「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」が更新されました[R6.6.10更新]
2024年6月14日
2025年1月28日
資料「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」をR6(2024).6.10に更新されました。
無人航空機に係る規制の運用における解釈について
https://www.mlit.go.jp/common/001303820.pdf
規制緩和に伴った変更などもされています。詳細は以下にあります。
無人航空機 レベル3飛行の条件緩和、レベル3.5飛行の新設
具体的にどのように更新されたのか、更新部分は、太字で表しています。
「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」
令和6年6月10 日 最終改正(国空無機第19380 号)より
無人航空機に係る規制の運用における解釈について
https://www.mlit.go.jp/common/001303820.pdf
規制の運用における解釈とは、行政機関が法律に基づいて運用を行う際、その法律をどのように解釈するかを決めることです。これにより、行政機関内の担当者による処理の違いや、法律の意図から外れた運用を防ぐことができます。無人航空機の許可承認や運用においても、解釈の考え方を把握しておくことで、何が許可されているか、何が許可されていないかを判断するのに役立ち、齟齬が起きにくくなると考えられます。
最新の更新では、令和6年11月29日に変更されています。詳細を下記にまとめています。
合わせて確認してみてください。
「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」が更新されました [R6.11.29更新]合わせて確認してみてください。
無人航空機の飛行に関する規制は、平成27年に制定された後、法令の改正とともに継続的に更新されてきました。最新の更新は令和5年1月でしたが、今回令和6年6月10日に変更がありました。
この更新では、文書の表現の違いや用語の置き換えなどが行われたほか、一部に詳細を追加する形での変更も含まれています。具体的には、「無人航空機を飛行させる者」や「飛行させる者」という表現がすべて「操縦者」に置き換えられました。また、「目視」や「緊急性がある飛行」の定義の見直し、「多数の者の集合する催し」の定義と具体例の追加、「第三者上空の飛行」「立入管理措置」「気象条件」に関する新たな事項が追加されています。
規制緩和に伴った変更などもされています。詳細は以下にあります。
無人航空機 レベル3飛行の条件緩和、レベル3.5飛行の新設
具体的にどのように更新されたのか、更新部分は、太字で表しています。
「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」
令和6年6月10 日 最終改正(国空無機第19380 号)より
3.航空法第132 条の86 関係【飛行の方法】
(2) 飛行に必要な準備が整っていることを 確認した後の飛行
飛行前に機体の点検等を 実施することで 故障等による落下を防止するため 、航空法第 132 条の 86 第 1 項 第 2 号により 、飛行に必要な 準備が整っている ことを 確認 した後 において 飛行 させる こととして いる 。 また、航空法施行規則 第 236 条の 77 に 定められた 確認しなければ ならない事項 とその 具体的な例は次の通りである。
② 当該無人航空機を飛行させる空域及びその周囲の状況を確認すること具体的な例:飛行経路に航空機や他の無人航空機が飛行していないことの確認飛行経路の直下及びその周辺の落下分散範囲に第三者がいないことの確認
「飛行経路下に第三者がいないことの確認」が → 「飛行経路の直下及びその周辺の落下分散範囲に第三者がいないことの確認」に変更されています。
「飛行経路下に第三者がいないことの確認」が → 「飛行経路の直下及びその周辺の落下分散範囲に第三者がいないことの確認」に変更されています。
③ 当該飛行に必要な気象情報を確認すること
具体的な例: 風速が運用限界の範囲内であることの確認
風速においては、離着陸場所の地上風及び飛行経路上の各高度帯における風向風速変動を確認すること
が追加されています。
(3)航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するための方法による飛行
航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するため、航空法第132 条の86 第1 項第3号により、無人航空機をその周囲の状況に応じ地上に降下させる等の方法により飛行させることとしている。また、航空法施行規則第236 条の78 に定められた衝突を予防するための方法とその具体的な例は次の通りである。
① 無人航空機を飛行させる者(以下「操縦者」という。)は、無人航空機の飛行経路上及びその周辺の空域において飛行中の航空機を確認し、衝突のおそれがあると判断される場合は、当該無人航空機を地上に降下させることその他適当な方法を講じることとする。
② 操縦者は、無人航空機の飛行経路上及びその周辺の空域において飛行中の他の無人航空機を確認したときは、他の無人航空機との間に安全な間隔を確保して飛行させること、又は衝突のおそれがあると判断される場合は、無人航空機を地上に降下させることその他適当な方法を講じることとする。
ここで、「その他適当な方法を講じること」とは、衝突する可能性のある方向とは別の方向に無人航空機を飛行させることをいい、空中で停止することも含まれ得る。
「 回避させる こと 」 が 「その他適当な方法を講じること」 に変更されています。
(6)目視の範囲内での飛行
ここで、「目視」とは、操縦者本人が自分の目で見ることをいうものとする。この
ため、補助者による目視は該当せず、また、飛行状況を専らモニターを用いて見る
こと、また双眼鏡やカメラ等を用いて見ることは、視野が限定されるため「目視」
にはあたらない。
なお、安全な飛行を行うためにバッテリー残量を確認する目的等で無人航空機から
一時的に目を離し、モニターを確認する等は目視飛行の範囲内とする。
(8)多数の者の集合する催し場所上空以外の空域での飛行
多数の者の集合する催しが行われている場所の上空においては、無人航空機を飛行させた場合に故障等により落下すれば、人に危害を及ぼす蓋然性が高いことから、航空法第132 条の86 第2項第4号により、一時的に多数の者が集まるような催し場所上空以外の空域での飛行に限定することとしている。
どのような場合が「多数の者の集合する催し」に該当するかについては、催し場所上空において無人航空機が落下することにより地上の人に危害を及ぼすことを防止するという趣旨に照らし、集合する者の人数や密度だけでなく、特定の場所や日時に開催されるものかどうか、また、主催者の意図等も勘案して総合的に判断される。
なお、飛行許可・承認の取得の有無によらず、飛行予定経路下において想定していない「多数の者の集合する催し」が開催されることが明らかになり、飛行場所に第三者の立ち入り又はそのおそれのあることを確認したときは、直ちに当該無人航空機の飛行を停止し、飛行経路の変更、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を損なうおそれがない場所への着陸その他の必要な措置を講じなければならない。
具体的な事例は次のとおりである。
○該当する例:
航空法第132 条の86 第2項第4号に明示されている祭礼、縁日、展示会のほか、プロスポーツの試合、スポーツ大会、運動会、屋外で開催されるコンサート等のイベント、ドローンショー(自社敷地内、無人の競技場内等、第三者の立入管理措置が行われていることが明白である場所での事前練習や企業向けの配信用撮影等を除く)、花火大会、盆踊り大会、マラソン、街頭パレード、選挙等における屋外演説会、デモ(示威行為) 等
○該当しない例:
第三者に関すること に示す関与者のみが参加する催し場所上空の飛行、自然発生的なもの(例えば、混雑による人混み、信号待ち) 等
なお、飛行の形態はケース毎に異なることから、上記において多数の者の集合する催しに該当しない場合であっても、特定の時間、特定の場所に数十人が集合しているときには「多数の者の集合する催し」に該当する可能性がある。
(10)物件投下の禁止
飛行中に無人航空機から物件を投下した場合には、地上の人等に危害をもたらすおそれがあるとともに、物件投下により機体のバランスを崩すなど無人航空機の適切な制御に支障をきたすおそれもあるため、航空法第132 条の86 第2項第6号により、物件投下を禁止することとしたものである。
ここで、水や農薬等の液体を散布する行為は物件投下に該当し、対象物件を地表等に落下させることなく地上の人員に受け渡す行為や輸送した物件を地表に置く行為は物件投下には該当しない。
5.立入管理措置に関すること
航空法第132 条の85 第1項では、「立入管理措置は、無人航空機の飛行経路下において操縦者及びこれを補助する者以外の立入りを管理する措置であって国土交通省令で定めるもの」としており、航空法施行規則第236 条の70 においてその詳細として「補助者の配置、立入りを制限する区画の設定その他の適切な措置」としている。補助者の役割については、例として監視及び口頭警告などがあり、また、第三者の立入りを制限する区画(立入管理区画)の設定については、飛行させる無人航空機の落下分散範囲も考慮しなければならないところ、当該区画の範囲を明示するために必要な標識の設置等が必要となるが、関係者以外の立入りを制限する旨の看板、コーン等による表示などの措置が必要となる。なお、無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行)(平成27 年11 月17 日制定 国空航第684 号、国空機第923号、以下「審査要領」という。)5-4(1)d)ウ)(iii)に基づき、機体に取り付けられたカメラを活用して補助者を配置せずに目視外飛行を行う場合(技能証明を有する者が機体認証を受けた機体を飛行させる場合であって、国土交通大臣の承認を受けずに同等の飛行を行う場合を含む。)にあっては、機体に取り付けられたカメラにより進行方向の飛行経路の直下及びその周辺への第三者の立ち入りが無いことを確認することを以て、立入管理措置が行われているものとみなす。
6.第三者に関すること
(1)「第三者」について
航空法132 条の87 などで規定する「第三者」の定義については、以下のとおり。
「第三者」とは、無人航空機の飛行に直接的又は間接的に関与していない者をいう。次に掲げる者は無人航空機の飛行に直接的又は間接的に関与しており、「第三者」には該当しない。
①無人航空機の飛行に直接的に関与している者
直接的に関与している者(以下「直接関与者」という。)とは、操縦者、現に操縦はしていないが操縦する可能性のある者、補助者等無人航空機の飛行の安全確保に必要な要員とする。
②無人航空機の飛行に間接的に関与している者間接的に関与している者(以下「間接関与者」という。)とは、飛行目的について操縦者と共通の認識を持ち、次のいずれにも該当する者とする。
a)操縦者が、間接関与者について無人航空機の飛行の目的の全部又は一部に関与していると判断している。
b)間接関与者が、操縦者から、無人航空機が計画外の挙動を示した場合に従うべき明確な指示と安全上の注意を受けている。なお、間接関与者は当該指示と安全上の注意に従うことが期待され、操縦者は、指示と安全上の注意が適切に理解されていることを確認する必要がある。
c)間接関与者が、無人航空機の飛行目的の全部又は一部に関与するかどうかを自ら決定することができる。
例:映画の空撮における俳優やスタッフ、学校等での人文字の空撮における生徒 等
(2)「第三者上空」について
「第三者上空」とは、(1)の「第三者」の上空をいい、当該第三者が乗り込んでいる移動中の車両等(3.(7)に例示する車両等をいう。以下同じ。)の上空を含むものとする。この場合の「上空」とは、「第三者」の直上だけでなく、飛行させる無人航空機の落下距離(飛行範囲の外周から製造者等が保証した落下距離)を踏まえ、当該無人航空機が落下する可能性のある領域に第三者が存在する場合は、当該無人航空機は当該第三者の上空にあるものとみなす。
また、無人航空機の飛行が終了するまでの間、無人航空機の飛行に関与しない者((1)の「第三者」)の態様及び飛行の形態が以下のいずれかに該当する場合は、無人航空機が第三者上空にあるとはみなさないこととする。
①「第三者」が遮蔽物に覆われており、当該遮蔽物に無人航空機が衝突した際に当該第三者が保護される状況にある場合(当該第三者が屋内又は車両等(移動中のものを除く。)の内部にある場合等。)
②「第三者」が、移動中の車両等(無人航空機が当該車両等に衝突した際に当該第三者が保護される状況にある場合に限る。)の中にある場合であって、無人航空機が必要な要件を満たした上で審査要領5-4(3)c)カ)(iii)に規定されるレベル3.5 飛行として一時的に当該移動中の車両等の上空を飛行するとき。
ただし、「第三者」が遮蔽物に覆われず、無人航空機の衝突から保護されていない状況になった場合には、無人航空機が「第三者上空」にあるとみなされる点に留意すること。
(3)「第三者が立ち入った場合の措置」について
(2)②により無人航空機が一時的に移動中の車両等の上空を横断する場合(「第三者」が当該車両等に保護されていない状況となった場合を除く。)については、航空法第132 条の87 で規定する「特定飛行中の無人航空機の下に人の立入り又はそのおそれのあることを確認したとき」に該当しない。
7.補助者の役割等に関すること
航空法施行規則第236 条の75 に規定する補助者の役割等については、前提として、操縦者は機体の動きや操縦に集中する必要があり、離着陸エリアを含めた飛行経路の管理を操縦と同時に行うことが困難であるため、飛行準備や飛行経路の安全管理、第三者の立入り管理などは補助者が主として行う必要がある。補助者は、離着陸場所や飛行経路周辺の地上や空域の安全確認を行うほか、飛行前の事前確認で明らかになった障害物等の対処について手順に従い作業を行うことに加え、無人航空機の飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を常に監視すること。
操縦者とのコミュニケーションは予め決められた手段を用いて行い、危険予知の警告や緊急着陸地点への誘導、着陸後の機体回収や安全点検の補助も行うこと。
無人航空機の飛行経路や範囲に応じ補助者の数や配置、各人の担当範囲や役割、異常運航時の対応方法も決めておく必要がある。
8.捜索、救助等のための特例
航空法第132 条の92 は、事故や災害等の発生時における人命の捜索、救助等が極めて緊急性が高く、かつ、公共性の高い行為であることから、当該捜索、救助等に支障が出ないよう、航空法第132 条の85 による無人航空機の飛行の禁止空域に関する規定や航空法第132 条の86 による飛行の方法に関する規定などの適用を除外することにより、捜索又は救助等の迅速化を図ることを趣旨としたものである。
本特例については、航空法施行規則第236 条の88 により、以下の者に対して適用される。
・国又は地方公共団体
・国又は地方公共団体の依頼により捜索又は救助を行う者
また、国土交通省令で定める目的については、航空法施行規則第236 条の89 により、「捜索又は救助」と定められているが、本規定における「捜索又は救助」とは、事故や災害の発生等に際して人命や財産に急迫した危難のおそれがある場合において、人命の危機又は財産の損傷を回避するための措置(調査・点検、捜査等の実施を含む。)を指しており、当該措置をとることについて緊急性がある(※1)飛行については、本特例が適用されることとなる。
(※1)緊急性がある場合とは、飛行の許可・承認申請の対応窓口への申請を行う手段又はいとまがない状況であること。
なお、特例の対象となる飛行においても、飛行の安全性を確保することは言うまでもないことから、「航空法第132 条の92 の適用を受け無人航空機を飛行させる場合の運用ガイドライン」(平成27 年11 月17 日付国空航第687 号、国空機第926 号)を参考にしつつ、無人航空機の使用者又は操縦者は、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれることがないよう安全の確保を自主的に行う必要がある。