における優先審査
・国家資格や機体認証において、制度趣旨に反しない範囲での可能な限りの緩和

など、事業者目線での規制緩和と制度改善点を数値も含めて具体的に提案しています。ドローン利活用加速化に向けた建設的な提案だと受け止めました。


産業用ドローンの農業利用拡大と課題
ドローンの農業利用が急速に拡大している。
労働力不足が問題化する中、動力噴霧機と比較して圧倒的な作業効率の良さが普及の理由。
農薬散布では国交省の許可が必要だが、実際の飛行範囲は限定的。
購入時には教習と技能認定が義務化されるなど、利用者サポート体制の整備が進んでいる。
一方、飛行計画の事前通報義務が課題。農作業の気象依存性の高さから事前通報は使いづらく、制度設計と運用の見直しが必要。
関係省庁連携の下、ドローンの円滑な社会実装に向けた環境整備を要望する。


国土交通省 スタートアップ・投資WG 説明資料
国土交通省航空局より以下のようなアナウンスがありました。
ドローン事業加速化方針

政府からのドローン事業加速化の指示を受け、事業者ヒアリングを通じて事業化に向けた検討を進めている。

ラスト1マイル配送を中心にドローン利用ニーズが高まっており、とりわけレベル3の目視外飛行を事業で活用したいという要望が強い。

レベル3での事業化に当たって、事業者から大きく2つの課題があるとの指摘があった。ひとつは立入管理措置が厳しすぎること。もうひとつは申請手続きの非効率性である。

立入管理措置の緩和について、新たに「レベル3.5」カテゴリーを設けることを検討している。これはライセンスを取得した操縦者について、カメラによる監視を条件に立ち入り管理を撤廃するというものである。コスト削減が見込め、配送事業後押しになると考えている。インフラ点検など他分野での効果も期待される。

申請手続きの迅速化では、標準処理期間を10日間としているが、実際にはルート変更や配送エリア追加のたびに変更申請が必要となるケースが多い。
レベル3.5では審査プロセスが大幅に簡素化されることから、来年度内に1日処理を目指す。併せてシステム改修やユーザビリティ向上も図りたい。

加えて、操縦ライセンス+型式認証を保有すれば、個別の飛行許可が不要となる仕組みについても整備を進めたい。現在、型式認証を取得している機体は1機種、認証申請中が4機種あるのみであることから、審査プロセスの合理化に取り組み、認証機体の増加に努めたい。

引き続き利用者の声に耳を傾け、規制緩和と効率化を推進したい。アドバイザリーボードの設置も視野に、ドローンの更なる利用拡大を推進したい

とのことでした。この規制緩和で、操縦ライセンス+型式認証のインセンティブは大きくなるので今後これらの制度の普及が期待されます。

「レベル3.5飛行」のパブリックコメント

令和5年11月28日付でパブリックコメントを受けつています。
無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領等の改正に関する意見募集についてhttps://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155231237

今般、特に中山間地域における無人航空機を活用した生活物資の配送サービスの事業
化等を強力に推進するため、デジタル技術の活用(機上カメラによる歩行者等の有無の
確認)により補助者・看板の配置といった現在の立入管理措置を撤廃するとともに、操
縦ライセンスの保有と保険への加入により道路の横断等を容易とする制度(「レベル3.5
飛行」)を導入することとし、審査要領等について所要の改正を行うことについての意見募集です。

改正内容
[目視外飛行(法第 132 条の 86 第2項第2号関係)]
(1)荷物配送等をはじめとしたレベル3飛行において、飛行経路下の立入管理区画に
道路、鉄道、家屋等が含まれている場合には第三者の立入管理措置を講じる必要が
あるところ、機体に設置されたカメラにより進行方向の飛行経路下に第三者の立入
りが無いことを確認できることが示されている場合については、補助者の配置や看
板の設置等を不要とする。
(申請者の責任において、無人航空機、カメラ、モニター等の特性や想定される
リスクを十分に考慮の上、第三者の立入りが無いことを確認するための運航条件
の設定等を行う。)
(2)荷物配送等をはじめとしたレベル3飛行において、次を全て満たすことで、自動
車が通行する道路等(移動車両上空を含む)上空の一時的な横断を可能とする(「レ
ベル 3.5 飛行」)。
・機体に設置されたカメラにより進行方向の飛行経路下に第三者の立入りが無い
ことを確認できることが示されていること。また、道路等への墜落を避けるため
の緊急着陸地点の選定等、運航上の安全対策を設けていること。
・飛行させる無人航空機に対応した現に有効な無人航空機操縦者技能証明(目視内
飛行の限定解除を受けたもの)を保有していること。
・第三者の負傷や交通障害等の不測の事態が発生した場合に十分な補償が可能な
第三者賠償責任保険に加入していること。
[物件投下(法第 132 条の 86 第2項第6号関係)]
(3)物件投下を行う飛行において、立入管理区画内に投下可能であることを実証飛行
等にて確認できた場合には、物件投下を行う際の高度規制(原則1m以下)を適用
しないこととする。



また、レベル3飛行に関しては9月に許可・承認申請に関する説明会というのが行われており
現行の運用基準での説明がなされていました。レベル3.5飛行に関する藻ではありませんが参考として記載します。

参考:国土交通省・航空局WEBサイトより
2023.09.27 カテゴリ―Ⅱ(レベル3)飛行の許可・承認申請に関する説明会資料掲載のお知らせ
9月12日に開催しました「カテゴリーⅡ(レベル3) 飛行の許可・承認申請に関する説明会」にて投影した資料および当日の主な質疑応答を纏めた資料を以下に掲載致します。
なお、説明会資料については一部補記している箇所もございますのでご留意のほど宜しくお願い致します。

カテゴリ―Ⅱ(レベル3)
飛行の許可・承認申請に関する説明会 国土交通省 航空局 無人航空機安全課
令和5年9月

令和5年9月12日 カテゴリ―Ⅱ(レベル3)飛行の許可・承認申請に関する説明会<補足資料>
国土交通省 航空局 無人航空機安全課 令和5年9月

飛行の許可・承認に係る審査基準は、下記に定めています。
無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行)
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