無人航空機の飛行形態「カテゴリーⅢ、Ⅱ、Ⅰ」 と 飛行レベル「レベル1~4」
2022年12月15日
2024年10月22日
無人航空機の法改正が続きドローンの規制や、操縦資格など、新しい制度が、作られる過程で、様々な飛行ケースを表す言葉として、「カテゴリーⅢ、Ⅱ、Ⅰ」や「レベル1、2、3、4」といった用語を目にすることが、多くなりました。「ドローンを「レベル4」で初飛行」とニュースで大きく報じられました。このように「レベル4」がなぜ画期的な事なのか、またそもそもこのレベルとは、何を表しているのか、改めて整理してみたいと思います。余談になりますが、法改正のタイミングで、ニュースなどでも、同じタイミングで取り上げられていたこともあり、全く別なのですが、自動車の自動運転に関する自動運転レベル(こちらはレベル0~5で表される)などと、混同してしまいそうです。
無人航空機の飛行レベルは飛行する条件をリスクに合わせてレベル分けしたカテゴリで、レベルが上がるほど、安全性リスクが増すものです。そのため、飛行レベルの高い飛行を行う場合は、より安全性に配慮した飛行が求められることになります。したがって、自律飛行(自動運転)もリスクを伴うものですが、自動車の自動運転ほどの精密な位置制御が必要ないであろうドローンの場合、他のリスク要因(目視外の飛行)と比較してさほど高くならないという事でしょう。したがって、この飛行レベルは自律飛行(自動運転)について語られている物ではく、自律飛行(自動運転)についての要素は入っていません。きわめて極端に言えば、空には道路もなく、歩行者もいない。(落とさなければいいだけ)という事ができると思います。また、有人航空機では、オートパイロットなど自動操縦の技術がすでにあることも、自動運転のリスク認識が、高くない一つの要因かもしれません。
2023年3月24日に日本国内で初めてレベル4飛行が実施されたニュースが流れましたがこれらのニュースの見出しでも「自動ドローン」や「自動飛行」などの見出しがいくつかありました。確かに、あらかじめルートや高度をプログラムして飛行させれば、自動と言えるのでしょうが、レベル4飛行を報じるのにはやや適切でない印象をうけました。手動だろうが自動だろうがレベル4の飛行はあるわけですし、ましてやドローンが状況判断をして自律飛行しているわけでもないですし。問題にすべきポイントがズレて伝わってしまう可能性があると思います。改めて、無人航空機の飛行レベルは、自動操縦のレベル分けではないです。ちなみに、自動車の自動運転のレベルは自動車の運転操作の範囲と責任の所在をレベル0~5の6段階で分類したものです。
無人航空機の飛行レベルは飛行する条件をリスクに合わせてレベル分けしたカテゴリで、レベルが上がるほど、安全性リスクが増すものです。そのため、飛行レベルの高い飛行を行う場合は、より安全性に配慮した飛行が求められることになります。したがって、自律飛行(自動運転)もリスクを伴うものですが、自動車の自動運転ほどの精密な位置制御が必要ないであろうドローンの場合、他のリスク要因(目視外の飛行)と比較してさほど高くならないという事でしょう。したがって、この飛行レベルは自律飛行(自動運転)について語られている物ではく、自律飛行(自動運転)についての要素は入っていません。きわめて極端に言えば、空には道路もなく、歩行者もいない。(落とさなければいいだけ)という事ができると思います。また、有人航空機では、オートパイロットなど自動操縦の技術がすでにあることも、自動運転のリスク認識が、高くない一つの要因かもしれません。
2023年3月24日に日本国内で初めてレベル4飛行が実施されたニュースが流れましたがこれらのニュースの見出しでも「自動ドローン」や「自動飛行」などの見出しがいくつかありました。確かに、あらかじめルートや高度をプログラムして飛行させれば、自動と言えるのでしょうが、レベル4飛行を報じるのにはやや適切でない印象をうけました。手動だろうが自動だろうがレベル4の飛行はあるわけですし、ましてやドローンが状況判断をして自律飛行しているわけでもないですし。問題にすべきポイントがズレて伝わってしまう可能性があると思います。改めて、無人航空機の飛行レベルは、自動操縦のレベル分けではないです。ちなみに、自動車の自動運転のレベルは自動車の運転操作の範囲と責任の所在をレベル0~5の6段階で分類したものです。
では、無人機の飛行レベルは、どのように分けられているのでしょうか
無人航空機の飛行レベルの概要
小型無人機の飛行形態を、飛行させる方法が目視内(直接機体を目で見てコントロール・ラジコン飛行機と同様のイメージ)、目視外(機体に搭載したカメラの映像をモニターで見ながらコントロール・一人称視点:FPV[First Person View])、飛行させる場所が無人地帯か有人地帯かによって「飛行レベル1~4」として分類しています。リスクの低い順に1、2、3、4とされています。一番飛行のリスク高いレベル4が、より厳しい安全対策をして飛行することになります。(容易に誰でも飛行できないという事です)
これは 「小型無人機の利活用と技術開発のロードマップ」(平成28[2016]年4月28日 小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会)で、整理されました。下図を参照。
小型無人機(ドローン)の飛行レベル
レベル1:目視内・操縦飛行
レベル1は、操縦者が機体を見える範囲で直接目で見て、手動操作をする飛行です。一般的なドローン利用の形態を指します。ラジコン操作というのが、イメージしやすいです。農薬散布や映像コンテンツのための空撮、橋梁や送電線といったインフラ点検などで既に活用が進んでいる飛行方法です。
レベル2:目視内飛行(操縦無し)
レベル2は、見える範囲で自動運転機能を活用した飛行を行うものを指さします。目の前でドローンが自動運転(事前のプログラムに沿って)作業を進めていく様なイメージです。万一ドローンが移乗動作をした場合でも、手動に切り替えて対応するなど、目の前の機体に対する対応なので対応が比較的しやすい(レベル3、4と比較して)と思います。農薬散布や空中写真測量やソーラーパネルの設備点検などで利用されている飛行方法です。
レベル3:無人地帯での目視外飛行(補助者の配置なし)
レベル3は、住民や歩行者らがいないエリアにおいて、目の届かない範囲まで飛行する形態を指します。離島や山間部への荷物配送、被災状況の調査、行方不明者の捜索、長大なインフラの点検、河川測量などで活用が期待されます。この飛行は、ドローンの機体に搭載したカメラの映像をモニターで見ながらコントロールする飛行方法です。実際にドローンに乗って見ているかのような映像で飛行することからFPV(一人称視点)飛行とも呼ばれます。ドローンレースなどでも利用されています。一人称視点の場合現状では、カメラの映像のみ(地上のサブカメラの映像がある場合も考えられますが)を見ながらの操縦になるため、より、安全性と飛行技術が必要になると思います。また、操縦者以外に目視で確認できる位置に補助者を配置するなどして、周辺の安全情報を得ながら飛行させる場合は、このレベル3には当てはまりません。
レベル3.5 : 特定の条件下での人口集中地区以外の目視外飛行(レベル3飛行)
新たに規定され追加されたレベル3.5ですが、「レベル3」と「レベル4」との間という意味合いよりレベル3の拡張と言う意味合いの方が強いものだと思います。規制緩和に伴った変更などもされています。詳細は以下にあります。
無人航空機 レベル3飛行の条件緩和、レベル3.5飛行の新設
条件緩和に伴い運用の解釈も2024年6月10日に、変更されました。
詳細は以下にまとめています。
「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」が更新されました[R6.6.10更新]
条件緩和に伴い運用の解釈も2024年6月10日に、変更されました。
詳細は以下にまとめています。
「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」が更新されました[R6.6.10更新]
レベル4:有人地帯(第三者上空)での目視外飛行(補助者の配置なし)
レベル4は、市街地などを含めた、人や、建物などがあるエリアにおいて目の届かない範囲まで飛行する形態を指します。都市の物流や警備、発災直後の救助、避難誘導、消火活動の支援、都市部におけるインフラ点検などがレベル4として考えられています。令和4年(2022年)12月5日に施行された航空法により可能となった飛行形態です。現状では、機体認証という安全性を担保する制度で認められたドローンの機体を使用して国から一等無人航空機操縦士の免許をうけた操縦者でのみ飛行させることができるようになりました。
令和4年(2022年)12月5日以前でも、レベル1、2は遵守すべきルールを守れば可能で、無人地帯における目視外飛行となるレベル3は飛行ごとの許可により可能でしたが、有人地帯における目視外飛行となるレベル4は原則禁止されていました。2023年3月24日に
レベル4飛行解禁への流れ
2021年6月の航空法改正で、レベル4飛行実現に向け、国土交通大臣が機体の安全性を認証する制度「機体認証制度」と、操縦者の技能を証明する制度「技能証明制度」を創設することが盛り込まれました。
技能証明を有する者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合、国の許可や承認を受けることでレベル4飛行が可能になり、これまで国の許可・承認を必要としていたレベル3飛行などについても手続きが合理化されました。
一方、無人航空機を飛行させる者に対して、人身事故や物件の損壊、航空機との衝突・接触といった事故発生時に国への報告が義務付け、運輸安全委員会が調査対象とする航空事故に無人航空機に係る事故のうち重大なものが追加されるようになりました。
参考:国土交通省航空局 無人航空機のレベル4の実現のための新たな制度の方向性について
無人航空機の飛行カテゴリーの概要
無人航空機の飛行形態を、リスクに応じた3つのカテゴリー(リスクの高いものからカテゴリーⅢ、Ⅱ、Ⅰ)に分類されています。該当するカテゴリーに応じて、許可承認などの手続きが必要な場合と不要な場合があります。必要な法手続きを表すために、分類されたものです。先に示した飛行レベルとは異なりますので注意が必要です。飛行カテゴリー決定のフロー図
カテゴリーⅠの飛行 特定飛行に該当しない飛行。
航空法上の飛行許可・承認手続きは必要ありません。すなわち、許可承認を得ることなく飛行させても問題ない飛行です。当然、操縦者の免許も必要ありません。
カテゴリーⅡの飛行 特定飛行のうち、無人航空機の飛行経路下において立入管理措置を講じたうえで行う飛行。(=第三者の上空を飛行しない)
特定飛行のうち空港等周辺、150m以上の上空、催し場所上空、危険物輸送及び物件投下に係る飛行並びに最大離陸重量25kg以上の無人航空機の飛行(カテゴリーⅡA飛行)については、立入管理措置を講じた上で、無人航空機操縦士の技能証明や機体認証の有無を問わず、個別に許可・承認を受ける必要があります。
また、特定飛行のうち DID(人口集中地区)上空、夜間、目視外、人又は物件から30mの距離を取らない飛行であって、飛行させる無人航空機の最大離陸重量が25kg未満の場合については、立入管理措置を講じた上で、無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合、飛行マニュアルの作成等の無人航空機の飛行の安全を確保するために必要な措置を講じることにより、許可・承認を不要とすることができます(カテゴリーⅡB飛行)。
この飛行マニュアルは、無人航空機を飛行させる者が安全の確保に必要な事項を盛り込み、その内容や形式は、飛行の実態に即して作成し、これを遵守する必要があります。
これら以外の場合の飛行は、個別に許可・承認を受ける必要があります(カテゴリーⅡA飛行)。
個別の許可承認を事前に得ることで、飛行可能になります。飛行禁止区域の詳細などを飛行計画と一緒に提出するなど提出書類が、やや増えますが許可されれば、飛行可能です。カテゴリーⅢの飛行 特定飛行のうち、無人航空機の飛行経路下において立入管理措置を講じないで行う飛行。(=第三者の上空で特定飛行を行う)
レベル4飛行(有人地帯における補助者なし目視外飛行)を含む、一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が第一種機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合であって、飛行の形態に応じたリスク評価結果に基づく飛行マニュアルの作成を含め、運航の管理が適切に行われていることを確認して許可・承認を受けた場合に限ります。※立入管理措置とは、無人航空機の飛行経路下において、第三者(無人航空機を飛行させる者及びこれを補助する者以外の者)の立入りを制限することを指します。
※機体認証及び操縦者技能証明の取得により、カテゴリーⅡ飛行のうち一部の飛行許可・承認手続が不要になる場合があります。
特定飛行という飛行が出てきていますが、下記のような飛行の事を言います。
特定飛行に該当する飛行
飛行許可申請が必要な飛行空港等の周辺の空域の飛行
人口集中地区(DID)の上空の飛行
150m以上の上空の飛行
緊急用務空域の飛行
飛行承認申請が必要な飛行
夜間の飛行
目視外での飛行
人または物件との距離を30m以上確保できない飛行
多数の人が集まる催しの上空での飛行
夜間の飛行
目視外での飛行
人または物件との距離を30m以上確保できない飛行
多数の人が集まる催しの上空での飛行
危険物を輸送する飛行
無人航空機から物を投下する飛行(農薬散布なども含む)
参考:
航空安全:無人航空機の飛行許可・承認手続 - 国土交通省
レベル4飛行実現に向けた新たな制度整備[PDF]
カテゴリー分類に関する補足資料
無人航空機の有人地帯における 目視外飛行(レベル4)の実現に向けた検討小委員会 中間とりまとめ[PDF]